“クリックされない上位表示は意味がない”
これは、SEOセミナーでtitleタグの説明をするときに僕が最初に必ず言うフレーズです。
意味するところは、検索結果で1、2位を勝ちとってもユーザーがクリックしたいと思わないようなページタイトルではアクセスを呼べないということです。
同じことがスニペットに利用されるmeta descriptionタグにも言えます。
検索結果でのページタイトルやスニペットはユーザーがもっとも注視するところです。
タイトルやスニペットを見て、クリックしてそのページにアクセスするかどうか判断することが多いはずです。
クリックを呼ぶtitleタグやmeta descriptionタグを設定しなければなりません。
ページタイトルやスニペットを含め、検索結果ページのどの部分をユーザーが見ているのかについて興味深い調査結果が公開されました。
もともとスペイン語で公開されたアイトラッキングの研究データ(「アイトラッキング」は人間の視線の動きを分析する調査)で、Dynamical.bizが英語に翻訳しています。
調査結果の中で特に目を引くのがスニペットの重要性だと、WebmasterWorldでディスカッションが発生しています。
下は検索結果ページのエリアごとの視線の“とどまり具合”をまとめた表です。
titleはページタイトル、snippetはスニペット、urlはURL、imageは画像(動画も含むと思います)のサムネイルです。
特に問題ないですね。
Informational・Navigational・Transactionalは検索のタイプの区分けです。
Informationalは「情報型」の検索で、情報収集の度合いが強い検索です。
Navigationalは「案内型」の検索で、特定のウェブページ(ウェブサイト)を探す検索です。
Transactionalは「取り引き型」の検索で、何かを買う・何かに申し込む意思を持つ検索です。
詳しいことは、Googleの内部文書を解説したときの記事を参照してください。
検索のタイプによってどの部分を見るかが異なってくるというのも興味深いのですが、今着目してほしいのは、titleとsnippetの列のfixationsの割合です。
fixationは視線が止まることを意味します。
つまり「どれだけじっと見るか」ですね。
snippetの方が高いパーセンテージになっています。
これはどういうことかというと、検索結果ではページタイトルよりもスニペットのほうをじっくり見ていることを示します。
文字が大きく、下線付きの青色になっているのでタイトルのほうが長い時間読まれていると考えるのが自然に思えますが、実はスニペットを読むのにより長い時間が使われているのです(といっても、コンマ数秒の話でしょうが)。
被験者の属性や検索の習熟度、検索キーワードによって数字は変化するでしょうし、日本人の場合にも同じことが当てはまると断定できませんが、思っていた以上にスニペットが見られているということが言えるのではないでしょうか。
meta descriptionタグは、特にGoogleの場合、スニペットに使われることが多いです。
meta descriptionタグは検索順位には影響しませんが、クリック率には大きく影響します。
検索結果ページでのクリック率を上げるためにも、単なるページの説明文に終始するのではなく「もっと詳しいことをこのページで知りたい、クリックしよう」とユーザーに思わせるような記述にしなければなりません。
手を抜かずに必ず各ページ固有の記述を考えましょう。
なおこのエントリのタイトルを「meta descriptionの方が重要」としましたが、これは正しい表現ではありません。
「meta descriptionも重要」となります。
titleタグの重要性が下がったということでは決してありません。
両方とも重要です。
【UPDATE】
日本でも同じような研究があったそうです。
コメントでGoneさんが伝えてくれました。
▼論文の概要
検索結果表示画面(SERP)でユーザが注目している意外なポイントとは