[対象: 上級]
不正に集めた不自然なバックリンクをどうしても除去できないときはリンク否認ツールを使ってそれらのリンクを非承認とすることができます。
使い方において難しかったり気を付けなければならなかったりすることがあるため、正しく利用できていないサイト管理者が大勢いることを国内外のフォーラムやソーシャルメディアの投稿で僕は実感しています。
そんななか、独Googleサーチクオリティチームに所属するUli Lutz氏から直接教えてもらったというリンク否認ツールの使い方に関する情報をSNO.PEブログのRalf Schwoebel氏が共有しています。
次の2つをSchwoebel氏はメールで質問しました。
- 調べなければならないバックリンクの的確なデータ元は何か?
- 友人のサイト(からのリンク)をうっかり報告したらどうなるか? そのサイトからのリンクが悪いと考えたけれど本当は悪くなかった場合だ。
Google社員から返ってきた回答の重要ポイントとして次の3つをSchwoebel氏は挙げています。
- Googleウェブマスターツールのレポートに出てくるリンクを集中的に調べる。
- 他人にダメージを与えることについては心配いらない。そういうことは起きない。
- サイトワイドで非承認できることをよく知っておいたほうがいい。そのほうが楽にやれる。
質問と回答の全文が公開されているわけではなく全体のコンテキストが完全にはわからないので何とも言えない部分はありそうですが、大切な情報であることは間違いないでしょう。
1つ目の「調査するバックリンクのデータはウェブマスターツールのデータを利用するべき」というアドバイスは去年のPubConでMatt Cutts(マット・カッツ)氏から僕が聞いた内容と一致します。
ただし先日見せた不自然リンクに対する再審査リクエストの個別対応の返信には次のように書かれていました。
ウェブマスターツールからダウンロードできるリンクはサンプルとなりますので必ずしも全てのリンクを網羅しているとは限りません。
Matt Cutts氏も、“vast, vast majority”(ほとんどすべて)という言葉を使っていて全部のリンクがウェブマスターツールで手に入るとは確かに言っていなかったことをはっきりと僕は記憶しています。
そうは言っても、まず調べるのはウェブマスターツールのデータということにはなりますね。
そのうえでどうしても再審査リクエストで手動の対応が解除されないときはサードパーティ製のツールも使って追加調査を行うということになるでしょう。
2つ目に関しては、否認するリンクのリストに書かれたサイトが何らかの影響を受ける、たとえば評価を下げられたりスパムサイト扱いされたりするということはなさそうです。
悪意を持った第三者によって不正に通報されることがあり得るのでこれは納得がいきます。
でも互いに無関係の多くのサイトによって否認リストに掲載されたサイトがあったらチェックが入るかもしれませんね。
「このサイトはリンクを売っている可能性があるから調査しよう」とか。
3つ目の「サイトワイドでの非承認」は、“domain:”構文を使ってドメイン全体からのリンクをすべて無視したほうが簡単な場合があるということです。
サイドバーやフッターなどテンプレート部分に組み込まれたリンクは全ページに出現します。
1本1本のURLを否認リストに書くのはページ数が多いサイトでは手間がかかります。
“domian:”を使えばそのドメインからのリンクを一括で非承認にできますね。
リンク否認ツールを使ったペナルティ解除の海外事例でも、“domain:”でドメイン全体からのリンクを非承認にしたと説明していました。
サイドバーやフッターでないにしても、人工リンクを作るときには1つのサイトの複数のページからリンクを張ることも多いはずなのでドメイン単位の否認ができることは知っておくべきです。
リンク否認ツールの助けを借りて不自然リンクへの手動対応が解除された例も出てきています。
しかし依然として再審査リクエストに不合格が続いているサイトもあります。
不正なリンクを削除するするための十分な努力の跡が見られかつ不自然なリンクの数が明らかに減っていないといくらリンク否認ツールを使って非承認をリクエストしても再審査には合格できないと肝に銘じてください。
P.S.
ヘルプが更新され、「リンクの否認」から「リンクの非承認」に用語が変更されました。(Thanks for pinging us, 大先生.)
でもツールの名称は「リンク否認ツール」のままです。
この記事ではツールには「否認」を用いていますがそれ以外は混在させて使っています。