今日は「ロングテール」キーワードをターゲットにしたSEOについて、考えてみたいと思います。
まず、このエントリで用いる「ロングテール」という用語を定義しておきます。
最近は、ロングテールというと「複合キーワード」、もっと言えば「キーワードの数が多い、長いキーワード」として使われる傾向にあるように思えます。
しかし、もともとの意味は違いますね。
「数が非常に少ない、しかし種類が非常に多い」データの分布を表します。
上のグラフの赤の楕円で囲まれた部分です。
恐竜のシッポに見立てて、長いシッポ、Longtailと表現されます。
グラフがキーワードの種類と検索数だったとすると、月に数件しかないようなニッチなキーワードでの検索が延々と続くことになります。
ロングテールに関しては、梅田望夫さんの『ウェブ進化論』が分かりやすいんじゃないでしょうか。
ここでは、もう一歩踏み込んで、ロングテールキーワードをインテンションが明確なキーワードしての条件も付け加えます。
どういうことかというと、購入意欲の高いキーワードして定義します。
「購入意欲が高い(インテンションが明確)」は、「コンバージョン率が高い(成約に結びつきやすい)」ととらえてください。
たとえば、「ハワイ旅行」と「家族ハワイ旅行 3泊4日 格安 大阪発」を比較した場合、後者のほうが断然コンバージョンしやすいでしょう。
しかし、「家族ハワイ旅行 3泊4日 格安 大阪発」で検索するユーザーはいったい何人いるでしょうか?
この例のロングテールキーワードは、見た目にも長いので分かりやすいですね。
では、「カリマンタン島旅行」はどうでしょう。
キーワードの長さとしては短いですが、検索数は少ないものの意欲は高いはずです。(実際に調べたわけではありませんが、伝えようとするイメージはわきますよね。旅行初心者が「カリマンタン島旅行」で検索すると思えません。行きたいという強い目的意識を持って、「カリマンタン島旅行」と検索していると想像できます。)
さて、前置きが長くなりました。
それでは、ロングテールキーワードを狙ったSEOの本題に移ります。
確認します。
ロングテールキーワードとは、「検索数が極めて少ない、しかしコンバージョン率の高い」キーワードです(もう1つ付け加えるならば、競合のいないキーワードが最高です)。
ロングテールキーワードをターゲットにする場合、それぞれのロングテールキーワードで新たにページを作るのはおススメしません。
なぜかというと、月に3,4件のアクセスしかないかもしれないようなキーワードのために、いちいちページを作っていたのでは割に合わないからです。
定義したようにロングテールキーワードは、その数が膨大です。
月に3,4件のキーワードのために1,000ページを追加できますか?
もちろん、やれるならやっても構いません。
ですが、コストパフォーマンスが悪すぎます。
時給数十円、あるいは数円の世界の話になるかもしれません。
ではどうするかというと、既存のページにロングテールキーワードを追加します。
ただし無理やり付け加えるのではなく、意味が通るように、コンテンツとして充実するようにロングテールキーワードを使うことが重要です。
もう1つコツががあります。
ロングテールは競合が少ない場合が多いので、キーワードの存在だけの内部SEOでも、十分に検索に引っかかりやすいのですが、確実に上位に出すにはやはりリンク(アンカーテキスト)も重要です。
どこからリンクを張るかですが、これも外部サイトからリンクしても構わないのですが、内部リンクで十分です。
何本ものバックリンクを集めなくても、数本、キーワードによっては1本の内部リンクで事足りるでしょう。
まとめます。
- SEOで狙うべきロングテールキーワードとは、検索ボリュームは小さいもののコンバージョン率が高いキーワードのこと。
- ロングテールキーワードは、新しくページを作るよりも、すでに存在しているページにコンテンツとして追加するほうが効率がよい。
- リンクは数本の内部リンクで十分。ただしアンカーテキストを意識することを忘れない。
ロングテールキーワードの探し方、追加するべきページ、内部リンクをどのページから張るか、という課題がありますが、これはまた別の機会に譲ります。
宿題にするので考えてみてください。w
P.S.
ここでは、商用サイトでのロングテールキーワード戦略について書きました。
ただたんにアクセス数を伸ばしたいだけなら、コンバージョンを考えることもなく、LSIを意識しつつ、関連キーワードをふんだんに使いながら記事の量を増やしてください。
SEO対策の薬箱の藤井さんが書いた『スモールキーワードを意識した文章はこう書く』が、参考になります。
僕のこのブログは、「お金を得る」ということを目的として運営していません。
少しでも多くのSEOに興味のあるウェブマスターに情報を発信して、願わくは露出を増やしたいという方針で更新しています。
ですから、純粋にアクセスを伸すためにコンテンツを増やしています。
ま、記事を読み終わった後にアレがポチッとクリックされたら、お小遣いが入りますが。(笑)
話を戻して、
しかし、商用サイトはアクセスがあったところで、売り上げや申し込みなど成果に結びつかなければ意味がありません。
あるいはその場ですぐにコンバートしないとしても、リストを取らなければなりません。
一見さんで終わらせてはいけないのです。
「SEOが成功して、アクセスが倍増した!」
「で、売り上げ(利益)は上がったの?」
「変化ありません」
何のためのSEOやら、ということになってしまいます。
検索順位だけを指標にするSEO業者さんとお付き合いしないほうがいいのは言うまでもありませんが、アクセスの増加で止まっているSEO業者さんも、もう一息です。
最終的な売り上げアップまで視野に入れてくれるSEOコンサルタントに支援してもらいましょう。
あるいは最終的な売り上げアップまでを視野に入れた、SEOを実行しましょう。