サイドバーやフッターなどテンプレートに組み込んで どのページにも貼ったリンク(ROSリンク、Run Of Siteリンク)や同じサイトからいくつも繰り返し張ったリンクは、数としては多くてもその数に応じた評価を得られないと考えられます。
たとえばサイトバーにトップページへの内部リンクを設置していてサイトの総ページ数が100ページあった場合、100本分のリンクの価値があるかと言ったら、そんなことはなさそうです。
またあるページから10本のリンクを同じページへ向けて張ったからと言って、1本リンクを張った時の10倍の価値を与えることができるかと言ったら、そんなこともなさそうです。
体験的にこのように感じているサイト管理者が多いはずですが、つい最近Googleが取得した特許にこれに関すると思われる技術が説明されています。
SEO by the SeaのBill Slawski(ビル・スロースキ)氏が解きほぐして解説しているので要点をまとめます。
この特許によると、Googleは関係性が認められたページからのリンクには一定の上限値を設けていてそれ以上の評価を与えず、反対に関係性のない独立したページからのリンクにはプラスの評価を与えるようです。
「関係性」というのはテーマやトピックの関連性ではなく、ページの作成者や携わる管理者の関係性です。
早い話が「持ち主が同じかどうか」です。
サイドバーやフッターのリンクは同じサイトからのリンクですよね。
つまり、持ち主は同じあなたです。
同様に同一管理者または関係者によって構築されたと思われるサイトからのリンクは、無関係なサイトから張られたリンクと比べると評価に差が出てくることがあるかもしれないのです。
特許が触れている「関係性」を判断するのにGoogleが用いる方法は次のとおりです。
- 互いのリンク状態:Googleはウェブ上の全ページのリンクの繋がり関係を見て、サイトやページが密接にリンクし合っていれば関係性が高いかもしれないと推測します。
- トラフィックのパターン:同一の検索や同一のセッションで多くのユーザーが訪問するサイトやページは関係性が高いかもしれないと推測します。
- ホスト名の類似性:ドメイン名やサブドメイン名が同じ時は関係性が高いかもしれないと推測します。
- IPアドレス:クラスB・クラスCが同じだと関係性が高いかもしれないと推測します。
これらの条件に当てはまり、関係性が高い、同じ管理者によるページだと判断された場合は、いくらたくさんのリンクを得ていたとしても評価が頭打ちになるかもしれません。
特許なので今のアルゴリズムに実装されている保証はありません。
ですが、ROSリンクの評価が低かったり、同じサイトからリンクを何本も張っても倍々で効果を感じられるかと言ったらそうではなさそうだということから考えると、この特許で触れられている仕組みのいくらかは採用されている可能性が高そうです。
ビル・スロースキ氏は、Googleが同年同月に申請した“Reasonable Surfer”(リーズナブル・サーファー)理論も引き合いに出し、リンクが持つ特徴やリンクの現れる場所、張られているページなどによって、Googleはリンクの評価を変化させるようだと締めくくっています。
【P.S.】
Googleはどんどん賢くなっていきます。
自作自演中心でリンク構築していると、カモフラージュのためのドメイン取得・サーバー分散などに管理とお金のコストがますますかかりそうですね。
自分自身の手でリンクを構築することは必要だし(必要悪?)、中身さえ伴っていればまったく問題ないと思います。
でもリンクを張るためだけのまさしく「自作自演」リンクに費やす労力とお金を、何割かでいいので自然にリンクが集まるような施策に回すと、長い目で見てSEOに成功すると感じます。