[対象: 上級]
高品質なサイトやページに求められる条件として「E-A-T」が、メジャーバージョンアップしたGoogleの検索品質ガイドラインに新たに加わったことを先週伝えました。
この記事では、高品質なページに求められる E-A-T 以外の条件、そしてそのなかでも最高品質のページに求められる3つの条件について解説します。
高品質なページに求められる条件
高品質なページに求められる条件として、品質評価ガイドラインの最新版は次の7項目を挙げています。
- 満足感を与える量のメインコンテンツ
- 高いレベルの専門性・権威性・信頼性 (E-A-T)
- 良い評判
- 役立つ補助コンテンツ
- 実用的なページデザイン
- 満足がいく量のウェブサイトの情報
- 手入れがよく行き届き、きちんと維持されているウェブサイト
順に説明します。
満足感を与える量のメインコンテンツ
メインコンテンツとは、そのページの目的となるコンテンツです。
テキストだったり画像だったり動画だったり、計算機の機能だったりゲームだったり形態はさまざまです。
ユーザーが投稿した動画やレビュー、記事がメインコンテンツになっていることもあります。
ニュースサイトであれば記事になるし、ECサイトであれば商品説明や値段、「カートに入れる」ボタンなどになります。
YouTubeであれば動画です。
量が多ければいいということではありません。
ユーザーを満足させるのに必要なメインコンテンツの量は扱うトピックに依存します。
幅広いトピックを扱っているなら情報量は多くなるだろうし、限られた範囲のトピックを扱っているなら情報量は少なくなります。
たとえば、この記事は品質評価ガイドラインの「高品質なページに必要な要素」の部分だけを取り上げています。
もし、160ページある品質評価ガイドラインのすべてを詳細に解説するなら、文字数はもっとずっと多くなるでしょう。
しかし文字数が少なかったとしても、「この記事は高品質だ」とあなたを満足させることは可能です(満足してもらえるように頑張って書いてます!)。
高いレベルの専門性・権威性・信頼性 (E-A-T)
E-A-Tは前の記事で説明したとおりです。
良い評判
評判 (reputation) は、実際のユーザーがどう評価しているか、またそのサイトのトピックにおける専門家がどういう意見を持っているかです。
レビューや参照としての言及、専門家による推薦、ニュース記事などで評判を調べることができます。
良い評判がなくても質が高いことはありえますが、悪い評判があるのに質が高いということはありえません。
役立つ補助コンテンツ
補助コンテンツとは、そのページの目的には直接関与しないけれどユーザー体験を高めることに役立つコンテンツです。
代表的なのはナビゲーションメニューです。
他にはフッターや、関連記事、おすすめ商品やユーザーレビューなどがあります。
役立つ補助コンテンツはとりわけそのページのコンテンツや目的を対象にしています。
たとえばショッピングサイトの役立つコンテンツは、そのページの製品と同じ種類の人気がある他のメーカーやモデルの紹介かもしれません。
機能的なページデザイン
高品質なページは目的を達成するために上手にデザインされています。
適切に機能するページには次のような特徴があります。
- メインコンテンツがはっきりとわかるように中央に表示されている
- ページを開いたときすぐにメインコンテンツが見える
- メインコンテンツが本当にどれなのかが明確である ーー ページのデザインや構成、スペースの使い方、またフォントの選択やフォントのサイズ、背景などもメインコンテンツをはっきりとさせるべき
- 広告と補助コンテンツが、メインコンテンツから気を逸らすように配置されていない ーー 広告と補助コンテンツはユーザーが求めているからそこにあるのであって、興味がなければ簡単に無視できるようにするべき
- ラベルまたはページの構成やデザインによって、ページのどの部分が広告なのかが明確になっている
なお“格好良く見える”かどうかはここでは重要ではありません。
目的を達成するために機能しているかどうかが問題です。
満足がいく十分な量のウェブサイトの情報
一般的に、ウェブサイトには次の情報が含まれています。
- 紹介(会社案内や自己紹介)の情報
- 問い合わせやカスタマーサービスの情報
- そのサイトのコンテンツと保守の責任者の情報
