[対象: 全員]
Google社員のJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が、Google+で5月23日に開いたウェブマスター向けハングアウトに参加しました。
この記事では、ハングアウト中に得た情報のなかから、知っておくといいだろうと僕が思ったことをシェアします。
ハングアウトは2つのパートで構成されました。
- サイトの移転に関する適切なアプローチと注意事項
- Q&A
順に書いていきます。
301リダイレクトによるサイト移転時に知っておくべきこと
- 順位の変動は普通にあることだし予測されること。
- URL変更が処理されるまでにかかる時間は、そのページのクロール頻度によって大きく変わってくる。2ヶ月以上、元のままということもある。
- サーバーを移動した場合は、新しいサーバーにとって最適なクロール頻度を慎重に見極めようとする。適切なクロール頻度に落ち着くまでに時間がかかることもある(URLを変えずにサーバーだけを移動するときも同じ)。
- やむを得ず復数のリダイレクトを繰り返すときは、必ずすべてに301リダイレクトを使う。途中に302リダイレクトを挟んではいけない。
- リダイレクトするURLをrobots.txtでブロックしてはいけない。Googlebotがリダイレクトを知ることができないため。
- 内部リンクも外部リンクも新しいURLに向くように更新する。
- サイトマップに記述するURLも新しいURLに更新する。
- rel=”canonical”やhreflangなど(ブラウザの)表示上は見えないが、ソースコード上に存在するURLの変更を忘れない。
- 手動対応(ペナルティ)を受けているときは、リダイレクトする前に解決しておく。
- 301リダイレクトが使えないときの代替手段:
- rel=”canonical”: うまく機能する
- JavaScriptリダイレクト: 使うことができる
- meta refreshタグ: 勧めない
- 301リダイレクトが最も推奨される手段
Q&A
Q: 移転が完了したあと、301リダイレクトを解除してもいいか。
A: 可能な限り保持しておく。
【鈴木コメント】「◯ヶ月たったら301リダイレクトは解除してもいい」と何の脈絡もなく言い切る人がいますが正しくありません。
301リダイレクトは「恒久的な転送」です。301リダイレクトが設定されている状態で検索エンジンは、URLが変わったことを認識し処理します。内部リンク・外部リンクの両方を新しいURLに張替え、新しいURLにも十分なリンクが集まるなど、301リダイレクトの手助けを借りずに新しいURLに評価が付いたと判断したら、301リダイレクトを“切る”ことはありえます。
そうだとしても、301リダイレクトは原則、半永久的に設定しておくべきです。
90日たてば評価が受け継がれるので解除してもいいなんていうのは明らかに間違いです。
Q: 301リダイレクトを認識するのに何回のクロールが必要か。1回クロールすれば十分か。
A: 通常は1回クロールすれば認識する。ただし古いURLにアクセスすることがあるから、1回クロールしたからといって古いURLに二度とアクセスしないということではない。
Q: 削除したたくさんのページをトップページに301リダイレクトしてもいいか。
A: 勧めない。ソフト404として認識されることもある。
【鈴木コメント】削除したページに対して、301と404のどちらを返すかの判断はWeb担の先週のピックアップで説明しています。
Q: ペンギンアップデートの更新は今後も継続するのか。
A: Yes. 常に取り組んでいく。
【鈴木コメント】Matt Cutts(マット・カッツ)氏も、「ペンギンはまだまだ来る」と、ペンギン2.0実行後でもスパムが残っているというTwitterでの指摘に返答しています。あれで終わりじゃ不甲斐なさすぎですね。
@bestonline there will certainly be more Penguin to come.
— Matt Cuttsさん (@mattcutts) 2013年5月25日
Q: ペンギンアップデート2.0はデータのリフレッシュは行なっていないのか。
A: データもリフレッシュしている。ペンギン1.0の影響を受けたサイトのデータも新しくなっている。
【鈴木コメント】ペンギン2.0は、1.0をちょこちょこっと修正したというよりも、ほぼ完全に新しいアルゴリズムに置き換わったっぽいです。なのに、1代目より実際にはインパクトが小さかったという。
Q: 手動のペナルティとアルゴリズムのペナルティを301リダイレクトは引き継ぐそうだが、ペナルティを受けたサイトを競合がリダイレクトしたら私のサイトにペナルティを与えることができてしまわないか。
A: そういったことが起きないように本当に一生懸命に取り組んでいる。そういったことを見分ける手段が間違いなくある。必ずしも心配する必要はない。
Q: 301リダイレクトした古いURLが依然として検索結果に出てくる。どうしてか。
A: 完全に正しく301リダイレクトを設定していてもサイトの規模や再クロールの頻度などでかなり長い期間古いURLが出てくることがある。よくあることで問題が発生しているわけではないから対処しなくても大丈夫。
Q: サイト統合後にクロール頻度が非常に増え、予想していた以上だ。元の頻度に落ち着くと考えていいか。
A: サイトに大きな変更があったときは、その内容を取得しようとしてクロール頻度が上がることがある。通常は一時的なもので時間とともに落ち着く。どのくらい時間がかかるかはアルゴリズムが変更をどのように見るかによって変わるので特定の期間が定まっているわけではない。
クロール頻度が問題になるようならGoogleウェブマスターツールで調節できる。クロール頻度を制限しても剣客結果に悪影響を及ぼすことはない。
Q: ソーシャルメトリック(いいね!やツイート、Pin、+1など)はランキングにどんなふうに影響するか。
A: 依然として実験中の分野。主要なランキング要因にはなっていない。多くの場合リンクとして認識しリンクとして扱うことはできるが、リンクの代わりにソーシャルメトリックとして直接利用することは難しいこともある。
【鈴木コメント】通常のリンクと同じように扱うことはやっているようです。でも、リンクとしてではなく“ソーシャルシグナル”としてランキング要因にする方法はまだ確立できていないとのことでした。
ただ、「使っていない」とは言っておらず「使うのが難しいこともある」と言っていたので、ソーシャルシグナルをランキング要因としてまったく使っていないわけでもなさそうです。とはいえ、メインの要因にもなっていないのは確かなことだと思われます。
以上です。
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