[対象: 全員]
SMX Israelという検索エンジンマーケティングのカンファレンスが中東のイスラエルで1月6日に開催されました。
GoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が、スイスのチューリッヒからGoogle+のハングアウトで参加し会場にいる参加者とQ&Aセッションを行いました。
そのときの内容を3 Door Digitalがレポートしています。
日本語に訳すので参考にしてください。
ライブQ&A with ジョン・ミューラー at SMX Israel 2013
Image Credit: Search Engine Round Table
Q: 完全一致ドメインのサイトを所有していたところ莫大な数のトラフィックを失い回復できずにいる。ドメイン名にダッシュ (-) が入っているがダッシュの数はランキングに影響するのか。
A: 完全一致ドメインのアップデートは質が低いドメインを主に対象にしたものだ。サイトが健全で良いコンテンツを持っているならこのアップデートに苦しむことはない。URLに含まれるダッシュの数はランキングに影響しない。
Q: 投稿に著者を割り当てていないウェブサイトをGoogleはどのように扱うのか。
A: 割り当てていないというだけの話でランキングには影響しない。
Q: 隠しテキストに対するGoogleの扱い方はどんなか。
A: ユーザーが見ることができず隠されているから隠しテキストはやってはいけない。ユーザーをだまず行為としてGoogleはみなすことがありうる。隠しテキストで上位表示することは通常はないしペナルティに繋がることもある。
Q: HTML5を使っていて、1つのページをタブで分けている。ユーザーには別ページのように見える。Googleはどのように見るだろうか。
A: 1つのURLとしてGoogleはインデックスしようとするだろう。しかしたくさんのコンテンツがそのページにあったとしたらそのページが何について書かれているかを評価することが難しくなるかもしれない。
複数のh1タグは問題にならないし、HTML5の新しいタグは通常のHTMLとして処理される。
※鈴木補足: タブ切り替え式ページについてはこちらの記事で詳しく説明しました。
Q: 国別トップレベルドメイン (ccTLD) のサイトを運用している。その国にあるサーバーでホスティングすることはどのくらい重要か。
A: ccTLDを使っているかあるいはGoogleウェブマスターツールで地域ターゲットを設定しているならその国でホスティングすることはGoogleの視点からは問題にならない。
ユーザビリティの視点からすると、ページ表示にかかる時間によっては待ち時間が問題になることがありうる。なのでこの点は考慮に入れたほうがいい。
※鈴木補足: ユーザーに近いところにサーバーがあったほうが速いということ
Q: ECサイトで、住所や電話番号が記載されていなかったらランキングに影響するか。
A: その地域でビジネスしていることとGoogleプレイスに登録しているサイトを結びつけることにそういった情報は役立つ。ユーザーの立場からするとあったほうが安心だ。
そうは言っても物理的な住所がなかったり載せたくなかったりするのであればそれでもまったく構わない。ランキングにも影響しない。
Q: ユーザーにとって重要じゃない内部ページにトップページからリンクを張っている。その内部ページのコンテンツは上位表示だけを目的に書かれているうえにトップページにあるリンクはユーザーにははっきりとは見えない。ランキングに影響するだろうか。
A: 隠しテキストのようにGoogleには映るかもしれない。優れたコンテンツに秀でた自然な感覚のウェブサイトを作ることに集中したほうがい。
※鈴木補足: Googleの人に面と向かってスゴイことを質問しますねw
Q: 非常に小さなフォントで法的な免責条項をすべてのページに記載している。何か問題を引き起こすだろうか。
A: 一般的なものであれば定型文としてGoogleは扱うだろうから問題にはならないはずだ。重複コンテンツとしてみなすだろうが必ずしも悪いものではない。ページごとにコンテンツを少しずつ変えることはやめたほうがいい。混乱してしまう。ひとかたまりのテキストとしてすべてのページに記載したままにしておけばGoogleは正しく理解するだろう。
Q: サイトがインデックス削除された。再審査リクエストを送らなければならいのか。
A: インデックス削除された原因を見つけ出し再インデックスさせるためにやれることをすべてやる。再審査リクエストにはやったことをすべて書く。
Q: Googleアナリティクスを使うと検索順位が上がるか
A: 上がらない。Googleアナリティクスと検索順位に直接の関係はない。
Q: トップページへリンクを張ったかららサイトリンクが消えたということはありうるか。
A: ない。それが原因ではないはずだ。
Q: サイトを最適化するときにいちばん見落としがちなミスは何だと思うか。
A: JavaScriptファイルなどをrobots.txtでブロックしてしまうこと。
Q: 不自然リンクの警告が届いていなくてもリンクの否認ツールを使うべきか、また使うことができるか。
A: ペンギンアップデートのような自動のアルゴリズムによる影響を受けた可能性があるなら、問題となるリンクを一掃する作業と並行してリンクの否認ツールを使ってもいい。
Q: フォーラムのページをインデックスさせたままにしておくべきかそれともブロックしたほうがいいか。
A: スパムっぽい粗悪なページなら注意したほうがいい。投稿を管理するかまとめてブロックするかのどちらかだ。
ジョンさんは、「Webmaster Trends Analyst(ウェブマスター トレンド アナリスト)」という肩書きを持ちスイスのGoogleで働いています。
Webmaster Trends Analystとは
ウェブマスター トレンド アナリストは、ウェブマスターの皆さまと Google のエンジニアとの橋渡し役として、ウェブマスターが抱える問題をエンジニアへと伝えたり、皆さまがより良いサイトを運営するためのアドバイスをおこなっているチームです。
僕のブログ記事の情報源としてジョンさんは頻繁に登場しますね。
僕が昨年参加したSMX LondonとSMX Advanved Seattleにスピーカーとして登場したPierre Far(ピエール・ファー)氏は英国GoogleのWebmaster Trends Analystです。
ちなみに日本のGoogleには、「ウェブマスター トレンド アナリスト」の肩書きを持つ人はいないんだそうです。
もともとジョンさんはイスラエルに行ってSMXに参加する予定でしたがキャンセルになりました(昨年末にイスラエルとパレスチナがあわや戦争という緊張状態になったためじゃないかと僕は推測します)。
そこで急きょ、ハングアウトを使ったビデオ会議で普段いるチューリッヒから参加したのでした。
インターネット経由といえど、1時間以上にわたってGoogleの人と直接質疑応答できた会場は盛り上がっていたでしょうね。
あなたにとって役立つ情報はあったでしょうか。