[対象: 中級]
ウィジェット(日本でいうところの「ブログパーツ」)やインフォグラフィックに埋め込むリンクにはnofollow属性を付けたほうがいいとGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が推奨しました。
一般のウェブマスターからの質問に対する回答として動画で理由を説明しています。
ウェブマスターからの質問:
ウィジェットやインフォグラフィックのようなものの埋め込みコードをどうすべきか。
rel=”nofollow”をデフォルトで付けておくべきか。それともリンクが含まれていることをユーザーに伝え、外せるオプションを用意しておくべきか。
Matt Cutts氏からの回答:
この質問に対する僕の回答は、ものすごい数の人たちがウィジェットやインフォグラフィックを乱用しようとしているのを見てきたという事実を反映している。
アクセスカウンターを設置して、それに「中皮腫」という(アンカーテキストの)リンクが貼られていることに気付いていない人たちを見たことがある。
(ウィジェットやインフォグラフィックが)自分のサイトや第三者のサイトにリンクしているか、とか、アンカーテキストがキーワードだらけになっていないか純粋にサイト名か、そういったことが問題になる。
リンクを集める主な手段としてウィジェットやインフォグラフィックに僕なら頼ったりしないだろうし、nofollowを付けることを勧める。特にウィジェットにはね。
どうしてかというと、ほとんどの人は、コード部分をコピーして貼り付けるときにそのコードが一体何なのかわかっていないからだ。ウィジェットに埋め込まれているリンクが見えなかもしれないから、普通は、編集上の選択じゃない。
インフォグラフィックでやろうとしていることの規模にもよるけれど、インフォグラフィックにも同じようにrel=”nofollow”を付けることを考えたほうがいかもしれない。
そういったもの(ウィジェットやインフォグラフィック)の価値は、ブランディングにあるんじゃないだろうか。トラフィックを生むかもしれないし、あなたのサイトやサービスがあるということを人々に知らしめるかもしれない。
でも、誰かが何かを勧めたいとかブログ記事でそれについて書くとかいったように、編集上の意図から自らの意志で貼ったリンクと同じ重要性をウィジェットからのリンクが持つと期待しないほうがいい。
つまり、そんなようなことだ。
ウィジェットリンクが即座にNGということではない
プレスリリースやアドバトリアルに続いて、ウィジェットとインフォグラフィックにもnofollowの“メス”がついに入りましたね。
ただ僕が勘違いしたくないのは、プレスリリースやアドバトリアル、ウィジェット、インフォグラフィックなどからリンクを張ることを、無条件にGoogleは問題視しているわけではないということです。
Googleが問題視していることは、SEO目的、もっと具体的に言えばリンク獲得のためにこういったものを利用するひとが増えてきたことです。
プレスリリースにしてもウィジェットにしても、その他の仕組みにしても、もともとの目的はリンク集めではないですよね。
そういったものによってリンクが集まることを発見して乱用が始まってしまい、Googleは「それでは困る」となってしまったのです。
状況を変えたのは、Googleではなく僕たちウェブマスターなのかもしれません(決して、Googleの肩を持つわけではありませんが)。
問題になるのは意図
「ウィジェットからのリンクにはnofollowを付けるべし」とGoogleは言ってるくせに、Googleマップを埋め込んだらnofollowが付いていない普通のリンクがもれなく付いてくるじゃないか、とGoogleに食ってかかることもできます。
でも、リンク獲得を目的にGoogleはGoogleマップにリンクを仕込んでいるのでしょうか?
そんなことはないですよね。
ウィジェットやインフォグラフィックからnofollowなしのリンクが張られていたからといって、単にそれだけでGoogleはペナルティを与えたりはしないでしょう。
問題となるのは、そのアンカーテキストでそのリンクを埋め込んだ人の「意図」です。
ランキングを上げるためか? ということです。
そうは言っても、そのリンクのアンカーテキストがSEO目的か製作者サイトの名前を示すものかなんていうのは、人間でも判断が難しい場合もあるだろうし、ましてアルゴリズムで100%正確に検出することは不可能でしょう。
だから間違われないようにnofollowを付けておけば安心ということなんじゃないでしょうかね。
リンク獲得が目的でないなら、nofollowを付けることに抵抗はないはずです。
獲得すべきは「エディトリアル・リンク」
またMatt Cutts氏が指摘したように、ウィジェットやインフォグラフィックの埋め込みコードに含まれている他のサイトへのリンクは、そのコードを貼ったユーザーには気付かれないこともあるし、そのユーザーが自ら進んで張ったリンクではありませんね。
Googleが本当に評価したいのは、訪問者にも見てほしい勧めたい、とそのコンテンツを作った人が自発的に張ったリンクです(もちろん、その〜したいにお金がもらえるからというような見返りが含まれていてはいけません)。
編集の観点から、そうすることがふさわしいという理由で張られたリンクです。
SEO用語で言う“Editorial links”(エディトリアル・リンク、編集リンク)です。
僕たちが本当に目指すべきは、自発的に張ってもらえるエディトリアル・リンクを集めることです。
リンクを集めるためのあの手この手が次々と生まれるなかで、この流れは今後ますます強まっていくでしょう。