[対象: 中級]
Google検索のCTR(クリック率)を調査したデータをまとめたレポートを、CATALYSTが公開しました。
この記事では、このCTR調査レポートのなかから主だったデータを紹介します。
調査方法
- 対象キーワード: 17,500個
- 対象サイト: 59サイト
- 対象期間: 2012年10月〜2013年6月
- 利用したデータ: Googleウェブマスターツールの検索クエリ
調査方法の詳細はレポートを参照してください。
検索結果10位のCTR
下の表は、検索結果1位〜10位まで、言い換えると検索結果1ページ目のCTRを表しています。
上の表のデータをグラフ化したものです。
1位のCTRは17.16%です。
やっぱり1位はダントツで高いですね。
上位の4位で全体の83%を占めています。
Above the foldに表示されることが重要だとCATALYSTは述べています。
48%のユーザーが、1ページ目に表示されたオーガニック検索結果のどれかをクリックしています。
言い方を変えると、52%のユーザーはオーガニック検索のどれもクリックしていません。
CATALYSTは、クリックしないユーザーは以下の行動を取ったと推測しています。
- 広告(AdWords)をクリックした
- 検索しなおした
- 検索結果を見ただけで満足した
- 2ページ目に移動した
- 検索をやめた
今の検索結果の表示形態は多種多様です。
CATALYSTは触れていませんが、、ナレッジグラフや、画像や動画のようなユニバーサル検索、ビジネスリスティングなどをクリックするユーザーもいることでしょう。
これらのクリックもオーガニック検索のクリックを奪います。
3,4,5位のCTRが上がった?
CATALYSTはSlingshotが2011年に調査した検索検索のCTRデータと自分たちのデータを比較しています。
3,4,5位のCTRが上がって、それ以外は下がったことにCATALYSTは注目しています。
でも僕が思うに、調査方法がまったく異なるので比較するには無理があるのではないでしょうか(調査方法の違いはレポートを参照)。
むしろ調査方法が異なっていてもかなり似たグラフを描いていることに注目したいくらいです。
クエリの種類を無視したときの、検索結果のCTRの平均値はだいたいこのくらいなんですかね。
モバイルのCTRは低い、広告が原因か
CATALYSTは、デスクトップ(PC)とモバイルのCTRを比較しています。
モバイルでは、ほぼすべての順位のCTRがデスクトップのCTRよりも低くなっています。
検索結果1位も例外ではありません。
スマートフォンのディスプレイでは広告の占める割合がより広いためと考えられます。
上のキャプチャの上位2つはAdWords広告です。
3つ目がオーガニック1位です。
オーガニック2位はページタイトルがかろうじて見えています。
モバイル検索で広告が表示されるクエリにおいては、1位の獲得がより重要になってきそうです。
それでも広告にクリックを奪われてしまうかもしれません。
ロングテールキーワードのCTRは高い
下は1語〜4語から成るクエリのCTRを比較したグラフです。
少し見づらいのですが(詳細な数値はレポートを参照)、まず水色で示される1語のクエリから見てみましょう。
2位以降のCTRはガクンと落ちていて、6位以下は1%未満です。
理由は2つ考えられます。
- 1語のクエリはナビゲーショナルクエリが多いので、ユーザーが探しているページが1位に出てくる。
- 1語のクエリは曖昧で、幅広い結果が返ってくることが多いので求めていた検索結果が見つからず、ユーザーが検索し直す。つまりどれもクリックしない。
次に茶色の線で示される4語のクエリを見てみましょう。
順位が下がるほどCTRが下がるのは同じですが、下がり具合が緩やかです。
レポートに出ている表を参照すると、4位が6.38%、5位が4.11%です
一般的に、語数が多いクエリはロングテールキーワードであることも多いと言えます。
ロングテールキーワードのCTRは順位が下になっても落ちづらいというのは、Optifyの調査データとも合致しています。
クエリの種類によってもCTRは変わる
CATALYSTはほかにも、ブランドクエリ・非ブランドクエリやInformational(情報収集型)クエリ、Navigational(案内型)クエリで分類した検索結果のCTRも分析しています。
それぞれに固有の特徴が見られます。
冒頭で示した「検索結果1位のCTRは17.16%」というのは、全体的な平均値になります。
クエリの種類や広告の出方、ナレッジグラフ、ビジネスリスティング、ユニバーサル検索などによってもユーザーのクリックは影響を受けるでしょう。
ランキングが1位だったときのクリック率はどれも17%だということではなく、あくまでも1つの参考値としてとらえておきたいものです。