[対象: 上級]
リンクの否認ツールを利用して不自然なリンクに対する手動対応の解除に成功した海外の事例を今日は紹介します。
日本でも、リンクの否認ツールを使うことでそれまで失敗していた不自然警告の解除に成功した事例が徐々に出てきました。
僕のもとにも直接的・間接的に情報が入ってきています。
それぞれの成功事例におけるリンクの否認ツールを使用する前にやったこととリンクの否認ツールの使い方はどれもさほど違いがないように思えます。
しかし今日紹介する海外の事例では他とは少し違ったやり方も実行しています。
ツールを使う際の参考にしてください。
ケーススタディになったのはこちらのサイトです。
このサイトは、ディレクトリへの登録や記事投稿サイトへの使い回し記事の投稿、スパミーなリンクネットワークの利用などで数千の品質の低い外部リンクを集めてきました。
アンカーテキストは上位表示を狙っているキーワードで、今から思えば明らかにやり過ぎです。
しかしながらこの方法は功を奏しビッグキーワードで1位を獲得していました。
ところが厳しさを増したGoogleのリンク警告に捕まり遂には手動対応の警告メッセージが届いたのでした。
手動対応の解除までの時系列は次のようになります(年は2012年)。
- 7月: 警告を受け取る
- 9月: 再審査リクエストを送るが却下 ※この時点ではこの時点ではリンクの否認ツールはまだ公開されていない
- 10月: リンクの否認ツールが公開
- 11月: ツールも利用し11月に2度目の再審査リクエストを送る
- 12月: 解除通知の連絡が届く
まず、彼らが実行した誰もがやるだろう(やるべき)作業を説明します。
- Googleウェブマスターツールやその他のバックリンク調査ツールを使い質の低いリンクを見つけ出す
- 90%以上が粗悪なリンクでまともなリンクを見つけるのが難しいほどだった
- ドメインを捨てることも考えたが運営元はそうすることを望まなかった
- リンク元サイトの管理者にコンタクトしリンクを外してもらうように依頼
- ツールを使い連絡先を調査した
- 数百人のサイト管理者に数百通のメールを送った
- 25%に成功したものの削除を確認できたリンクはごく一部
- 1度目の再審査リクエストを送信
- 状況を説明した
- 利用したSEO業者がどこだったかを伝えた
- 削除できたリンクの一覧をGoogle Docsで提出した
- 誠心誠意謝罪した
これらは必ずやらなければならないことで、解除のための基本ですね。
でも彼らはこれでも解除してもらえなかったわけです。
そして否認ツールが登場し再審査リクエストを再度送りようやく解除してもらえたのです。
彼らのツールの利用方法で特筆すべきところを次にまとめます。
- 1本1本のリンクではなくドメイン単位で否認(「domain:」で指定)
- 健全なリンクまで仮に否認してしまったとしてもドメインを捨ててもいいくらいの状況だったので失うものはなかった
- リンクの発見に使ったのは結局ウェブマスターのデータのみ
- 削除に成功したリンクも否認
- Googleウェブマスターツールのリンクレポートに依然として出ていてインデックスから完全に消えるまでには時間がかかることも考えられたので万全を期すため
- ウェブマスターツールのリンクレポートにあるリンクの96%を最終的に否認した
- 2度目の再審査リクエストを送信
- 削除に成功したリンクの一覧とツールで否認したリンクのリストの両方をそれぞれCSVにまとめGoogle Docsにアップロードし提出した
- 再審査リクエストを送ったのはリンクを否認した約1週間後
こうしてようやく不自然リンクの手動対応が解除されたのでした。
Google検索からのトラフィックはペナルティ前の50%のレベルまでゆっくりと戻って来ました。
過去に効果を出していたリンクをすべて断ち切ったことを考えるとそう悪くないのではないでしょうか。
もっとも彼らは警告を受けた後、不正なリンクを外すことと並行して価値あるコンテンツを提供し自発的に張られる自然なリンクの獲得に完全にシフトしました。
オーソリティの高いサイトからリンクを得ることができています(とはいえ、警告を受けている間はランキングにプラスの影響を与えてはいなかった)。
手動対応を受けてから解除に至るまでの期間は約半年、送った再審査リクエストは2回です。
僕が知っているケースと比べると比較的すんなり事が運んだような印象を個人的には受けるのですが、実際はたいへんな労力がかかったことでしょう。
ドメインを捨てるべき状況にあったわけで精神的にもきつかったはずです。
不自然リンクの警告をいまだに許してもらえていないとしたら彼らのやったことを参考にしてください。
そして今後は不正なリンク集めに手を出したりせず、まっとうなリンクが集まるような施策に目を向けてほしいと思います。