「アンカーテキストはバラエティをもたせる」という昨日エントリした記事には、コメントやTwitterを見ると「そのとおりだ」として賛成する声、「単一のキーワードのほうが効果がある」として異論を唱えるの両方がありました。
100本のリンク中90本が同一のアンカーテキストの場合と、1,000本のリンク中90本が同一のアンカーテキストの場合では、同じ90本でも検索エンジンの見方は変わってくるでしょう。
同一アンカーテキストの全体に占めるの割合の9割を、サイトタイトルの「英会話のBAON」が占めていた場合と一般用語の「英会話」が9占めていた場合では、検索エンジンの見方も変わってくるかもしれません。
キーワードの難易度やリンクの総数などにも影響を受けるでしょうから、調整しながら自分の感覚でやっていくのがいいと思います。
さて、今日はアンカーテキストにとって代わる「リンクのキーワード効果を増す」要素についてです。
それは次の2つです。
- リンクの前後にあるテキスト
- alt属性
WebmasterWorldで投稿のあった「(上の)2つの要素はプラスに作用するか」という質問に対して、フォーラム管理者のtedsterは次のように回答しています。
Yes, in my experience, both have some value. Alt attributes for a linked image are even pretty good. The on-page context of a link is a bit of a lightweight, but can still help.
“自分の経験からするとどちらもいくらかの価値がある。リンクが貼られた画像のalt属性はかなりいいね。リンクの前後のテキストは多少だけれど手助けになりそうだ。”
ベテランメンバーのWhiteyは続けて次のようにコメントしました。
Definitely. Tried and tested.
“間違いなく効果がある。試して実験してみた。”
多少でもSEOをかじっているならどちらも目新しい情報ではないかもしれません。
特に画像リンクのalt属性はがアンカーテキスト代わりになるというのは基本中の基本ですね。
もっとも「リンクは画像よりもテキストで」というのが通説です。
ただ最近はそうでもないようなのです。
海外のフォーラムやブログ記事を読んでいると、alt属性はテキストとさほど変わらない効力を持っているという見解を多く目にするようになりました。
テキストでのリンクが推奨されることに変わりはありませんが、alt属性は僕たちが思っている以上にリンクのキーワード効果を果たしているようです。
サイトのデザイン上 画像でリンクしたいことも多いはずです。
人間のユーザーを相手にしたときにテキストよりも画像のほうが適切な場合がありますよね。
でもユーザビリティよりもSEOを優先して、現状ではテキストにしてしまっているかもしれません。
しかしalt属性がテキストとさほど変わらないなら、画像リンクにしたいものです。
特に気をつけたいのが “text-indent: -9999px”のようにしてテキストを画面の外に吹っ飛ばすテクニックを使った画像置き換えです。
SEOを意識して、画像の内容と関係のないキーワードをテキストに入れておくとペナルティを受けることがあります。
画面外に出したテキストと置き換えた画像がまったく同じ内容を表すものであれば、ペナルティを受けることはありません(少なくとも僕の知る限りでは)。
ただペナルティを受けないとしても、ユーザーからテキストを見えなくしていると「隠しテキスト」である事実に変わりはありません。
“text-indent: -9999px”の画像置き換えが、即座にペナルティ判定に繋がるわけではありませんが、「要チェック」としてマークされる可能性が高くなります。
GoogleのMaile Ohye(マイリー・オーイェ)さんは、「画像置き換えを使うことは不正利用の意図がまったくないとしても避けたほうがよく、alt属性をアンカーテキスト代わりにしたほうがいい」と彼女のパーソナルブログで伝えています。
6月に参加した米シアトルでのSMXでも、セッション中のQ&Aタイムにマイリーさんは同じことを言っていました。
今画像置き換えを使っていて問題がないのならば、そのままにしておいてもいいでしょう。
ですが、今後 新しいサイトを構築するときには万が一を考えて画像置き換えを使わないことを僕は推奨します。
Yahoo! JAPANが検索エンジンにGoogleを採用することが決まったこともあるので、無用な危険は犯したくないというのも後押しする理由です。
そしてリンクのキーワード効果はアンカーテキストではなくalt属性に任せます。
alt属性がアンカーテキストに劣らないなら、ユーザービリティを優先してもSEOに支障はないでしょう。