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Googleのナレッジグラフ (Knowledge Graph) でその土地の観光スポットを調べる方法を今日は紹介します。
Google社員のJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏がGoogle+でシェアしてくれた方法です。
やり方は簡単で “things to do in XXX“(XXXでやること、やったほうがいいこと)をGoogle検索するだけです。
“”(ダブルクオーテーション)は不要です。
「XXX」には国名や都市名を入れます。
米Google (google.com) でも日本のグーグル(google.co.jp) でも構いませんが検索結果表示の言語は英語である必要があります(「hl=en」パラメータが付いている状態)。
百聞は一見に如かずなのでやってみましょう。
things to do in switzerland(スイスでやること、やったほうがいいこと)
https://www.google.co.jp/search?q=things+to+do+in+switzerland&hl=en
右に出てくる“パネル”でのナレッジグラフとは別にページの上部に“Carousel”(カルーセル、回転式スライド)と呼ぶもう1つのナレッジグラフが表示されます(カルーセルの例: 「ブラッドピット 映画」、「村上春樹 本」)。
他の場所でも出てきます。
things to do in florida(フロリダでやること、できること)
https://www.google.com/search?q=things+to+do+in+florida&hl=en
things to do in london(ロンドンでやること、できること)
https://www.google.com/search?q=things+to+do+in+london&hl=en
スイスは国でしたが、フロリダは州、ロンドンは都市ですね。
もちろん日本もOKです。
things to do in japan(日本でやること、できること)
https://www.google.com/search?q=things+to+do+in+japan&hl=en
things to do in tokyo(東京でやること、できること)
https://www.google.com/search?q=things+to+do+in+tokyo&hl=en
things to do in sapporo(札幌でやること、できること)
https://www.google.com/search?q=things+to+do+in+sappro&hl=en
当然ながらすべての場所には対応していないし、“things to do in disney land california”(カリフォリニアのディズニーランドでやること)や“things to do on the moon”(月でやること)も出てきません。
月は無理としてもw、テーマパークは出てきたら嬉しいですね。
英語だけに利用可能というのが残念ですが、日本語をはじめ他の言語にも早く入ってくると旅行の時のガイドブック代わりになりそうです。
まだ始まったばかりのナレッジグラフは無限の可能性を秘めていそうです。
と、ここまでは軽い話題でしたが、ナレッジグラフの今後の展望についてもう少し詳しく触れておきます。
上は、ナレッジグラフをテーマにした米Googleのサーチクオリティチームのトップ、Amit Singhal(アミット・シンガル)氏とナレッジグラフの開発に当たっているプリンシパル・エンジニア、Shashi Thakur氏へのインタビュー記事です。
重要そうなポイントをいくつかピックアップします。
- どんなに優れたアルゴリズムであっても結局は文字列としてしか扱えていなかったが、ナレッジグラフはEntity(エンティティ)を理解することを可能にした
- ナレッジグラフは、2007年に導入したユニバーサル検索よりもずっと大きな変革である
- ユーザーの言語や国に応じてナレッジグラフの項目を変化させている
- 今はナレッジグラフとウェブ検索の結果が別々になっているが将来的にはナレッジグラフからの結果がほかの多くの形式に取って代わるだろう
- もっともっと多くの場面でナレッジグラフが今後は出てくるだろう
- (AdWords)広告の表示場所をナレッジグラフが押し下げることがあるが、Google検索の核となる技術の向上に際しては広告に与える影響を考慮しなくていい権利がGoogle検索のエンジニアには与えられている
- Google TVやGoogle Nowにはバックグラウンドですでにナレッジグラフが利用されている
- キーワード依存の今までのウェブ検索とエンティティをベースにしたナレッジグラフの融合を最終的には目指している
- 両者は相互依存の関係にある
僕の感覚では、ナレッジグラフは今のところ「おもちゃ」みたいなもので「へぇ〜、面白いね」レベルなのですが、将来的には検索の中心的な存在に間違いなくなるでしょう。
Knowledge Graphが現在カバーしているエンティティは5億7千万、事実と関係性は180億。
導入時の約3倍だそうで、まだまだ拡大しています。
それでも今はほんのよちよち歩きと言っていいでしょう。
シンガル氏のナレッジグラフにかける意気込み、もっと正確に言えば人間の知りたいという要求を完全に理解する検索の開発、Googleの使命にある「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」に対する情熱がインタビュー記事からは読み取れます。
何年後かには、今の僕たちが想像できないほどにSEOという概念も大きく変わっているかもしれませんね。