今回は、サーチエンジン、そして検索者をだます不正なSEO、いわゆるBlack Hat SEOのひとつ、クローキング(Cloaking)について解説します。
クローキングでは、サーチエンジンのクローラ(スパイダー)と人間のユーザーに、それぞれ別のウェブページを準備します。
クローラには検索結果の上位表示に最適化されたページを見せて、とにかくアクセスを集めることを目的とする悪どいSEOに利用されるケースがあります。
イメージ図を使って、もう少し詳しく仕組みを説明しましょう。
- ボット(クローラ、スパイダー)向けと人間のビジター向けの2種類のウェブページを作成する。ボットかどうかは、IPアドレスで識別される。
- ボットのIPアドレスが変更されるときがあるので、ブラックハット向けにボットのIPアドレスの更新情報が提供されている。
- ボットはターゲットのキーワードがふんだんに盛り込まれ、SEOに最適化されたページを見せられる。結果としてボットは、不正に仕組まれた情報でそのページを上位表示してしまう。
- 人間のユーザーは、ボットとは別のページを見せられるので、上位表示されているにもかかわらず、求めていた情報が見つけられないことがある。
検索結果で上位表示されたウェブページを訪問してみたら、ほとんど役に立たない、最悪の場合は全然関係ないコンテンツばかりだった、なんていう経験はありませんか?
そのサイトは、ひょっとしたら「クローキング」を使っているのかもしれませんね。
ちなみに、イラストの解説では「IPアドレス」でクローラを識別しています。
Black Hat SEOでは、「IP Delivery(IPデリバリー)」と呼ばれる手法です。
他には、User-Agent(ユーザーエージェント)で識別する、「Agent Name Delivery(エージェント ネーム デリバリー)」という手法もあります。