内部SEOの重要項目に挙げられる施策の1つに「h1タグ」があります。
h1タグは、検索順位を上昇させる要素としてどのくらい役立つのでしょうか?
Googleの場合
Googleに関して言えば、今はほとんどランキング付けには考慮していないようです。
海外のSEOエキスパートたちは一様にh1タグの効力の“なさ”を述べています。
たとえばWebmasterWorldでフォーラム管理者のtedsterは、次のようにコメントしています。
Here’s what I see – the H1 element has very little extra punch today, whether it’s used properly or not. It has been too severely abused by too many for Google to give it much power as a relevance signal, at least on its own.
If there is a strong semantic relationship to the title element, an H1 can act as a reinforcing signal but it is not a primary signal any more, it’s just more visible text on the page. It still makes good sense to use it properly – it gives the page structure.
“私は次のように見ている。適切に使われていようがいまいが、今ではh1要素には特別なパンチ力はほとんどない。あまりにも多くの人間にあまりにも激しく乱用されすぎて、Googleは少なくとも自分たちで関連性としての効力を与えるのをやめてしまった。
title要素と意味的に強く関係しているならh1はそれを補強する指標として機能することがあるけれど、それでももはや主要な指標ではなくて、ページに出てくる単なる目に見える要素にしか過ぎない。もちろん適切に使うぶんにはきちんとした意味があって、ページの構成を整えてくれる。”
SEOmozのRand Fishkin(ランド・フィッシュキン)氏も、h1タグにはSEOの効果はほとんど見られず、それどころか今に始まったことではなく以前からたいした意味がなかったのかもしれないとまで最近なって言っています。
Bingの場合
一方、Bingはh1タグに重きを置いているようです。
ウェブマスター向けの公式ブログでBingは次のように解説しています。
Using your head(er tags)
Another helpful page element to consider for keyword usage is the header tag used within your <body> content – specifically the <h1> tag. You should have not zero, not two or more, but just one <h1> tag in each content page. The text in that tag should ostensibly serve as the top-of-the-visible-page title (not to be confused with the <title> tag in the page code) declaring the theme of your page’s content. Given the tag’s prominence in defining the theme of the page for human readers, its text content has SEO value, so use your targeted keywords here as well. You can also use additional, lower-level header tags, such as <h2> and so on, but these tags are less significant in terms of SEO value.
完全な訳ではありませんが、Bing日本版のWebマスター向けTipsに対応した記述があります。
見出しタグを使用するときは、以下のヒントを参考にしてください。
- <h1>タグの使用は1ページ当たり1回に限定します。仮に<h1>タグを2回使ったからといって、あなたのサイトがウェブスパムと見なされるということはないのですが、1回以上使用するとその価値を下げることになります(通常、大概念は1ページ当たり一つしかないものです)。
- <h1>タグの階層内では、<h2>またはそれ以下の階層のタグを1ページ当たり一つ以上使用しても構いません。<h2>から<h6>タグの使用は、ボットがページ内のコンテンツの優先順位を知る手がかりとなります。
- 見出しタグ内にもキーワードを挿入しますが、タイトルタグで使用しているテキストと同じものは使わないでください(具体的な概念が伝わりにくくなり、キーワードの親和性を失うことになります)。
- 見出しタグのテキスト数は、150から200文字に制限します。
- 見出しタグでは、画像は用いず、テキストだけ用いるようにしてください(繰り返しになりますが、ボットは画像の中身を読み取れないため、キーワードの検索機会を失うことになります)。
英語の方には、「コンテンツのあるページには必ず使うべきでキーワードを入れろ」と書かれています。
重視している感じですね。
(ちなみに日本語版の「見出しタグのテキスト数は、150から200文字に制限します。」って、長すぎね?)
Yahoo!の場合
Yahoo!については、どうでしょう?
僕の知る限りでは、検索順位を決める要因として見ていますね。
ただキーワードを入れればそれでいいかというとそうでもなくて、入れることで逆に順位が下がったりとか、bodyタグ直下のh1タグの記述がSERPに出てくるページのタイトルにtitleタグの代わりに使われてしまったりとか、ややこしい一面を持ちます。
僕の場合
僕はセミナーの受講者やクライアントさんには次のようにh1タグを使うように指導しています。
- 原則的に各ページに1度使う(「問い合わせページ」みたいなページにはなくてもいい)
- 見出し本来の目的である「あとに続く内容を端的に指し示す」ための記述を書く(これがいちばん大事)
- titleタグと同じにしない
- キーワードを入れられるなら入れる(無理して入れない)
- ターゲットキーワードと関連深いキーワードを入れたい(「旅行」がターゲットなら「ツアー」とか「宿」とか「観光」とか)
- SEOにおける過度な期待は抱けないが簡単にできる施策なので手を抜かない
SEOに効果があるかは副次的な要素で、あくまでもユーザーがコンテンツ記事を読みやすくするのがhタグのいちばんの目的だと思います。
「読みやすく」という点だけを考慮するならhタグを使わずにCSSでもよいのですが、hタグの持つ「見出し」としての役割をブラウザや検索エンジンに伝えることは何も間違ってはいないし、多少なりともSEOの効果があれば儲けものです。
でもSEOの効果を狙いすぎて反対に順位が下がるような危険のあるhタグの利用は馬鹿げたことだと考えます。