Googleは、パンダ・アップデートを全世界のGoogleに導入したことを公式にアナウンスしました。
パンダ・アップデートは、当初はファーマー・アップデートと呼ばれその後パンダ・アップデートとも呼ばれるようになった、低品質なサイトを検索結果に出さないようにするアルゴリズム変更です。
2月24日に発表がありました。
米Google(Google.com)においてのみの適用でしたが、予告どおり米Google以外のグローバルでの展開が完了したことになります。
公式アナウンスよりも前にグローバル展開を検知してディスカッションが始まっていたWebmasterWorldでは、.co.uk, .ca, .co.in, .com.au, .fr, .de, .seなど実際に世界中のGoogleでのパンダ・アップデート適用がメンバーによって報告されています。
英語圏の国はもろに影響を受けます。
英語圏ではない日本のGoogleも含まれますが、英語で検索し英語の検索結果を(も)返すように設定している検索結果が対象になります。
したがって、英語のサイトを運用していないのであれば今のところ影響は少ないと考えてよさそうです。
今回のパンダ・アップデートのグローバル展開には改良も含まれています。
初段の導入時には全検索クエリの約12%に影響を及ぼしましたが、今回さらに2%に影響を及ぼしています(米国での検索結果において)。
改良にはユーザーからのフィードバックも反映させ、先日導入した、ユーザーの意思で特定のサイトを検索結果から除外する機能のデータを取り入れています。
オリジナルのパンダ・アップデートでは、同じ機能を提供するGoogle Chromeの拡張機能で集めたデータをアルゴリズムの妥当性を検証するために利用したものの、アルゴリズムそのものには反映させていませんでした。
今回の改良に際しては、ユーザーのブロックデータも反映させています。
ただし直接的に利用するわけではなく副次的な要素として扱い、パンダ・アップデートのアルゴリズムが対象にしている全体的なパターンにサイトがマッチしていれば、その裏付けとして使われることがあるとのことです。
グローバル展開に合わせた改良には次のような変更も含まれると説明しています。
In addition, this change also goes deeper into the “long tail” of low-quality websites to return higher-quality results where the algorithm might not have been able to make an assessment before.
加えて、この変更は“質の低い”ウェブサイトの“ロングテール”にいっそう深く入り込み、アルゴリズムがこれまでに評価できなかった、より質の高い結果を返します。
パンダ・アップデートは、ヘッドキーワードからロングテールキーワードにいたるまでさまざまな検索に影響を与えたことがこれまでの分析から分かっていますが、Googleが「ロングテール」という言葉をパンダ・アップデートのなかで使ったのは初めてのはずです。
メーデー・アップデートを思い出させますね。
ロングテールのアクセスが多いサイトは要注意です。
さて、パンダ・アップデートが全世界へ導入されたとは言え、英語検索だけです。
気になるのは、日本語検索・日本語結果への適用がいつのなるのかですよね。
SEMリサーチの渡辺さんは、日本語を対象にしたバケットテストらしき状況を確認しているそうです。
WebmasterWorldでは、独Googleのドイツ語検索での変動を報告しているメンバーもいます。
公式アナウンスは次のように締めくくっています。
We will continue testing and refining the change before expanding to additional languages, and we’ll be sure to post an update when we have more to share.
他の言語に追加して展開する前に、変更のテストと改良を続けていきます。さらに共有することがある時は更新情報を必ず投稿します。
英語以外の言語への導入は確実で、そのための準備を進めていると判断してよさそうですね。
次の公式アナウンスを楽しみに待ちましょう。