【朗報】iOS 6のSafariがGoogle検索のリファラーを送信するようになる

[対象: 上級]

iOS 6のGoogle検索からのトラフィックがリファラー (Referer)を渡すようになったと思われます。

iOS 6のGoogle検索はリファラーを送信しない

iOS 6のiPhone/iPadでSafariを使ってGoogleから検索したときのトラフィックが、Googleのオーガニック検索ではなく、参照元なしの直接のトラフィックとして計測される状況が昨年の9月頃から発生していました。

Googleアナリティクスでは、「google / organic」としてレポートされるはずのトラフィックが、iOS 6では「direct / none」としてレポートされてしまうのです。

iOS 6のSafariでGoogle検索したときは、リファラーが送信されないためです。

これは、GoogleのSSL検索とはまた別の問題です。

SSL検索ではキーワードこそ取得できなくなるものの(GAのキーワードレポートには「(not provided)」として出てくる)、Googleのオーガニック検索からのトラフィックであることは識別できました。

ところが、iOS 6では、キーワードはおろかGoogleのオーガニック検索からのトラフィックということまでわからなくなってしまうのです。
ブラウザにURLを直接入力したり、お気に入りからアクセスしたときのようにダイレクトのトラフィックとして記録されてしまいます。

【補足】
リファラーが完全になくなるのは、iOS 6のSafariだけではありません。Chromeの一部のバージョンでも発生するようです。しかしGoogle検索アプリでは発生しません。またAndroid4.1/4.2の一部のブラウザでも発生するようです。詳しい調査データはこちらを参照してください。

iOS 6のダイレクトとGoogleオーガニックが逆転

ところが、7月30日を境に状況が一変したようです。

iOS 6がリファラーを渡すようになりました。

Define Media GroupRKG Blogが同様の状況をいち早く確認しています。

下は、僕のGAのなかの、あるサイトのiOS 6の、参照元なしの直接のトラフィック(青)とGoogleのオーガニック検索のトラフィック(オレンジ)を比較したグラフです。

iOS 6の参照元なしの直接のトラフィック(青)とGoogleのオーガニック検索のトラフィック(オレンジ)を比較したGoogleアナリティクスのグラフ

7月30日に逆転しています。
参照元なしが減り、逆にGoogleオーガニックが増えています。

別のサイトの同じデータを比較したグラフです。

iOS 6の参照元なしの直接のトラフィック(青)とGoogleのオーガニック検索のトラフィック(オレンジ)を比較したGoogleアナリティクスのグラフ

こちらも同じようにきれいに逆転しています。

僕のブログは上の2つほど鮮明ではなかったものの、傾向を見ることはできました。

iOS 7はリファラーを送信する

現在ベータ版が公開されているiOS 7はGoogle検索のリファラーを渡すことをSearch Engine Landが確かめています。

iOSの失われたリファラーが復活

iOS 6のリファラーがどうして送信されるようになったのかは不明です。
リファラーが復活したタイミングでは、iOS 6はアップデートしていません。

Google側で何らかの変更を行ったのでしょうか?

ただし完全にリファラーを渡すようになったわけでもなさそうです。
ダイレクトとして記録されるGoogleオーガニック検索のトラフィックもまだ存在するようです。

一方、iOS 7がリファラーを送信する仕様に変更になることは、嬉しい改善です。
正式版の公開が待たれます。

SSL検索のキーワードが依然として取得できないことに変わりはありません。
そうは言っても、Googleのオーガニック検索が参照元なしとしてレポートに出てきてしまうのは完全にデータが失われてしまっているに等しい状態です。

この深刻な状態が解消されるだけでも、特にiPhone/iPadからのアクセスが多いサイト運営者にとっては朗報です。