[対象: 全員]
SMX Advanced 2013のセッションレポートを続けます。
この記事で取り上げるセッションは、「Ask the SEOs」です。
「Ask the SEOs」では、SEOのエキスパートたちに参加者が質問してアドバイスをもらうことができます。
ただ率直に言うと、たいした話は聞けなくて日本でトップクラスのSEOたちと話していたほうがよほど濃い話ができます(Ask the SEOsは開かれた場でのトークなのでおおっぴらに話せないことがあるからかもしれませんが)。
ところが、今年の「Ask the SEOs」には、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏とBingのDuane Forrester(デュアン・フォレスター)氏が途中から飛び入り参加し、検索エンジン会社のトップたちから役に立つ話を聞くことができました。
左から、Danny Sullivan、Duane Forrester、Matt Cutts
GoogleのMatt Cutts氏の発言をまとめます。
マット・カッツからの重要発言×5+1
Maile Ohye氏は著者情報は記事に対して使うといったがサイト全体に設定するのはどうなのか
自分(マット・カッツ)のブログは自分だけだから全体に設定している。個人のサイトなら問題ない。
記事作成者がたくさんいるなら限定したほうがいい。
スパムは匿名で活動する。誰が書いたかがわかれば、スパマーが隠れるのは難しくなる。もっと多くの人が著者情報を使うと考えている。
どこかのフォーラムに書き込んだとしても、その人の投稿だからという理由で、検索結果(の上位に)出てくることがあってもいい。
鈴木からコメント: ECサイトの商品ページに著者情報を設定したとしても、表示しないことがあるかもしれないと、自分のセッションのなかでGoogleのマイリーさんは言っていました。
たしかに商品説明のページに著者情報が出てくるのはおかしいかもしれません。もっとも、その商品のレビューだったり体験談だったりすれば著者情報があってもよさそうには思えます。マットは、ことあるごとに著者情報の将来性に言及していますね。ランキングシグナルとしてきっと利用されるだろうと僕は信じています。
記事には日付を付けるべきか
ユーザーの観点から、(コンテンツには)日付をつけるべき。日付がないとユーザーが困ることがある。
鈴木からコメント: 検索結果に表示される日付が古いとクリックされにくくなったり、間違った日付が表示されることがあったりするために、書かないほうがいいという意見に対しての回答です。
マットが言うように、そのコンテンツがいつ公開されたのかはユーザーとしてはとても重要な情報だと僕も思います。
スクレイピングサイトのほうが上位に来ている
スクレイピングには、DMCAやスパムレポートで対処するか、ヘルプフォーラムでアドバイスをもらうといい。
スクレイパーを発見した時は単にtwitterで文句をいうのではなく、どのキーワードでどのサイトが出てくるのか詳細を伝えてほしい。
rel=“canonical”を入れておけば完全なコピーに対抗できる。
鈴木からコメント: 丸パクリは本当に頭にきます。僕はそういった経験はありませんが、コピーしたほうがオリジナルの自分よりも上というのは耐えられませんね。
こちらの記事も参照してください。
ブラックハットのアフィリエイトサイトから張られたリンクは悪い影響を与えるか
プレスリリースのリンクと同じように、アフィリエイトのリンクを上手に検出できるようになっている。
鈴木からコメント: 心配いらないということです。逆に考えると、アフィリエイトリンクはプラスにも働かないということにもなりそうです。
Googleの検索結果は(AdWords)広告が多すぎてアルゴリズムに引っかかるのではないか
検索結果ページがインデックスされることはない。
仮にインデックスされたとしても、検索結果と広告の比率を適切に保っている。広告エリアのしきい値を設定している。広告チームがエリアを広げようとした際に却下したことがある。
広告が出ているのはごく一部の検索結果に過ぎない。サイト内のすべてのページを見て判断している。1ページだけではない。
鈴木からコメント: Googleは、ファーストビューに広告が多すぎるサイトの評価を下げるアルゴリズムを採用しています。
Googleの検索結果ページ自身が広告過多なんじゃないかという、ダニーのからかった質問への回答です。
Googleの検索結果ページくらいの比率であれば、「多すぎ」にはならないようです。
あと大事なこととして、AdWordsが出てくるGoogleの検索結果は、全体として見るとごくわずかだということがあります。
ページレイアウトアルゴリズムはサイト全体の状況を見ています。1つ2つのページで広告が多くても、さほど心配いらないでしょう。しかしサイト中にわたって広告が多いページばかりだと問題になりえます。
Matt Cuttsからオーディエンスへ一言
コミュニケーションと透明性の向上に僕たちはもっと取り組んでいく。
ブラックハットの誘惑に負けないでほしい。ブラックハットなことをやる人を雇うこともやめてほしい。
抜け道を探すこと、そしてそれを後になって正すことはどんどん難しくなっている。
人を引きつけてやまない魅力的なものを作り、ユーザーエクスペリエンスの向上を目指すべきだ。良いサイトならビジネスはうまくいく。
モバイルはものすごく重要で無視できない。2、3年後にはデスクトップのトラフィックを上回るほどに急激に伸びるだろう。
サイトのスピードを速くすることが大切だ。
タブレットとスマートフォン、フィーチャーフォンでできちんと機能するようにすることも大切だ。
鈴木からコメント: マットからのありがたいアドバイスです。肝に銘じてSEOに励みましょう。