[レベル:全員]
スペリング(語のつづり)や文法の正しさはコンテンツとサイトの質を評価するのに問題になるのか?
GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が説明しました。
やや昔になるけど、少なくとも最後にチェックした時点ではランキングに対する直接のシグナルとしては使っていなかった。したがって僕たちがページのクオリティを評価することに用いている200以上のシグナルには含まれていない。
でもスペリングや文法を使うのは正しいことかもしれないと僕は考えるよ。
PageRankの高いページ、つまり評判のいいページやサイトには正しくスペリングできていることと相関関係があることが少し前の調査で分かっている。
評判のいいサイトは比較的正しく語がつづられている傾向にあるし、PageRankの低いページはさほど上手にできていない傾向にあるんだ。興味深いことだね。
僕たちのあるチームは研究して、“Reading Levels”(リーディング・レベル)と呼ばれる機能を開発した。文章が小学生向けに書かれているか、中学生向け書かれているかみたいなことが分かるんだ。
(※鈴木注:リーディング・レベルについてはこちらの記事を参照)将来的に可能性のある、質を判断する指標として研究すると面白そうだ。
コンピュータで計算しようとするシグナルにはどんなものでも必ず争点が出てくる。
スペリングや文法を例にすれば、どの言語のスペリングや文法を対象にしているかという内在的な前提がある。スペリングがどうか、文法がどうかを測るためにはそのページの言語が何かが分からないといけない。
世界でナンバーワンの言語識別装置を持っていたとしても漏れがあるかもしれなくて、「このページのスペリングはひどい、このページの文法はひどい」と考えたけれど、実はそれは英語じゃなくてハンガリー語だったなんてことがあるかもしれない。
あるいは、1、2段落だけが英語の代わりにハンガリー語で書かれているのかもしれない。
こんなことがあるから、スペリングや文法が完璧なシグナルになると機械的に言うことはできない。
そういうわけで、たくさんの評価を僕たちは行おうとするんだ。本当に質を高めることになるか、直感にそっているかを見るためにたくさんテストする。
でも評判の高いページはスペリングや文法が正しい傾向にあることが実験で分かっていることでもある。
もっと時間をかけることが他にあるかもしれないけれど、時間をかけて適切に編集すればユーザーは評価してくれるだろう。
見た瞬間に呆然させるようなものなのか、それとも誰かが手間ひまをかけて作ったものなのか、ページに着地した時にユーザーは判断できる。
コピー記事を書いているの人や事実を確認して書いている人、その件についての専門家などいろいろいる。だから僕は、可能な限りスペリングや文法に気を払うようにしている。ツイートする時でさえもね。
間違うこともときにはあるだろうけど、スペリングや文法に注意を向けるように勧めるよ。
必ずしも検索のランキングに直接関わるからということではなくて、ユーザーにいい体験を与えるだろうしユーザーも喜ぶだろうからね。
正しく書けていれば、もっとブックマークに追加するだろうし、また戻ってくるだろうし、友だちにも教えるはずだ。
ということで、今のところ、つづりが正しいか、文法が正しいかはランキングの要因には組み込まれていないようです。
英語に組み込まれていないのに日本語には組み込まれているというのは考えられないので、日本語にも当てはまるはずです。
でも、検索順位に影響しないといっても、誤字脱字をなくし読みやすい文章を書くというのは大切なことですね。
つづりや文法が間違いだらけのページにはリンクを張ろうとしないでしょう。
一方で読みやすく丁寧に書かれていればリンクして紹介したくなります。
スペリングや文法が正しいからPageRankが高いのではなくて、スペリングや文法が正しく役に立つページだからリンクが集まって結果としてPageRankが高くなると考えるのが妥当です。
「です・ます」と「だ・である」が同居していたり、漢字が間違えていたり、語句の組み合わせがめちゃくちゃで結局何を言っているか分からない記事ばかり書いているサイトには繰り返し訪問したくないですよね。
「書く能力」は、ユーザーを惹きつけるために大切だということです。
結果的に検索エンジンにも高く評価されるでしょう。
P.S.
と偉そうに締めましたが、僕も間違えることがあります。
気付いたら教えてください。
この記事は大丈夫でしたか?