[対象: 中級]
完全に自然に張られたリンクであるにもかかわらず不自然なリンクとしてGoogleに指摘されたケースを、SEOストラテジストのBill Hartzer(ビル・ハーツァー)氏が記事にしました。
しかしGoogleのまったくの手違いということでもなさそうです。
不自然リンクとしてみなされてしまうような理由があったように思われます。
HARO経由のリンクを問題視
Hartzer氏のクライアントは、HARO (Help a Reporter Out) というサービスを利用していました。
HAROはジャーナリストや情報源を持っている人と報道関係者をマッチングさせるサイトです。
ある事柄について詳しく知っている人や詳しい情報をメディアはこのサイトで見つけることができます。
一方、ジャーナリストたちはメディアに自分の知識を提供することが可能です。
Googleが問題視した3本の不自然なリンクの例は、このHAROを利用したことで生まれたリンクでした。
うち2本は、HAROに掲載された記事を別のサイトが引用しそこからクライアントサイトに張られたリンクでした。
もう1本は、プレスリリースに配信した記事が別のサイトで取り上げられそこから張られたリンクでした。
なおHAROはリンク売買を目的としたサービスではないし、リンクを張ることすら強制していません。
そして、リンクのアンカーテキストはキーワードを含んだものではなくブランド名でした。
このようにまったく不自然な要素が見当たらないリンクが問題視されてしまったのです。
Googleのミスなのでしょうか?
疑われる原因があった
一見するとまったく問題がない正当なリンクをGoogleが不自然扱いしてしまったように思えます。
しかし、そう扱われてしまうような理由がクライアントサイトにはあったのかもしれません。
まず、大前提として押させておかなければならないのは、このサイトは「これまでの不正なリンク集めによって不自然リンクの手動対応を受けていた」という事実です。
HARO経由リンクを指摘されたのは、再審査リクエスト不通過の返信のなかです。
またHAROに掲載した記事にはクライアントサイトへのリンクが存在しなかったのですが、他のサイトで引用されたときにその引用者がクライアントサイトへのリンクを設置していました。
つまりオリジナルにはなかったリンクです。
HARO掲載記事はいくつものサイトで使われGoogleにインデックスされていました。
さらに、記事を利用したサイトは当初はきちんとしたサイトだと思っていたのですが、よくよく調べてみると相互リンクだったりコピーコンテンツだったりスパムっぽいことをやっていました。
すなわちスパミーなサイトからリンクが張られていたことになります。
問題点をまとめます。
- 不正なリンク集めを過去に実行しておりすでに手動対策を受けている最中だった
- 同じコンテンツがいくつものサイトに存在し、そこからリンクが張られていた
- スパム(っぽい)サイトからリンクが張られていた
不自然なリンクだとみなされるには十分な条件ではないでしょうか。
誤認だとしても自ら引き起こした
HARO自体にはまったく問題はないはずです。
リンク獲得を目的としたリンクネットワークやゲストブログとは異なり、HAROを利用したからといって不自然リンクの手動対応をそのサイトが受けるとは考えづらいです(そもそも今回のケースはHAROに制裁が与えられたわけではありません)。
Googleが不自然リンク扱いしたのは、ともすると誤りだったのかもしれません。
少なくともHARO関連のリンクに関しては、自分がまったく関与しないところで勝手に張られたものです。
「自発的に張られたリンク」と主張することさえできます。
しかしながら、自分の過去の行いが誤認される原因を作ったと考えられないでしょうか。
まっとうなリンクまで不自然リンク扱いされてペナルティを受けないように、不正なリンク集めには決して手を染めないようにすることが重要です。