[対象: 全員]
自分が望まないバックリンクを無効化するための「Disavow Links」という機能をBingウェブマスターツールが実装したことを昨日お伝えしました。
Googleウェブマスターツールにも一刻も早く実装されることを期待している人も多いはずです。
しかしGoogleに限っていえば、僕たち側からアクションを起こさなくてもGoogleによってすでに無効化されているリンクが存在するようです。
GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が具体的なサイト名について言及しました。
英語版のGoogleウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムで、 updowner.com というサイトから大量のリンクが張られていることに不安を感じたサイト管理者に対してMueller氏は次のようにコメントしています。
we do ignore the links from updowner.com.
私たちは実際に updowner.com からのリンクを無視している。
◯◯からのサイトを無視していると特定のサイトについて言及することはきわめて稀なはずです(もっとも私見だと断っていますが)。
ともかく updowner.com からのリンクはリンクとしての評価を受けることのない価値のない無視されたリンクということになります。
ちなみに updowner.com はワードに応じたサイトの統計情報を収集してまとめ、それらのサイトの情報を提供するサイトです。
あなたのサイトにも updowner.com からのリンクが張られているかもしれません。
ウェブマスターツールで調べてみてください。
僕のブログには全部で300本ほどのリンクが張られていました。
気にもかけていなかったのですが人によっては何万本と張られているようです。
不自然リンクの警告が飛び交っているこのご時世ではここまで多いと心配になるのも無理はありません。
さしあたり updowner.com からのリンクは気にしなくて大丈夫のようです。
それでももしどうしても気になるのであればコンタクトフォームから削除リクエストを出せます。
自分のサイトをクロールしないように updowner.com のクローラをブロックすることもできます。
robots.txtに次の命令を追加します。
User-agent: Updownerbot Disallow: /
robots.txtを編集できない環境ではrobots metaタグをHTMLに記述します。
<meta name="Updownerbot" content="noindex" />
※「name」の値を絶対に「robots」にしないこと。すべての検索エンジンの検索結果から消えます。nofollowも一緒に指定してもいいかもです。
updowner.com はスパムサイトではないけれどもありがたいサイトではないように僕には見えます。
リンクを無視するということはGoogleにとっても価値のあるサイトではなさそうですね。
ここからは補足です。
Googleは、被リンクの存在を認識していたとしても無視して価値を与えないことをバックグラウンドで当たり前に行なっているようです。
Mueller氏のコメントを知ったSEOmozのRand Fishkin(ランド・フィッシュキン)氏はGoogle+で次のように言っています。
数年前のカンファレンスでも、あるサイトに張られた数千のリンクを見てGoogleが実際に評価しているのはそのうちの10本以下だとMatt Cutts(マット・カッツ)が指摘したのを記憶している。これはGoogleがとてもたくさんのサイトやページからのリンクの価値を無視していることを示唆している。
updowner.com に限らずGoogleが僕たちの気付かないところで無効化しているリンクは相当数に上るようですね。
Matt Cutts氏はこのビデオでも、米ニューヨーク・タイムズがサードパーティ製のツールで調べた数千のバックリンクを自分たちはほとんど評価の対象にしていなかったことをほのめかしています。
有料リンクや自作自演リンクのなかにはGoogleに見破られていてなんらプラスに働いていないものも多いんじゃないでしょうか。
プラスに働いていないにもかかわらず不自然リンク警告でペナルティを受ける原因になってしまうのは怖いことです。
ハイリスク・“ノー”リターンですね。
お気を付けください。
P.S.
ここだけの話ですが、SMX Advancedでマットと話したときに「そこまで知ってるんだ」とちょっとゾッとしたことがありました。
すべてではないだろうけれどあなたがやってるあんなこと、こんなことをいろいろとGoogleはお見通しのようです。
にもかかわらず対処しないのはアルゴリズムで自動処理できないからじゃないかと僕は推測します。
Googleではスケーラブルに対応できるようにコンピュータ任せが原則ですからね。
でも度を過ぎると“手動の”厳しい対応が待っています。