非常に巧みな、ある意味ずる賢い方法を用いて、超メジャーキーワードでGoogleでトップ表示を獲得しているサイトがあります。
「payday loans(日本でいう、“即日キャッシング”のようなもの)」というキーワードで1位に表示される、www.idealpaydayloans.comというサイトです。
※上の2つのサイトは、アドワーズ広告
トピック元は、SEARCH ENGINE JOURNALの「Google Loves Transparent Links & Hit Counter Spam」というタイトルのポストです。
このポストの中で、投稿者のLoren Baker氏は、IdealPaydayLoans.comが、どのようにしてトップ表示を獲得しているかのトリックを暴きました。
要約を書きます。
まず、IdealPaydayLoans.comがトップ表示されていることに、いくつか不可解な点があります。
- 「payday loans」というキーワードが、繰り返しタイトルに詰め込まれている(スパムに近い)
- サイトエイジ(サイトの年齢)が1年(他のサイトはもっと古い)
- 8ページしかインデックスされていない
- たいしたことのないサイトだが、4,000ものバックリンクを得ている
トップ表示のいちばん大きく貢献しているのは、4,000という大量の数のバックリンクでしょう。
これらのバックリンクは、多種多様なサイトから張られています。
特別に優れたサイトでもないのに、なぜこれだけの数のバックリンクを獲得できているのでしょうか?
その秘密は、Hit Counter(アクセスカウンター)にありました。
HitcounterMaster.comというサイトが無料で配布しているアクセスカウンターのソースに、「Payday Loan」というアンカーテキストでIdealPaydayLoans.comへのリンクが、こっそりと忍び込ませてあったのです。
無料でアクセスカウンターを設置できるということで、多くのウェブサイト管理者が自分のサイトに設置します。
すると、設置したサイトから、IdealPaydayLoans.comへバックリンクが張られます。
このようにして、アクセスカウンターの利用者が増えれば増えるほど、自動的にdealPaydayLoans.comへのバックリンクも増えるという仕組みになっていたのです。
HitcounterMaster.comは、Q&Aの中で、スポンサー企業のリンクが自動的に挿入されることに言及していますが、ほとんどの利用者は認識していません。
知らぬ間に、他人のサイトへリンクを貼っているわけです。
HitcounterMaster.comは、利用者には無料でアクセスカウンター ツールを提供しますが、スポンサーには有償でサイトへのリンクをアクセスカウンターの中に挿入します。
つまり、HitcounterMaster.com はスポンサーから利益を得るわけです。
スポンサーはお金を支払いますが、メジャーキーワードでトップ表示できます
したがって、上位表示により集めたアクセスから支払った以上の利益を得るわけです。
とても巧妙に練れられた戦略ですね。
これを遠くの国、SEOの発達したアメリカの話として、終わらせてはいけません。
なぜなら、あなたの利用しているアクセス解析ツールにも、同じ仕組みが採用されている場合があるからです。
アクセス解析ツールのコードに、「noscript」というタグがあったら要注意です。
その中に、スポンサーサイトへのリンクが、こっそり忍ばされています。
※クローラは通常、「script」タグで囲まれたコードは解釈できないが、「noscript」タグで囲まれた部分だけは読むことができる。
これは、HitcounterMaster.comと同じ仕組みです。
「こんな高機能なアクセス解析ツールを無料で使わせてくれるとは、なんて親切なんだろう」と喜んでばかり入られませんよ。
あなたのサイトは、気付かずに他の人のサイトへバックリンクを提供しているのですから。
おそらく規約に書いてあるはずですから、しっかり確認して了承したうえで利用しましょう。
(反対に、スポンサーとしてリンクを忍ばせてもらうという手もありますが(爆))
Loren Baker氏は、最後にこのように締めくくっています。
「Googleをはじめとしたサーチエンジンが、このような非倫理的な手法にだまされているのは驚きで、早急にアルゴリズムを修整し対応すべきだ。」