[対象: 中〜上級]
GoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏はペンギン・アップデートの更新を実行したことを5月26日にTwitterで明らかにしました。
Minor weather report: We pushed 1st Penguin algo data refresh an hour ago. Affects <0.1% of English searches. Context: goo.gl/4f7Pq
— Matt Cuttsさん (@mattcutts) 5月 26, 2012
マイナー ウェザーレポート — ペンギン・アップデートの初めてのデータ更新を1時間前に展開した。英語の検索に与える影響は0.1%未満。詳細は goo.gl/4f7Pq。
アルゴリズム本体の改善というよりはデータの更新にとどまっているらしく与える影響は軽微のようです。
英語の検索で0.1%未満です。
導入時は英語の検索では3.1%程度でした。
海外のフォーラムを見ても動きを察知しているサイト管理者たちはいるものの大きな変動はほとんど報告されていません。
週末を挟んでしまったのではっきりしたことは分かりませんが日本でも騒ぎになるような目立った動きは起きていないように感じます。
ペンギン・アップデートとはSEOスパムを排除するためのアルゴリズムです。
また本人にとってはスパムではなく純粋なSEOのつもりであっても、Googleからしてみれば“最適化”ではなく“過剰”と判断される行為に対してペナルティにも似たマイナス評価が与えられます。
これまで僕が得た限りの情報では、キーワード系とリンク系のSEOスパムに対して発動しています。
キーワード系というのはキーワードの乱用です。
読みづらくなるくらいに記事中でキーワードを繰り返すといった古典的な手法はよほどSEOに無知でない限りは今どき見ることはできません。
しかしalt属性やtitle属性に不必要にキーワードを記述するパターンはまだまだ発見できます。
フッター部分に置いたキーワードだらけのリンクブロックも危険です。
文字を小さくしていたり色を薄くして背景に溶けこませようしたりしていたらペンギンに捕獲される可能性がさらに高くなりそうです。
リンク系は言わずもがなの有料リンクや自作自演リンクです。
リンクネットワークや登録型のディレクトリも含まれます。
サイドバーやフッターに設置してあるサイトワイドのリンク、ROS(Run Of Site)リンクもときには排除標的になっているようです。
SEO対象キーワードのアンカーテキストの割合いが突出して高い場合も危険極まりない状態です。
ただし有料リンクを除けばどれか特定のタイプのリンクが必ず標的にあっているわけではありません。
たとえばブログロール(サイドバーのお気に入り)からリンクしていてROSリンクになっているからといってそれが100%ペンギン・アップデートに引っかかるわけではなのです。
キーワード系にしてもリンク系にしても「検索エンジンが存在しなかったとしても“それ”をやっているか?ユーザーのために“それ”をやっているか?」で考えてみてください。
「ユーザーのためというよりも検索順位を上げるためにやっている」という答えがあなたの頭の中で返ってきたとしたらそれはペンギンの対象になる可能性がゼロとは言い切れません。
キーワードの乱用も操作した不正なリンクも今までもGoogleはペナルティやフィルタの対象にしてきましたよね。
よくよく考えるとぜんぜん目新しいものではありません。
でもGoogleが見逃すことなく検出できていたかといったらそんなことは決してありません。
キーワードの乱用や不正に操作されたリンクの検出能力を格段に向上したアルゴリズムがペンギン・アップデートなのだと僕は解釈しています。
「今までは見つけられることなくうまいことやってきたサイトがペンギンによって見かってしまう」ということですね。
またペンギン・アップデートによって間接的に順位を下げたサイトがあるかもしれません。
リンク元のサイト(ページ)がペンギンの打撃を受けたためリンクの評価が著しく低下したあるいはゼロになってしまいそれまで受け取れていたPageRankが受け取れなくなったということもあり得るでしょう。
勘違いしてほしくありませんが、ランキングを上げるための行為を僕は否定していません。
僕もSEOに関わった仕事をしていてトレーニングやコンサルティング、もっと言えばこのブログでもランキングを上げるためのSEOを教えることがあります。
ただし検索エンジン、もう少し絞って言えばGoogleが、認めている方法・推奨している方法であるかどうかを今は常に意識しています(過去はそうとも限りませんでしたがw)
はっきり言ってしまえば有料リンクもやりたければお好きにどうぞと思っています。
リンクの売買は犯罪ではないし、僕は道徳的に聖人でも君主でも何でもありません。
ですが条件があります。
それはリンクを売る側も買う側もリスクを完璧に理解している場合です。
インデックス削除されてGoogle検索でのビジネスチャンスを完全に失うという危険が有料リンクには絶対に内在しています。
この内在リスクを当事者たちが確実に把握してそのリスクを受け入れることができるなら利用すればいいのです。
そうはいっても有料リンクを買っているサイトをはじめスパムサイトが上位にいるのは気分がいいものではありません。
ということで、今回は微小な影響にとどまったペンギン・アップデートの更新が、今後はもっともっとSEOスパム検出の精度を上げていくことを期待しています。