Googleのスパム対策強化やブランドリンク重視そしてその他もろもろを先日参加したPubCon Las Vegas 2010のレポートとして、お伝えしてきました。
今日はレポートをもう1つ追加します。
ECサイトを運営するサイト管理者、特に「ECサイトではオリジナルのコンテンツを作るのは無理」と“あきらめモード”に逃げているネットショップの運営者(そう、あなたのことです!)の参考になるはずです。
(たった数秒といえど)言い訳を探すのに費やすムダな時間と思考回路をこれからリストアップするコンテンツ増強のアイディアを探すことに向けてください。w
モデルとなるのは、“狩猟犬アイテム”をオンラインで販売するGUN DOG SUPPLYというECサイトです。
このサイトが、当初の売上見込額の3倍の1,000万ドル(日本円で8億数千万円)を6年間で増やすことに成功した施策の1つがサイトのコンテンツを増やすことでした。
どのような手段でコンテンツを増やしたのでしょうか?
- バイヤーズガイド
- 購入者の声
- 売れ筋商品 Q&A
- 顧客からの質問
- オリジナルの商品説明
- 情報量
- 写真
- 動画
- メーカー配布のコンテンツ
順に説明していきます。
1. バイヤーズガイド
いわゆる「店長の声」です。
その商品に関するレビューを書きます。
おすすめの点はもちろんのこと気に入らないところも合わせてです。
Gun Dog SupplyではCVRが50%アップしたそうです。
2. 購入者の声
購入者にインタビューしてテキストコンテンツに起こします。
買った人の感想というのはコンテンツとしてもそうだしCVRを上げるのにも役立ちますね。
いまやECサイトでは必須です。
3. 売れ筋商品 Q&A
売れている商品のトップ10をピックアップして、それぞれについて20個の質問とそれに対する回答を載せます。
この商品でどんな問題が解決する?、この製品の主目的は?、他に何に使える?、これは必須アイテム?なくてもいいけどあると便利なもの?、季節品?、贈り物に合う?、自宅用?オフィス用?、この特徴によるメリットは?、etc.。
4. 顧客からの質問
これは定番ですね。
あるお客さんが気になることや不安に思うことは、他のお客さんも知りたいことです。
5. オリジナルの商品説明
メーカーが提供している商品説明をそのままコピーしてはいけません。
自社製品でなく仕入れ商品だと、どのショップに行ってもまったく同じ説明文という場合が多いですよね。
楽天に行けば分かります。(笑)
オリジナルの商品説明を書くことで他のショップとは際立たせましょう。
6. 情報量
Gun Dog Supplyではどのサイトよりも多くの情報を提供するように取り組んでいるそうです。
商品の値段10ドルごとに1段落追加することをルールにしているとのことでした。
60ドルの商品だったら6段落のコンテンツを作ります。
7. 写真
写真には2種類あります。
1つは、商品の写真です。
商品説明と同じようにメーカー配布ではなくオリジナルの写真を撮ります。
個人向けの写真撮影用の照明器具を利用してライティング(Lighting)にも気を使います。
商品の大きさが分かるように“定規”と一緒に写すこともあります。
2つめはありとあらゆる写真です。
商品の写真はもちろんのこと、商品を使っている場面、犬の写真、外で撮影した写真などとにかく写真を撮りまくります。
毎年テキサスに行くんだそうですが、そのたびに5,000枚もの写真を撮ってくるそうです。
8. 動画
デモンストレーションできそうな商品はすべてビデオを撮ります。
動画コンテンツによってコンバージョンがアップしています。
「これからは動画」と分かっていつつ、ほとんどのサイトが手を付けていないのがビデオですね。
Gun Dog Supplyも例外ではなく、動画を作っている競合は皆無でした。
YouTubeにアップすることで露出機会も増します。
TIPS: 動画を載せるときはビデオの下に“トランスクリプション”を載せます。つまりビデオの内容をテキストに起こします。これは検索エンジンのためでもありますね。検索エンジンはビデオを視聴できません!
9. メーカー配布のコンテンツ
メーカーが配布しているマテリアルからコンテンツを“盗んで”しまいます。
商品のパッケージやPOPに書いてある説明分や紹介文を利用したり、メーカーが配布しているDVDやビデオをテキストに起こしたりします。
メーカーが配布しているPDFマニュアルがあればそれも使えます。
さらにメーカーのウェブサイトのFLASHに出てくる文字コンテンツも利用できます(FLASHで表示されているテキストは検索エンジンには見えないことも狙って?)。
これらのコンテンツを増やすための9個の方法が具体的にどのように実行されているかは、Gun Dog Supplyを歩いて自分の目で確かめてみましょう。
「英語ができない」とか「時間がとれない」という言い訳はいりません。
そんな人はコンテンツを増やすことをあきらめて今のままの売上で我慢してください。
(今日は厳しめにw)
最後に、といっても実はこれがGun Dog Supplyが売上を伸ばすことに成功したもっとも重要な要因なのですが、それを紹介します。
それは“サイトの顔”となるシンボルを育てたことです。
具体的には、サイトオーナーであるSteve(スティーブ)という人物です。
店長のSteveをサイトのマスコットにしました。
サイトを見てもらえれば分かるように、サイトのありとあらゆるところにSteveが出てきます。
文字としても写真としてもです。
サイトロゴに出ていますね。
ページのtitleタグやスニペット、AdWords広告にも出しているそうです。
Steveはドッグ用品のエキスパートとして登場し、訪問者を案内します。
電話やメールで顧客からの質問に答えます。
バイヤーズガイドで商品の特徴、良い点・悪い点を伝えます。
そして自身が13匹の犬を飼う狩猟家でもあります。
メーカーが作った犬用品なんてどこで買っても同じです。
でも顧客がなぜGun Dog Supplyから買うかというと、Steveがいるからなんですね。
Steveはブログも運用していて、売っている商品についてとか、サプライヤーから送られてきたテスト製品を試用した感想、業界のことなどをつづっています。
「ドッグ用品のことならSteveに聞けば安心だ」とい絶対的な信頼を勝ち取っているのです。
リピーターも多いのではないでしょうか。
初めてサイトを訪問したユーザーにとっても、あたかもその道のプロに実際に店舗を案内してもらっているかのように安心して買い物ができるはずです。
あなたのネットショップでもあなたが専門家として、あなたが売っている商品、あなたが関わっているジャンル、あなたが属している業界ついてあなたが訪問者に直接語ってあげることで信頼を勝ちとり売上を伸ばすことができるのです。
これを実践して成功している日本の事例もたくさんあります。
「アメリカだからでしょ」という言い訳もいりません。w
今日から実行しましょう!