ハイリスク・ハイリターンSEO – 中古ドメインの301リダイレクト

乱用されたくないので詳しくは話しませんが、古いドメインを取得したばかりの新しいドメインに301リダイレクトしてサイトを作成すると、ドメインエイジやバックリンクなど、新しいドメインに足りていない要素を引き継いで、楽に上位表示できる場合があります。

しかも、転送元の古いドメインのサイトと転送先の新しいドメインのサイトのテーマがまったく異なっていても、新規スタートとはみなされず、前のサイトが蓄積した資産を相続できてしまうのです。

どうしてこんなことが起こるのでしょう?
これをうまく利用するにはどうしたらいいのでしょう?

こんなスレッドが、WebmasterWorldに投稿されました。

結論から言うと、分かりません。

古い運用暦のあるドメインであれば、たとえまったく無関係のサイトからのリダイレクトであっても、元のサイトが持つ種々のスコアがも転送されるという結果は、全員が認識しています。

しかし、はっきりとした原因は誰にも解明できていません。

でも、非常に魅惑的なSEO手段ではあります。
採用するべきなのでしょうか?

フォーラムアドミニストレータのtedster氏は、次のようにコメントしています。

if you use domain-level 301s purely to get ranking increases, Google will sometimes penalize your sites – and then not let go of the penalties very easily. It is after all something that they openly discourage. Google engineers have even mentioned that they have special tools to track deceptive 301 activities, so you should appreciate that. Entire collections of domains have vanished from the SERPs in a flash. So Google does stop the effectiveness of the tactic — when they catch onto it in any given case.

As the opening post mentions, sometimes the approach works. But it’s also the kind of thing that can really burn through domains when it misfires. I’d consider it one of those “high risk” approaches – a description I much prefer to “ethical”. Google is not a religion, at least not yet ;)

概略を訳します。

“単にランキングを上げるためだけに301を使って、それがばれると、ペナルティを受けることがありえる。しかも、そのペナルティはそう簡単には解除されない。時にはドメイン全体が一瞬にして、消滅することすらある。

Googleは、検索エンジンを欺く301リダイレクトを検出するための特殊なツールを使用して、301の悪用に対抗しようとしている。

この古いドメインの301リダイレクト作戦は、うまくいくこともあるが、不発に終わったときにはドメインすべてを焼き尽くしてしまうほど、「ハイリスク」だ。”

最後に、tedster氏は、「Googleは、少なくとも今はまだ崇拝する存在にはなっていないけれど、“倫理的・道徳的”な観点から、すべきでない」と述べています。

また、関連性のないサイトからのバックリンクの評価に関しては、301リダイレクトに限ったことではなく、一般的にも見られる現象です。

Webマスターの間では関連性のあるサイトからのリンクが好ましいと言われ、Googleもそれを推奨していますが、実際には無関係なサイトからのリンクでも問題にならないケースもあります。

向上してきているとは言え、Googleのセマンティック技術(言葉の意味を判断する技術)の限界かもしれません。

「関連性のあるサイトからリンクを集めろ」というのは、「ソーシャル・エンジニアリング(煽動)」とも言えそうです。

話を中古ドメインと301リダイレクトに戻します。

Googleは、ドメインの所有者が変わったときには「履歴をリセットする」と言っていますが、それはそういった権限を確保してるいうことで、穿った見方をすれば、時には適用するし時には適用しません。

中古ドメインの301リダイレクト作戦が本当にリスキーだというのは、見つかったときに被リンクの価値がリセットされてゼロになるという単純なことではありません。

うまく機能することに味を占めて、この戦術に当てはめてすべてのサイトを展開してしまい、それがGoogleの探索部隊を発動させてしまう可能性があります。

そうなると、管理するドメインの関係がすべて暴かれて、最悪の場合はペナルティを課せられることも考えられます。

ビジネスの世界においては、M&Aといった企業の吸収合併があるので、そんなケースでの301リダイレクトの利用はまったく問題ありません。

Googleが気にかけるのは検索結果を操作するための中古ドメインと301の悪用であって、この手法に真のリスクが存在します。

僕がSphinn Japan Blogで書いたリンク売買と同じように、中古ドメイン作戦も”at your own risk”ということです。

中古ドメインSEOは、「ハイリスク・ハイリターン」を肝に銘じておきましょう。