あなたのドメイン名を送信者としてGmailに送信したメールに対するユーザーの反応をランキングを決める指標としてGoogleは使っていないと、GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)が断言しました。
また手動でペナルティを受けたサイトが再審査リクエストを申請した場合は、リクエストに書かれている内容がどんなものであれ必ずサイトをチェックすることも明らかにしました。
Matt Cuttsがこのように発言した経緯を簡潔に説明します。
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JakeLudington.comというドメイン名でサイトを運営するJake Ludington(ジェイク・ルーディントン)は、4月のはじめに突然トラフィックが減少しました。
いくつかの対処を試みたものの回復しませんでした。
次に、アドバイスを受けて調査したのがこのサイトが配信するニュースレター(メルマガ)の利用状況です。
利用しているメール配信システムのデータをチェックしたところ、ニュースレターを受け取っているけれど、開封しなかったり中に書かれているリンクをクリックしなかったりするユーザーが大量に存在することが分かりました。
その中にはGmailユーザーも含まれます。
彼が疑ったのは、Gmailユーザーの反応(=評判)がランキングに悪影響を与えているのではないかという可能性です。
そこで彼は、登録しているけれど何も反応していない“非アクティブ”な購読者を13,000人ほど手動で解除しました。
そして、JakeLudington.comから配信するニュースレターの非アクティブユーザーを解除したことなどを詳細に説明する再審査リクエストを送信しました。
すると、Googleから「JakeLudington.comのペナルティは解除されました」という通知が届いたのです。
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この流れを見ると、Gmailのデータを検索データにも使っているように思えますね。
ところが事実は違ったようです。
JakeLudington.comは数年前に、リンクを販売している、質の低いサイトにリンクを張っていて、これが原因ですでに手動でペナルティを受けていました。
しかしペナルティの原因となっていたこれらのリンクはもう取り去られていて、問題箇所が修正されたためペナルティが解除されたそうなのです。
ニュースレター購読者への対応とはまったく無関係だったということです。
以前に説明したように、Googleのペナルティには自動と手動の2種類があります。
再審査リクエストが有効なのは手動ペナルティの場合だけでした。
手動ペナルティを与えたサイトからの再審査リクエストは、申請内容が何であれ必ず人間のスタッフがもう一度サイトを審査するそうです。
Matt Cuttsの例えが面白くて、「宇宙人に誘拐されて再審査リクエストを送れと脅迫された」と書いてもチェックするだろうとのことでした。(笑)
もう何年も前に与えたペナルティだったのですが、再審査リクエストが送られてきたために手動で再チェックし、ガイドラインに違反していた質の低いサイト(リンク販売していた種類のサイト)がなくなっていたのでペナルティを解除し、ペナルティ解除の通知を送ったのです。
ニュースレターとは何も関係のない、ごくありふれたの通常の処理だったわけですね。
Googleの言っていることをすべて信じることはできないという意見があるように、信じるか信じないかはあなたの判断に任せます。
ただいろんなところで見ている限りでは、Googleでは検索やGoogleアナリティクス、AdSense、AdSenseなどプロダクトが違うと、必ずしもお互いに綿密に連携しあってデータを提供しあっているということはなく、別会社のように機能しているともいうので、Gmailのデータを検索に利用していないというのは、そうなのかなとも個人的には思います。
メールと検索は違うし、メールの送信元は簡単に詐称できたりしますしね。
もちろん真相を知るのは“中の人”のみです。
事実なのは、「Gmailからのデータをランキング要因としては利用していない、手動ペナルティを与えたサイトから再審査リクエストがあったときは該当サイトを必ずチェックする。」とMatt Cuttsが言い切ったということです。