[対象: 全員]
ECサイト(ネットショップ)を運営していて、自社サイトのほかに、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonなどのショッピングモールに出店しているケースでの重複コンテンツ対策について、この記事では考察します。
同じ商品を販売するECサイト間で起こりうる重複コンテンツ
今年6月に参加したSMX Advancedで、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏に次の質問を僕はぶつけました。
ECサイトを運営していて、自社サイトのほかに楽天やアマゾンでも出店し、同じコンテンツを公開したら重複コンテンツになるか?
マットの答えはこうでした。
重複コンテンツになる。ペナルティではないが、どれかは検索結果に出なくなるだろう。
rel=”canonical”で優先するサイトを指定することができる。
また今週の月曜日に投稿した記事では、GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏のECサイトでの商品説明文に関する説明を取り上げました。
メーカーが配布した説明文をそのまま使うと、ほかのサイトとの重複コンテンツが発生するとのことでした。
この重複コンテンツは、自社のサイトと自分が出店しているショッピングモールの店舗との間にも当然発生します。
ここまでで僕が言いたいことを一文で表現すると次のようになります。
同じ商品・サービスを販売するサイトを増やせば増やすほど、重複コンテンツが発生しやすくなる。
どんな対応策が考えられるでしょうか?
このあと、僕が思い付く対応策を書いていきます。
あらかじめ断っておくと、“ベスト”と言える対応策を僕は思い付きません。
この記事を読み終わった後に、あなたの感想やあなたの考える対応策をぜひ教えてください。
復数サイトで同一商品を売る場合の重複コンテンツ回避策
僕が思いついた対応策は以下の5つです。
- すべてのサイトにそれぞれユニークなコンテンツを作る
- 1つのサイト以外を画像ページにする
- レビューを集める
- rel=”canonical”タグを使う
- 放っておく
順に説明します。
1. すべてのサイトにそれぞれオリジナルコンテンツを作る
自社サイトと楽天市場店、Yahoo!ショッピング店それぞれにオリジナルでユニークなコンテンツを作成します。
もちろん、適当に作るのではなく一定の品質を保ちます。
この対応策が理想です。
ですがご察しのとおり現実問題としてかなり難しいです。
1つのサイトにオリジナルコンテンツを投入するだけでも手間ひまがかかるのに、それを2つ、3つのサイトで実行するのは簡単なことではありません。
もっとも絶対に不可能ではありません。
自社サイトとモール店で、顧客層に応じたコンテンツを作成したネットショップが実際にあることを知人から聞いています。
でも、やっぱり難しいですよね。
2. 1つのサイト以外を画像ページにする
オーガニック検索からのトラフィックを期待するサイトを1つに絞ります。
通常は自社サイトになるでしょう。
自社サイトには力を入れたオリジナルでユニーク、ハイクオリティなコンテンツを掲載します。
こんな優れたコンテンツであれば、楽天市場店やYahoo!ショッピング店にも載せたくなるのが普通です。
でも載せてしまったら重複コンテンツになり、どれかが検索結果から除外されてしまう可能性が大です。
ドメインやサイトの強さを考えると、自社サイトではなく楽天市場店かYahoo!ショッピング店が検索結果に出てきて自分のサイトがフィルタアウトされてしまうかもしれません。
最悪のケースでは、コピーサイトとしてパンダアップデートに捕獲されてしまうことだってあるかもしれません。
そこで、テキスト文字も含めてコンテンツの部分を画像にしてしまいます。
ユーザーには通常のページに見えるので何も不都合はありません。
ひょっとしたら、テキストをコピペできなくて困る人がいるかもしれませんが、まあ無視しましょう。
一方で、画像なので、なかに何が書いてあるか検索エンジンにはわかりません。
重複コンテンツ扱いされる心配はまずゼロでしょう。
問題があるとすれば、画像化したページの楽天市場店とYahoo!ショッピング店が、ほぼ間違いなく検索に引っかからなくなることです。
引っかかるとしたら、「ABCショップ 楽天」、こんなクエリくらいですかね。
モール店舗の集客はPPCやメルマガ、ソーシャルに頼ります。
楽天やYahoo!のドメインの強さに頼れなくなるので、自社サイトのSEOに力を入れる必要性も出てきます。
小売のネットショップで、楽天市場やYahoo!ショッピングで他のショップと同じアイテムを売っているとしたら、楽天およびYahoo!とSEOで戦うことになります。
3. レビューを集める
レビューはオリジナルコンテンツになります。
各店舗のレビューが同じになることは基本的にないので、重複コンテンツになる心配もありません。
ユーザーにとってレビューは参考になるのでコンバージョンに貢献することも期待できます。
問題は十分な量のレビューをすべての商品に投稿してもらうことです。
買ってもらうだけでも大変なことだったとしたら、レビューを集めるのはもっと大変かもしれません。
販売促進に加えて、レビュー投稿を促すための仕組みづくりも必要になってくるでしょう。
4. rel=”canonical”タグを使う
Matt Cuttsがアドバイスした方法です。
代表のページ、言い換えれば検索結果に出したいページを決めて、そのページにrel=”canonical”で正規化します。
ものすごく適切な対応なのですが、大きな問題があります。
楽天市場やYahoo!ショッピングをはじめ、一般的なショッピングモールではheadセクションのHTMLを自由に編集できません。
つまりrel=”canonical”を挿入できません。
残念ながら、実質的には使えない対処法です。
5. 放っておく
最後の対応策は「放置」です。
余計なことをやらないで、どうなるかはGoogleに任せます。
完全な重複ではあまりにも怖いので、せいぜい1、2行程度の段落を大切なページにだけでも各サイトにオリジナルで載せておきます。
高品質にこだわらずに、あくまでも、自社サイトと楽天市場店、Yahoo!ショッピング店で違う文章にしてユニーク性を多少なりとも実現するだけです。
普段はフィルタアウトされていたとしても、検索クエリによっては代わりに出てくる店舗ページがひょっとしたらあるかもしれません。
おすすめはしませんが、面倒ならばこんな方法も考えられますよということで紹介しました。
どれを選ぶか?
僕が思い付く5つの対処策を説明しました。
冒頭で断ったように、誰にでも推奨できるベストな方法はありません。
理想は1番の「すべてにオリジナルコンテンツ」か3番の「レビューを集める」です。
最高なのは両者の組み合わせです。
しかし、大多数のサイトにとって容易ではありません。
となると、2番の「画像化」か5番の「最低限のオリジナルコンテンツ」になるでしょうか。
妥協の産物ですね。
「こんなアイディアがある」とか「ウチではこんなふうにやっている」というのがあれば、ぜひシェアしてください。