[対象: 中〜上級]
Googleマップにおけるローカル検索のSEOで知っておきたい情報をこの記事では解説します。
2日間のSMX Advanced 2013に参加した翌日、タイアップで開かれた「Local University Advanced」に参加しました。
Local University (Local U)は、ローカル検索に焦点を絞ったワークショップです。
メンバーには、ローカル検索業界のエキスパートたちが顔をそろえています。
今回のLocal University Advancedには、GoogleマップのJoel Headley(ジョエル・ヘッドリー)氏が招かれました。
Headley氏は、簡単にGoogleマップについて話した後に、参加者からの質問に答えてくれました
Headley氏から聞いたGoogleマップSEOの最新情報をこのあとシェアします。
Local Uは小規模なセミナー形式。僕は、ジョエルさんの目の前に座って真剣に勉強してます。w
Google社員から聞いたGoogleマップSEOの4つの最新情報
- 1つのユニークなコンタクト手段を持つ
- ランキング決定にはオフラインでの行動データも使う
- schema.orgを導入すべき
- 感情分析の利用
1. 1つのユニークなコンタクト手段を持つ
Headley氏は、僕たち受講者に向かって次のようにアドバイスしました。
すべてのビジネスは1つのユニークなコンタクト手段を持つようにする。
トラッキング用ナンバーや1-800よりもローカルナンバーがいい、
トラッキング用と本物もわけないほうがいい、統一する。
Googleは、ビジネスの識別情報として電話番号を使っています。
同じお店や会社であっても、復数の電話番号がウェブに存在すると別々のビジネスとして認識されてしまうことがあります。
したがって、ウェブで使う電話番号は1つに統一することが望まれます。
トラッキング用ナンバーとは、サイトからの電話問い合わせを記録するために、普段使うのとは別に専用に設けた電話番号です。
統計データを得られるので便利ですが、ローカルSEOという観点から見ると、マイナス面があります。(詳しく知りたければ、Local Uの主催者でもある、“Professor Maps”こと、Mike Bluementhol氏が書いたこちらの記事をお読みください。)
1-800は、”トールフリー”(toll-free)で、日本での0120、フリーダイヤルに相当します。
Googleに認識させる電話番号はこうした着信課金電話番号を使わずに、市外局番から始まる通常の電話番号にすべきです。
なお、Headley氏が指摘した電話番号の統一に加えて、名称と住所の一貫性もローカルSEOでは非常に重要です。
“NAP Consistency”(NAPの一貫性)と呼びます。
- Name(ビジネス名)
- Address(住所)
- Phone(電話番号)
ウェブに存在する、これらの3つの情報は表記方法も含めてすべて同じであるようにします。
2. ランキング決定にはオフラインでの行動データも使う
ここからは僕がHeadley氏に直接聞いてきたことです。
Googleマップのランキング要因には、ユーザーのオフラインでの行動も利用するとのことでした。
具体的にどんな行動かは聞けませんでしたが、たとえば次のような行動が考えられます。
- 地図検索した後、実際にその場所へ行く
- チェックインする
- Click to call(クリック・トゥー・コール)で電話をかける
- レビューを書き込む
GPSのデータを取得すればその場所へ行ったかどうかを知ることができますね。
今は、IPS(「Indoor Positioning System/Interior Positioning System」といって建物の中でもどこにいるかの情報も取得するんだそうです(ノーベル賞受賞のテーマになったiPSとはまったく別モノですw)。
たとえば、たくさんのテナント店舗が入っているデパートで、具体的にどのお店に行ったかがわかります。
チェックインにしても、Click to callにしても、レビュー書き込みにしても、実際にそのお店や店舗に対して何らかのアクションをお越した証拠になります。
オフラインでのこうした行動もランキングを決定する要因になっているとのことでした。
ただ、プライバシーとの兼ね合いもあり、どこまで利用するかは難しいところでしょうね。
3. schema.orgを導入すべき
schema.orgには、ローカルビジネスのためのスキーマがあります。
検索エンジンに自分のビジネス情報を的確に伝えるためには、ローカルビジネス用の構造化データで関連情報をマークアップしておくといいです。
たとえば会社の所在地が次のようだったとします。
Google Inc. P.O. Box 1234 Mountain View, CA 94043 United States
schema.orgの仕様に従って、microdataで下のようにマークアップできます。
<div itemscope itemtype="http://schema.org/PostalAddress">
<span itemprop="name">Google Inc.</span>
P.O. Box<span itemprop="postOfficeBoxNumber">1234</span>
<span itemprop="addressLocality">Mountain View</span>,
<span itemprop="addressRegion">CA</span>
<span itemprop="postalCode">94043</span>
<span itemprop="addressCountry">United States</span>
</div>
こうすることで、会社名や所在地情報、ここには出ていませんが電話番号などを検索エンジンに正しく伝えられます。
「構造化データでマークアップ」と聞くと、レビューやパンくずリスト、商品情報が真っ先に頭に浮かんでしまいそうですが、ローカルビジネスにとっても構造化データは非常に重要なのです。
4. 感情分析の利用
Googleマップでは感情分析を利用しているそうです。
ウェブ検索では使っていませんでしたね。
良い評価なのか悪い評価なのかはスキーマ(構造化データ)で判断できます。
またレビューに書かれたワード・フレーズも見ているとのことでした(たとえば「おいしい」とか「接客が悪い」は評価によく使われそうな言葉だと想像できます)。
今さら言うまでもなく、良い評価をたくさん集めることはローカルSEOの上位表示にもプラスに働くということです。
Joel Headley氏は、とても丁寧に質問に答えてくれました(マット・カッツに限らず、カンファレンスに来るGoogleの社員さんは、みんなとてもフレンドリーで親切です)。
Local Uでは、Headly氏の他にもローカル検索の第一人者たちのプレゼンを聞き、直接の質問もたくさんできました(個別質問のためのセッションがある)。
Local Uには今回初めて参加したのですが、SMX Advancedに負けないくらいの多くの収穫がありました。
この記事ではそのうちのごく一部を紹介しました。
他にもシェアしたい情報があるので、折をみてブログに書こうと思います。