[対象: 初級]
どんな状況のときに、同じサイトの複数のページを1つの検索結果にGoogleは表示するのか?
この質問にGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が回答しました。
比較的長いビデオなので今回は全訳せず要点を説明します。
結論から言うと、ユーザーにとって同じドメイン・サイトからのページを複数見せたほうがいいと判断すれば複数見せるし、さまざまなドメイン・サイトからのページかを見せたほうがいいと判断すれば多様性を持たせた結果を返します。
ユーザーの検索クエリ、検索意図によって変化させるということですね。
もともとGoogleは、検索結果に同一ドメインからのページが複数(2つ)ある場合は束ねて表示していました。
2番目のページはインデント(字下げ)して表示されます。
「インデント結果」や「ホスト・クラウディング」と呼ばれていた表示形態です。
この状態では1ドメイン2ページの原則がありました。
検索クエリによっては1つのドメインからであっても複数のページを見せたほうが適切な場合もあります。
そこでその後1ドメインから3個以上のページを表示するために「+」マークが付き、その「+」マークをクリックすると展開して同一ドメインからもっと多くのページを見ることができるようになりました。
ホスト・クラウディングは、同じドメインのページがまとめて並ぶのでユーザーにとって同じサイトだと認識しやすくなるというメリットがあります。
しかしほかの表示形式を採用しにくくしてしまうというデメリットがあったようです。
さらにサブドメインを展開してホスト・クラウディングを意図的に狙われるという好ましくない状況も発生しました。
いつの頃からかホスト・クラウディング表示はなくなり、Googleは同一ドメインからのページであっても特定の条件に一致したときは3つ以上のページを表示するように仕様を変更しました。
数カ月後には最大4つにさらに変更を加えています。
検索クエリに対してそのサイトに有益なページがたくさん存在すれば、2つ、3つ、4つ、と同じサイトから返してもユーザーにとってメリットがありそうです。
また「IBM」や「HP」のように特定のサイトを指名する検索、いわゆるナビゲーショナルクエリのときは該当するサイトから複数のページが検索結果に表示されることは理にかなっています。
その反面、いろんなサイトのページを見たいというユーザーがいたとしたらその要求には答えられなくなります。
特に検索意図が曖昧な場合にはさまざまなサイトから結果を返すことが適しているでしょう。
多様性に富んだ結果を返すためのQDDというアルゴリズムが存在しているほどです。
4月と5月に実行した検索品質改善になかには多様なドメインからの結果を返すためのアルゴリズム変更が含まれていました。
より多様性に富んだドメイン
検索結果が同じドメインからのページばかりになることがある。この改良によりさまざまなドメインからのコンテンツを検索結果に表示することがある
多様なドメインからの結果を返すためのよりシンプルなロジック
ユーザーのクエリに関連すると判断したときに、多様なドメインからの結果を返すことを手助けするアルゴリズムがある。これらのアルゴリズムの裏側にあるロジックを単純化した。
さらに多様性を持たせるようにしたのかと思いきや、今月の上旬に実行されたらしいアルゴリズム変更では反対に、同一ドメインからのページが検索結果を占拠してしまっているという観察を多く聞いています。
Matt Cutts氏の説明をもとにホスト・クラウディングと多様性の現在までの歴史をここまで説明しました。
いろいろなサイトからの結果を返すべきなのか、中身が役に立つものであれば1つのドメインであっても複数返すべきなのか、バランスを取るためにGoogleは絶えず調整を加えているようです。
同じドメインから複数のページを返すこと、逆にさまざまなサイトから多様性に富んだページを返すこと、これらについて僕たちが直接的に影響を与えようとしてできることはほとんど何もなさそうです。