[対象: 上級]
深く掘り下げた詳細記事を、通常のウェブ検索結果とは別に表示するIn-depth articlesが導入されて1ヶ月と少しが過ぎました。
その後、In-depth articlesはどうなっているのでしょうか。
In-depth articlesを考察した海外からのいくつかの記事をもとに現状をまとめます。
最初のデータ更新
In-depth articlesで表示する記事のデータが9月13日前後に更新されたようです。
In-depth articlesとして出てくる記事の数が増えました。
MozのPete Meyers氏の協力を得たForbsによれば、8月21日の時点では、計測対象のクエリの3.5%にIn-depth articlesが表示されました。
9月14日の時点では、 5.1%のクエリに表示されています。
増加しました。
またFive Blocksによれば、フォーチュン500に含まれる企業のなかで、In-depth articlesが表示されるのは8月8日には28社でした。
これが、9月13日には49社に増えました。
パンダアップデートのようにIn-depth articlesも約1ヶ月周期でデータをリフレッシュするのかもしれませんね。
今後も対象になるクエリが増えていくのではないでしょうか。
公開日の日付が付いた
その記事を公開した日付が表示されるようになりました。
導入時にはありませんでした。
データ更新のタイミングで追加されたようです。
古い記事も出てくる
2010年代の記事が大半ですが、古い記事も出てきます。
上のキャプチャの3つめの記事は2008年8月の記事ですね。
新しさは重要ではなく、関連があると認められれば公開してから数ヶ月、ときには数年に渡ってIn-depth articlesとして表示されることもあります。
上のようにGoogleは公式アナウンスで説明していました。
そのとおりになっています。
公開したのが昔だったとしても、埋もれさせておくにはもったいない有用な記事はたくさんあります。
時がたっても廃れないコンテンツを発見する機会をIn-depth articlesはユーザーに与えそうです。
トラフィック増加
インバウンドマーケティングの先駆け、HubSpotはIn-depth articlesの恩恵を預かったサイトの1つです。
それまでまったくGoogleからの検索トラフィックがなかったキーワードだったのに、In-depth articlesになかに表示されたことによってアクセスが増えたそうです。
In-depth articlesは、1語や2語からなる検索意図が曖昧なクエリでたいてい出てきます。
こういったキーワードは検索ボリュームが大きいのですが、1ページ目に表示させるのは簡単ではありません。
競合が多いし、意図が曖昧なので多様性を持たせた結果をGoogleは返す傾向にあるからです。
でもIn-depth articlesに選ばれれば、ビッグキーワードであっても1ページ目に登場できますね。
大手ニュースサイトが中心
In-depth articlesの発信元になっているのは、大手のニュース・メディアサイトが中心です。
Forbsの調査によれば4分の1はニューヨーク・タイムズからの記事で、ダントツでした。
ニューヨーク・タイムズ以降も著名なニュースサイトが続きます。
さほど名が知られていない地方のニュースサイトや個人ブログであったとしても、質が高く、掘り下げて書かれていればIn-depth articlesの対象に選ばれることがある
上のようにGoogleは言っていました。
たしかに小さなサイトの記事もIn-depth articlesには出てくるには出てくるようですが、その数はかなり限られています。
schema.orgなどの推奨要件は必須ではない
In-depth articlesの対象になるために、以下の要件を満たすことをGoogleは推奨しています。
- schema.orgのArticleでマークアップ
- 著者情報の設定
- ページネーションの適切な構成
- 組織のロゴをschema.orgでマークアップ
しかし、In-depth articlesとして現在表示される記事で、上の要件を満たしているものはほとんどないようです(In-depth articlesに選ばれた記事のページを調べればわかる)。
大手サイトが中心なのは、要件を満たしていなくてもIn-depth articlesにふさわしいとGoogleが判断しやすいからなのかもしれませんね。
小さなサイトでも選ばれるように、そして日本にも導入されることを願って、僕はすべて実装済みです。:)
米Google以外への展開
In-depth articlesは、今のところ米Google (google.com) でのみ利用可能です。
米Google以外への導入はおろか、In-depth articles自体を継続して提供するかどうかもわかりません。
ユーザーの今後の使われ方を見て判断していくのでしょう。
日本にも導入されることを僕は期待します。