世界規模で展開し日本語環境においても、少なくとも導入のテストが行われているとの噂も聞くパンダ・アップデートですが、今までとは違う複雑かつ高度なアルゴリズムの採用らしく、「質の低い」コンテンツをどうやってGoogleが判断するのかハッキリとしたことはほとんど何も分かっていません。
WebmasterWorldでは、質が高いはずなのにパンダ・アップデートでダメージを受けてしまったサイトを分析するディスカッションが活気づいていて、この記事を書いている時点で300件以上のスレッドが書き込まれています。
そんな中で、「広告」がパンダ・アップデートの要因の1つになっているらしいというほぼ確定できそうな分析が出ています。
具体的には次のような3つの広告の要素です。
- 広告の場所
- 広告の数
- 識別しやすさ
● 広告の場所
Above the foldに広告が多いサイトは評価が下がる可能性があります。
ページを表示したときに見える範囲でメインとなるコンテンツが少ない場合です。
Above the foldの「メインコンテンツ 対 広告」の比率ととらえてもらっていいでしょう。
訪れた瞬間に広告ばかりが見えるページは、その下に質の高いコンテンツがあっても低品質としてみなされるかもしれません。
● 広告の数
Googleの検索品質グループの幹部、Amit Singhal(アミット・シンガル)氏は、Wired(ワイアード)とのインタビューのなかで、パンダ・アップデートの開発にあたりコンテンツの質が高い・低いを調べるために社外の評価者に次のような質問をしたと話しています。
Does this site have excessive ads?
このサイトは広告が多すぎやしないか?
広告の場所と同じように、これも「メインコンテンツ 対 広告」の比率に当てはまるかもしれません。
目障りなくらいに多い広告は、ユーザーにとっては通常はありがたいものではないはずです。
● 識別しやすさ
コンテンツと広告が区別できるか、つまり広告であることをユーザーが認識できるかです。
記事だか広告だか分からないようなコンテンツは質が低いとみなされても不思議ではありません。
質の低いコンテンツを提供しているわけではないのに、パンダ・アップデートに捕まってしまい順位を大きく下げたサイトのなかには上の条件に当てはまるサイトがあります。
これは、Blogcriticsというサイトです。
話題となっているニュースや、レビュー、音楽、映画、本などさまざまなジャンルの記事を専門のライターが投稿する人気のあるサイトです。
緑の枠で囲ってあるのが広告です。
メインコンテンツがかろうじて見えますが、広告のほうが目立っています。
配色が溶け込んでいてメインコンテンツとの区別がつきません。
こちらは、DaniWebというサイトです。
IT系の技術的なトピックをディスカッションするフォーラムです。
やはり広告が目立ちますね(グルー◯ンがウザいw)。
間違ってほしくないのですが、広告の設置そのものがNGということではありません。
広告の設置の仕方が問題になっている可能性があるということです。
広告が、メインコンテンツよりも前面に出てきてしまっている状態ですね。
ユーザーの視点から考えたら当然のことに思えます。
僕たちは広告を見るためにサイトに訪れるわけではありませんよね。
そこに書いてあるコンテンツを見て、欲しい情報を手にしたいのです。
広告掲載で収益を上げているサイトはパンダ・アップデートでマイナス影響を受けるかもしれないので注意してください。
補足です。
上のサイトの例を見て気付いた人がいるかと思いますが、これってGoogle AdSenseが推奨する広告の設置パターンですよね。
検索チームとAdSenseチームは同じGoogleですが、どうやら普段から互いに蜜に連携しあって仕事をしているということではなさそうです。
まるで別会社のような感じなのですかね。
検索チームが追求するのは「より適切な検索結果をユーザーに返すこと」であって、AdSenseサイトを上位に出して利益を上げることではないのです。
「ユーザーに最適な検索結果を見せること」が、長期的な視野に立つとGoogleに利益をもたらすと考えているからです。
詳しくは、Matt Cutts氏のこのビデオを見てください(日本語解説付き)。
【UPDATE 1】
Adsenseチームが、この記事の公開数時間前にサイトと広告のレイアウトについての推奨事項をツイートしていました。
buzzwordjpさんから情報提供いただきました。
ありがとうございます。
【UPDATE 2】
AdSenseの推奨レイアウト変更についてのエントリを投稿しました。
『やっぱりアドセンス広告のレイアウトや配色はパンダ・アップデートに影響するのかも』