SMX Westでは、“The Spam Police”(スパム警察)というタイトルのセッションがあり、検索エンジンスパムについてのプレゼンテーションとQ&Aが行われました。
BingとBlekkoの代表もスピーカーでしたが、Google代表のMatt Cutts氏の話をレポートします。
まず、Matt Cutts氏は典型的な検索エンジンスパムの例を紹介しました。
以下のとおりです。
- 隠しテキスト
- クローキング・不正なリダイレクト
- 自動生成コンテンツ
- (行き過ぎた)相互リンク
- 有料リンク
- ハッキング
おなじみの手口ですね。
どういった類のスパムなのかもし分からければ必ず調べておいてください。
1つ僕の気を引いたことがあり、それは有料リンクの例でした。
ブログ記事から張られている有料リンクです。
しかし記事そのものはきちんと、おそらく人間の手で書かれており一見すると普通の文章です。
もっともよく読むと中身のない価値がゼロの文章なので、僕たちSEOを知っている人間からすればすぐに有料リンク、もしくは自作自演リンクだと判別できます。
でも一定の文字量があり、文自体は意味をなしています。
こういった“自然さ”を装った有料リンクも見破れるようになってきていることを示していると考えていいでしょう。
日本語でもこうなっているといいですね。
Matt Cutts氏は、スパム処理にはアルゴリズムとマニュアルの2つのパターンがあることを解説しました。
これは僕のブログで以前に説明したとおりです。
このビデオでは説明のなかった情報をお伝えします。
- スパムレポートによる通報は悪質な場合、4倍の優先度で処理する。
- マニュアルペナルティだけに適用される再審査リクエストは通常1週間以内に処理される。
- アルゴリズムによるペナルティに対しては再審査リクエストは適用されないが、(アルゴリズムを作る)エンジニアが見ることはある。
- ペナルティを与えたときは、透明性を高めるためにもっと多くの通知をウェブマスターに今後は送るようにしたい。
プレゼンテーション終了後のQ&AタイムでのMatt Cuttsの回答には僕が有益と感じた情報が3つありました。
Q: Googleはホワイトリスト(特例扱いするサイト)を持っているか?
A: まれに個々のアルゴリズムで例外を設定することはある。しかしグローバルで例外を設定することはない。手動でランキングを変えることはしない。パンダアップデートはランキングに関わるアルゴリズムなのでのでホワイトリストを設定していない。
わずかですが、特定のサイトを特定のアルゴリズムで特別扱いする場合があるそうです。
しかしどのアルゴリズムに対しても例外扱いするホワイトリストを設定することはないとも言っています。
Search Engine Landに掲載されたGoogleが後から出したコメントによれば、特定のアルゴリズムにがうかつにもあるサイトに(悪い)影響を与えてしまい、除外リストを設定することが検索の品質を著しく高めると確信したときは除外リストを使うことがあるそうです。
代表的な例として、アダルトサイトをフィルタリングするセーフサーチからの除外があります。
たとえば過去には“essex.edu”(エセックス大学)のサイトのドメイン名が“sex”を含んでいるためにセーフサーチのフィルタに引っかかってしまい、手動で例外設定したことがあります。
なおBingもアルゴリズムの除外サイトを設定することがあるそうです。
Q: ペナルティを受けてもGoogleウェブマスターツールにメッセージが届かないのはなぜ?
A: 悪いことをやってるサイト管理者にはペナルティの警告メッセージを送らない。正しいことをやっていて気づかずに違反してしまったサイト管理者にだけ送る。
これはセッションの前に僕がフォームから投稿しておいた質問です。
モデレータのダニーがピックアップしてくれました。 :)
2年近く前にウェブマスター向けのビデオでMatt Cutts氏が説明していたことですが、ペナルティ相談が増えてきたので再度聞いてみました。
僕のブログ読者の多くはぎりぎりのSEOをやっていると予想するので、ペナルティを受けても警告メッセージが届かなそうですね。(笑)
警告メッセージが届いたということは、Googleに真面目なウェブマスターだと認識されている証拠です。
素直に過ちを正し、Goolgeが推奨するSEOを学んでスキルアップしましょう。w
Q: 違反を修正しないまま、マニュアルペナルティに設定された期間が終了したらどうなるのか?
A: 再度マニュアルチェックが入り、もし修正が完了していなければすぐに発見されてペナルティが与えられるだろう。2回目はもっとシビアになるかもしれない。
これは僕がMatt Cutts氏に直接質問して得た回答です。
人間が手動で与えるマニュアルペナルティにはペナルティ期間が設定されます。
しかし期間が終了したときに、依然として違反が解消されていなかったらどうなるか疑問でした。
違反が続いているのに元に戻ってしまうとは考えづらいです。
どうやら次のペナルティ期間が新たに設定されるようです。
しかももっと厳しいペナルティになる可能性があります。
通知を受けたときは速やかに修正しなければなりませんね。
日本同様に、ペナルティに対する関心はアメリカでも高く、セッションは熱がこもっていました。
ペナルティを受けるような施策は行わない、もしペナルティを受けてしまったときは直ちに修正する、通知メッセージが送られてきたときは修正後に再審査リクエストを送信する、覚えておきましょう。
P.S.
昨日、今日と通常どおり更新しましたが明日以降は未定です。