[レベル: 中級]
ページの読み込み速度に関係するデータを計測するツールを Google は新たに2つ公開しました。
1つは Speed Scorecard(スピード スコアカード)、もう1つは Impact Calculator(インパクト カリキュレータ)です。
どちらも同じページで利用できます。
Speed Scorecard
Speed Scorecard は他のサイトとのスピードを比較できるツールです(1つのサイトの計測ももちろん可能)。
日本を含む12か国でのスピードと、3G/4G を選択して計測できます。
Amazon と楽天市場、メルカリのスピードを比べてみました。
右上にあるオプションで国と 3G/4G を選択できます。
スピードはリアルタイムの計測ではありません。
Chrome User Experience Report のデータに基づいています。
実際の Chrome ユーザーが体験している速度が用いられています。
新バージョンの PageSpeed Insights でも Chrome User Experience Report が使われていましたね。
Impact Calculator
Impact Calculator は読み込み速度の改善が収益にどのくらいの影響を与えるかをシミュレーションするツールです。
以下の情報を入力します。
- Domain: 計測対象のサイトのドメイン名(URL をそのまま入れて OK)
- Current Speed: 現在の読み込み速度
- Average Monthly Visitor: 平均月間訪問ユーザー数
- Average Order Value: 平均注文額
- Conversion Rate: コンバージョン率
Domain と Current Speed は Speed Scorecard でスピード計測すると自動的に入力されます。
スピード改善が Amazon に与える影響をシミュレーションしてみました。
Amazon によれば、月間ユーザーは 4,920 万人(PCからは月間1,624万人、モバイル端末からは月間3,296万人)だそうです。
平均注文額はわからないので、とりあえず送料が無料になる 2,000 円をドル換算して $18.7 にします。
コンバージョン率は、EC サイトでは一般的と言われている 1% を入れます。
Speed Scorecard によれば、Amazon の現在のスピードは 1.6 秒でした。
0.2 秒縮めて 1.4 秒にしてみると、
714,259ドル、日本円に換算して約7,640万円の売上アップが見込めるそうです。
【UPDATE】記事公開当初、コンバージョン率を 1% ではなく 0.1% に設定してシミュレーションしていたので修正しました。
数値はともかくとして、ここで伝えたいのは、スピード改善するとどのくらい収益が上がるのかを Impact Calculator でシミュレーションできることです。
あなたのサイトの実際のデータを当てはめて調べてください。
競合との比較には Speed Scorecard を、そしてスピード改善が収益に与えるインパクトには Impact Calculator を、2つの新しいツールをさっそく試してみてください。