パンダ・アップデート(ファーマー・アップデート)をGoogleが導入して以来、数々の分析がなされています。
先日参加したSMX Westでも、参加者の最大の関心事はパンダ・アップデートについてでした。
しかしながら、パンダ・アップデートに対して確実に有効な対処法というのは、少なくとも僕の知る限りでは今のところ見つかっていないようです。
「質の低いページを検索結果から排除する」ことをパンダ・アップデートは目指しています。
ユーザーからは非常にポジティブなフィードバックを受けているそうですが、なかには質の高いコンテンツを提供しているにもかかわらず、あたかもコンテンツファームのように扱われ誤ってランキングを下げられたとしか思えないケースも多発しています。
Digital Inspirationもそんなトバっちりを受けたサイトの1つでした。
Digital Inspirationは僕もRSSで購読しているサイトで、コンテンツファームに分類されるような低品質なサイトでは絶対にないと断言できます。
にもかかわらず、パンダ・アップデート直後にDigital Inspirationはトラフィックがそれまでと比べて、4分の1ほどに落ち込みました。
しかしいくつかの対処を行い、今現在はトラフィックが見事に復活しています。
そこで今日のエントリでは、日本にも導入が決まっているパンダ・アップデートに備えて、Digital Inspirationが実行したパンダ・アップデート対処法を5つ紹介します。
1. カテゴリページとタグページの2ページ目以降に、noindex, follow metaタグを記述した。
⇒ ページが増えると、一見したところ似たような内容になって、重複コンテンツっぽくなってしまったりページ送りで深い階層に埋れてしまいクロールされづらくなったりして、質が低いとみなされてしまうかもしれないのを防ぐためでしょう。全記事が載っているページを作り、分けられたページをサブセット扱いしてrel=”canonical”を使うのもいいかもしれませんね。
2. 役に立っていないタグページを削除した。
⇒ 僕もそうなのですが、ブログを始めたばかりのころはやたらと記事にタグ付けをしてしまいます。2度使うことのないようなタグを付けたりすることがありました。無駄に作ったタグページは、低品質なコンテンツとみなされる可能性がありそうです。
3. リンク切れをなくした。
⇒ ツールを使ってリンク切れをチェックし、内部リンクは修正、外部サイトから張られた存在しないページへのリンクは可能であれば存在するページへ301リダイレクト。
4. robots.txtで、Googleがシステム管理用のページにアクセスしないようにした。
⇒ WordPressでいったら、“wp−”で始まるディレクトリやファイル、テーマファイルですね。
僕のブログならこんな感じ。
User-agent: *
Disallow: /blog/wp-admin/
Disallow: /blog/wp-includes/
Disallow: /blog/wp-content/
5. titleタグやmeta descriptionタグの重複を修正
⇒ Googleウェブマスターツールの「HTMLの候補」で重複の発生を調べられます。
これらの5つの施策は、低品質とみなされかねないページをGoogleに見せないようにする防御策と言えます。
パンダ・アップデートでは、たとえ質の高いページがあったとしても質の低いページが多いとサイト全体での評価が下がり、総じたランキングの下降が発生します。
これらの施策が本当に功を奏したのかは確認できません。
修正とは関係なく、パンダ・アップデートのアルゴリズム修正で誤認識が解消されたことも考えられます。
とにかくDigital InspirationはGoogleからのアクセスが元に戻りました。
それはそれとして、低品質なコンテンツを極力減らしておくことは決してマイナスになることはありません。
パンダ・アップデートが日本のGoogleに与える影響はさほどないだろうと、GoogleのMatt Cutt(マット・カッツ)氏は僕に話してくれました。
それでも、念には念を入れておいたほうが安心です。
Digital Inspirationをそっくりそのままマネしろということではありません。
「低品質なコンテンツに該当するかもしれない」と心当たりのあるページがあれば、参考にして事前にGoogleの目の届かないところに置いておくと有効な予防策になりそうです。
なお、パンダ・アップデートではAbove the Foldに広告が多いサイトがダメージを受けているという分析があります。
Digital Inspirationは広告を設置していますが、今のレイアウトで問題にならないだろうという判断のもと変更は加えていません。
英語版のGoogleウェブマスター公式ヘルプフォーラムでも、Google社員のJohm Mueller(ジョン・ミューラー)氏は、パンダ・アップデートのアルゴリズムでは一般的に言って、広告は大きな役割を果たしていないとコメントしています。
また、RSSで全文配信していると、コンテンツをコピーしたスクレイピングサイトが原因と思われる順位下降もあるようです。
全文配信をやめるという手段もありますが、Digital InspirationではRSSで配信した記事には自分たちのオリジナルのソースにリンクバックするように設定して、オリジナルがどれであるかGoogleに分かるようすることで対応しています。
僕は、RSS FooterというWPのプラグインでこれを実装しています。