Googleがクロールしたウェブページの10%がHTTPS、かたや検索結果の1ページ目に表示されているウェブページの30%がHTTPS

[対象: 中〜上級]

2014年9月30日〜10月1日に米ニューヨークでSMX Eastが開催されました。
GoogleスイスのGary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏がHTTPSパネルに登壇し、GoogleがHTTPSをランキングシグナルに加えたことに関して話しました。

新たに公表されたこともあるので紹介します。

Googleイリーズ氏が明かすHTTPSのあれこれ

Googleが発見してクロールしたウェブページの10%がHTTPS。検索結果の1ページ目に表示されているウェブページの30%がHTTPS

ウェブ全体よりも、検索結果の1ページ目のHTTPSページの割合が高いのは興味深いところです。
ただどうしてこうなったのかの理由まではわからないそうです。

ランキングシグナルとしてのHTTPSの影響力は非常に弱いので、HTTPSが上位表示に直接影響したわけではないはずです。
HTTPSを導入するサイトはコンテンツが充実していたりその他のSEOがきちんとできている傾向にあるのでしょうか?

HTTPSをランキングシグナルにすることを提案したのはイリーズ氏。アルゴリズムのコードを書いたのもイリーズ氏

イリーズ氏は、Webmaster Trend Analyst(ウェブマスター・トレンド・アナリスト)のポジションに就いているGoogle社員です。
Webmaster Trend Analystを公式ヘルプフォーラムでは次のように説明していました。

ウェブマスター トレンド アナリストは、ウェブマスターの皆さまと Google のエンジニアとの橋渡し役として、ウェブマスターが抱える問題をエンジニアへと伝えたり、皆さまがより良いサイトを運営するためのアドバイスをおこなっているチームです。

どちらかというと人間相手の職種かと思っていたのですが、イリーズ氏はエンジニアとしてコーディングもできるようです。

HTTPSは小さなシグナル。関連性や質が同等だったとしたら、HTTPSのページを上にすることがある

これはHTTPSをランキング要因として導入して以来繰り返し言われていることです。
最近では、同じGoogleスイスのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏も、HTTPSへ移行したからといって目に見える順位上昇はないと発言していました。

すでにランキングシグナルになっているページの表示速度と同様に、その他の評価がほぼ同じページがあって、片方がHTTP、もう片方がHTTPSだとしたら、HTTPSの方を上に出すといったくらいのものです。
関連性や質を上書きするほどの力はありません。

もちろん今後は変更があるかもしれませんが、現状ではこうなっています。

まったく機能していなかったりサブジェクト名が一致していなかったりする不適切なサーバー証明書を実装しているサイトはランキングを下げたり、HTTPとして取り扱うことが可能かどうかを検討中

サーチクオリティチームのなかでは、HTTPSに関していろいろなアイディアをブレインストーミングして出し合っているそうです
HTTPSの実装に必要なサーバー証明書の状態をシグナルの構成要素として組み込めるかどうかに取り組んでいます。

ECサイトで、ログイン後のチェックアウトプロセスのHTTPSの暗号強度が一定のレベル以上かどうかをチェックする。案としては出たが、実装は考えていない。

こちらもブレインストーミングで出たアイディアです。
しかし、ただのアイディアで終わったようです。

多数のサイトがHTTPSに移行したら、アクセス解析ツールで検索キーワードを再び取得できるようにするかどうかを話し合ってみる

セッションを聴いていた参加者からの質問への回答です。
「何も言えないけれど、話し合ってはみる」とのことです。

そのサイトの管理者にだけくらいは検索キーワードを見せてほしいものです。
HTTPSへ喜んで移行するので、これは前向きに検討してほしいですよね。

以上です。
あなたが気になった発言はあったでしょうか?

[H/T]