[対象: 初級]
専門用語や業界用語を使った、より専門的なコンテンツと、難しいことをよりわかりやすく、読みやすく書いたコンテンツのどちらが上位表示に有利なのか?
この質問にGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏が回答しました。
Matt Cutts氏の説明を要約すると次のようになります。
対象がどんな人かにもよる。
その業界のプロフェッショナルであれば、専門用語や業界用語を使ってまったく構わない。
読んでいる人にとって不可解な言葉ばかりなら、そういう言葉を使わずにわかりやすく説明した方がいい。
声に出して読んでみて、不自然に感じないことが大切だ。
可能なら、専門用語を使いつつ、その説明の説明を加えてもいい。
ランキングという観点からはどちらかをより高く評価するということはない。検索ユーザーが検索するキーワードによる。
SEOで考えるべきでない質問
「専門用語を使うべきか? それとも平易な表現にするべきか?」、これはSEOとは関係がない問題です。
「読む人にとってどちらがふさわしいか」で決めるべき問題です。
たとえば、「検索エンジンに向けた無限スクロールのベストプラクティス」の記事をこのブログで先日書きました。
この記事の対象は、無限スクロールを実装している人で、かつページネーションの設定方法やHTML5を理解している上級者向けです。
したがって、「無限スクロールとは?」という説明は省いています。
同様に、rel=”prev/next”やpushStateの説明も省略しています(説明ページへのリンクは張っている)。
僕のブログ(に限らず、SEOに特化したブログ)では「アルゴリズム」という用語が頻繁に出てきます。
「アルゴリズム」は、SEOをやっていない人が日常的に触れる言葉ではなく、意味がわからないでしょう。
かといって、僕のブログでわざわざ「アルゴリズムとは?」を説明する必要はないはずです。
もし説明したら、「知ってるから書かなくていい」とあなたは思うことでしょう。
逆にその道に詳しくない人にとっては、専門用語ばかりが出てくると理解不能に陥ります。
たとえば、かろうじて使えるようになったExcelで顧客データを管理している、ITに決して強いとは言えない中小企業の社長さんが、もっと効率的に管理できる専用のシステムを導入したいと考え「顧客管理 ソフト」で検索したとしましょう。
検索結果に出てきたページに訪問すると、「CRM支援パッケージ」や「SFA」、「オープンソース版」、「フレキシブルなカスタマイズ性」、「クラウド対応」、「ERMとのシームレスな連携」……という言葉が説明なしに次々と出てきたら、ブラウザの「戻る」ボタンを速攻でクリックするに違いありません。
対象に合わせて
その分野についてさほど詳しくない人が対象であれば、専門用語や業界用語は極力避けたいものです。
使うにしても、やさしい補足説明を加えたほうがいいでしょう。
反対に専門性が高いコンテンツであれば、専門用語・専門用語を使ったほうが、読み手は理解しやすいだろうし、書き手は書きやすいでしょう。
当然知っているはずの用語を説明されてもじゃまになるだけかもしれません。
とはいえ、専門用語であっても、初めて出てきたり馴染み薄かったりするようなものについては簡単に説明したほうがいいこともありそうです。
検索エンジンとしては、「専門用語や業界用語があるから評価を高くする」、「やさしく、理解しやすく書かれているから評価を高くする」、こうしたことでランキングを決めることはありません。
ユーザーのその時のクエリに対して、適切と判断したものを検索結果として返すだけです。