Googleアナリティクス「拡張リンクのアトリビューション分析」: リンク先URLが同じでも個別にクリックを計測可能に

[対象: 上級]

Googleアナリティクスの「ページ解析」レポートに「拡張リンクのアトリビューション分析」という機能が追加されます。

今までは、「ページ解析」ではリンク先が同じURLに対して複数のリンクが存在していた場合、それらのリンクのクリック情報はすべて合算して計測されていました。

たとえばグローバルナビゲーションとサイドバー、フッターの3カ所にFAQページへのリンクを設置していたとします。

ところが3つの個々のリンクは区別されず1つのリンクとして扱われてしまいます。

一般的に考えると、グローバルナビゲーションのリンクがもっとも多くクリックされてフッターのリンクはもっともクリックが少ないと予想されますがページ解析では分析できません。

しかし「拡張リンクのアトリビューション分析」を利用すると、リンク先URLが同じであっても複数のリンクのクリックを個別に分析できるのです。

「拡張リンクのアトリビューション分析」はデフォルトでは機能せずGoogleアナリティクスのトラッキングコードに専用のコードを追加する必要があります。

以下のコードを _trackPageview の前に挿入します。

var pluginUrl = '//www.google-analytics.com/plugins/ga/inpage_linkid.js';
_gaq.push(['_require', 'inpage_linkid', pluginUrl]);

下は「拡張リンクのアトリビューション分析」用のコードを標準のトラッキングコードに追加した例です(赤が追加コード)。

<script type="text/javascript">

  var _gaq = _gaq || [];
  var pluginUrl = '//www.google-analytics.com/plugins/ga/inpage_linkid.js';
  _gaq.push(['_require', 'inpage_linkid', pluginUrl]);
  _gaq.push(['_setAccount', 'UA-123456-78']);
  _gaq.push(['_trackPageview']);

  (function() {
    var ga = document.createElement('script'); ga.type = 'text/javascript'; ga.async = true;
    ga.src = ('https:' == document.location.protocol ? 'https://ssl' : 'http://www') + '.google-analytics.com/ga.js';
    var s = document.getElementsByTagName('script')[0]; s.parentNode.insertBefore(ga, s);
  })();

</script>

【注意】
英語のヘルプ日本語のヘルプでは追加コードが異なっています。木村さんの話ではどちらでも機能するようですが、オリジナルは英語版になるので日本語は今後変更されるかもしれません(ちなみに日本語版で、太字にすべき2行目のコードが太字になっていないのは明らかにミス)。

なお、非同期トラッキングコードのみに対応しています。
今の管理画面から取得できるコードを使っていれば問題ありませんが、昔の同期コードのままだったら張り替えが必要です。

これで終わりではありません。
もう1つ作業があります。

それは「拡張リンクのアトリビューション分析」の機能そのものを有効にすることです。

まずGoogleアナリティクスのページ右上にある「アナリティクス設定」から「プロパティ設定」に進みます。
そして「ページ解析」セクションにある「拡張リンクのアトリビューション分析」を有効にします。

し・か・し、まだ見当たりません。(汗

拡張リンクのアトリビューション分析を使用するオプションがまだない

今後数週間かけてこの新しい機能を徐々に展開していくとのことです。
早い人はもうオプションが見えるようになっているかもしれませんが見つからなければコードだけ挿入してこまめにチェックしつつ待つしかないですね。

なお機能を有効にするためのこの操作は日本語ヘルプには載っていません(なんだか中途半端です)。

また「拡張リンクのアトリビューション分析」はリンクURL先が同じ複数のリンクを個別に計測できるだけでなく、以下の機能も提供します。

  • リンク先が複数に分かれるページ要素を確認する。
  • ボタン、メニュー、Javascript ベースの操作をトラッキングする。

その他の詳細や「拡張リンクのアトリビューション分析」がどのように動いているかに関しては英語版公式ブログのアナウンスとヘルプドキュメントを参照してください(日本語ヘルプは、この記事を書いている時点ではオリジナルとなる英語版を忠実に反映していません)。

個々のリンクを計測したかったらこれまでは、ダミーパラメータを付けたりイベントトラッキングを設定したりしなければなりませんでした。

「拡張リンクのアトリビューション分析」はこういった手間を省いてくれますね。

「リンクのID情報」を基にするらしく完璧な計測はできないようにも思いますが、それでも今までと比べたら十分に豊富なデータを手にできそうです。