特にYMYLのサイトでは、質が高いこれらの情報が求められます。
手入れがよく行き届き、きちんと維持されているウェブサイト
質が高い大規模ニュースサイトは1日に何記事も投稿されるように更新が頻繁です。
質が高い医学的サイトは常に最新の情報を保っています。
一方でスモールビジネス向けのサイトはこうしたサイトほど更新頻度が高くないかもしれません。
更新頻度はそのサイトの目的に依存するものの、すべての高品質サイトは手入れがよく行き届ききちんと維持されており、適切に更新されています。
最高品質のページに求められる条件
ここまで紹介した7項目は「高品質」なページに求められる条件です。
非常に品質が高い、「最高品質」のページの評価を得るには特に、そのなかの3つが重要になります。
次の3項目が最高品質のページに求められる条件です。
- 非常に高品質なメインコンテンツ
- 非常にレベルが高いE-A-T
- 非常に良い評判
非常に高品質なメインコンテンツ
多大な時間と労力、そして特に、高度な専門知識と才能、スキルとともに作られているときは、そのページのメインコンテンツの品質が非常に高いまたは最高だとみなすことができます。
非常に高品質なメインコンテンツは、専門家や愛好家、あるいは日常生活に関する専門家によって作られていることもあります。
そのページとコンテンツの目的によって判断基準は変わってきます。
満足のいく量、つまり内容をしっかりと理解できる包括的な量のメインコンテンツがあるときに、最高品質を与えることができます。
非常にレベルが高いE-A-T
最高品質のページは、非常にレベルが高い専門性と高い権威性、高い信頼性を備えています。
医学的なことやお金に関すること、法律に関することのようなトピックに対しては正式な専門知識が重要です。
一方でレシピやユーモアのようなトピックに対しては、専門知識はそこまで正式なものでなくても構わないかもしれません。
最高品質かどうかを判断するには次のことを考えることが重要です。
- そのページに対する専門性・権威性・信頼性はどういったものであるか
- そのトピックの専門家は誰か
- 信頼性がある情報源にさせているのは何か
- そのウェブサイトをそのトピックに対する権威にさせているのは何か
非常に良い評判
最高品質の評価を与えるには評判がどうであるかが重要です。
有名な賞やそのサイトのトピックに関する著名な専門家や専門団体の推薦に、非常に良い評判が基づくこともあります。
レシピやユーモアのようにそこまで専門的知識が求められないトピックに対しては、人気度やユーザーとの関わり具合、ユーザーからのレビューを評判を判断する証拠にできます。
ガイドラインは最高品質になるための指針
前回の記事に対するTwitterやはてブでのコメントを見ていると品質評価について少し勘違いしている人がいるようです。
ガイドラインに基づいた品質評価は、Googleが思い描くように検索結果ができあがっているかどうかを外部契約した評価者に(ガイドラインに沿って)評価してもらうことが目的です。
評価が低かったからといって手動で順位を下げたり、逆に品質が高いのに順位が低いページの順位を特別に上げたりすることはありません。
そうではなく、評価者たちからのフィードバックをアルゴリズムの改良・改善に役立てるのです。
現在のランキングに直接影響するものではありません。
しかし、品質評価ガイドラインを読み解くことはGoogleがどういったサイトを評価したいのか、言い換えればどんなページを上位表示させたいのかを知る大きな手がかりになります。
「Googleが上位表示させたいサイト」は、取りも直さず「検索ユーザーが求めているサイト」です。
この記事で紹介した、「高品質なページに求められる7つの条件」そして「最高品質のページに求められる3つの条件」を満たしたサイト・ページは、あなたが検索ユーザーだったときにきっと「ありがたい、役に立った、知り合いに紹介したい、ソーシャルで共有したい」と感じるサイト・ページでしょう。
検索ユーザーに支持されるために、ガイドラインが定義する高品質なページに求められる条件を1つの指針としてSEOに取り組んでいきましょう。
P.S.
検索品質評価ガイドラインのv5.0はScribdで公開されています(もちろんGoogleからしてみたら公式ではなく流出)。
ダウンロードは有料ですがウェブでの閲覧は無料でできます。