先週のWeb担の『海外&国内SEO情報ウォッチ』で、バックリンクの分散の重要性に関するSEOmozのRand Fishkin(ランド・フィッシュキン)氏の記事を紹介しました。
このテーマについての付け足しをこの記事で書くことにします。
randfishは、バックリンクの“2種類”の分散を説明しています。
1つは、バックリンク元ドメインの分散、
もう1つは、リンク元・リンク先ページの分散 です。
バックリンク元ドメインの分散
これは、僕のブログ読者にとっては“今さら”感があるかもしれません。
同じドメインのサイトから何本も何本もリンクが張られても、効果は頭打ちになります。
1本目のリンク・2本目のリンク・3本目のリンクでは、評価が徐々に減少してくるのです。
極端に言ったら、1つのドメインから100本も200本もリンクを張ってもらってもほとんど価値がないということになります。
先日、SEOmozのリンクビルディングのウェブセミナーに参加しました。
Q&Aの時間に、「自作自演で被リンクを集めるとしたら、1つのサイトから何本くらいリンクを送るべきか」と質問したところ、randfishは、「自作自演リンクは推奨しない」とまず断りつつ(笑)、「2本目、3本目は確実に評価が低くなる」と回答を返してくれました。
ただし、BloggerやWordPressのように、サブドメインでユーザーがブログを運用できるサービスがあります。
こういったメジャーなサイトは、ルートドメインが同じでもサブドメインが違うので別ドメインとみなしてくれているようだと、補足していました。
たとえばaaaa.blogspot.comとbbbb.blogspot.comからリンクが張られていた場合、別ドメインからのリンクとしてカウントしてくれているようなのです。
しかし個人で取得したドメインでサブドメインを作ったとき、たとえばaaaa.suzuken.jpとbbbb.suzuken.jpはルートドメインが同じなので、完全に独立した存在とは見てもらえないようです。
サブドメインを量産して自作自演リンクを送り込んでも、労力に見合わないでしょう。
自然なリンクが集まれば、リンク元ドメインが分散するのは当然のことなので、検索エンジンが評価対象にするのはぜんぜん不思議なことではありませんね。
リンク元・リンク先 ページの分散
次はリンクを張っているページの分散とリンクが張られているページの分散です。
「ディープリンク」というテーマで、このブログで以前に説明しています。
「トップページに」ではなく、「内部ページに」張られたリンクが評価されます。
「トップページから」ではなく、「内部ページから」張られたリンクが評価されます。
下の図のようなイメージになります。
色が濃いのはトップページです。
分散したドメインの内部ページから、自分のサイトの内部ページへリンクをもらいます。
もちろん、トップからトップ・トップから内部・内部からトップというリンクがあっても悪いわけではありません。
しかし、内部から内部へのリンクが今のインターネットでは自然でしょう。
ブログが良い例です。
ブログでリンクを出すときは、参照するブログの個別ページへ個別記事からリンクを張るケースがほとんどですよね。
つまり「記事ページ 対 記事ページ」のリンクが大半のはずです。
旧態依然のSEOに頼っていると、どうしてもトップページへのリンクばかりが気になります。
怖くてできないのかもしれません。
サイト内部のページへリンクを集める工夫をもっとした方がいいです。
サイトの内部ページへのリンク、ディープリンクは特にGoogleでは効果てきめんです。
個別ページからの流入が増えます。
さらにサイト内のページ全体へリンクが集まると、サイト(ドメイン)自体の評価が高まります。
内部リンクを上手に使うと、個別ページが得たPageRankをトップページに集めることができ、ビッグキーワードでトップページがジワジワと上位に食い込むことも可能です。
まだやっていなければ、リンク元・リンク先ページが分散したリンクビルディングを試みるといいでしょう。
【NOTE】
内部ページへのリンクは、Yahoo!の次の検索で調べることができます。
linkdomain:www.example.com -link:http://www.example.com/
“www.example.com”は対象ドメインに置き換えます。
linkdomain:コマンドでドメイン全体の被リンクを調べ、link:コマンドに”-“(マイナス)を付けて、トップページに張られた被リンクを除外しています。