パンダ・アップデートは、質の低いサイトが検索結果に出ないようにすると同時に、質の高いサイトを高評価することを目指しています。
パンダ・アップデートを開発する際にウェブページや記事の質を判断するために利用した質問の具体例を23個、米GoogleのWebmaster Central Blogが公開しました。
パンダ・アップデートが高品質だと評価するサイトを作成するためのヒントになるので、すべてを日本語に訳します。
※日本語として意味が分かりやすいような訳を試みていますが、専門職ではないので原文の微妙なニュアンスを表現できていないかもしれません。気付いた点があればご指摘ください。
※3〜4項目ごとに行間を開けています。意味の句切れではなく読みやすさを考慮してです。
高品質なサイトかどうかを判断する質問
- この記事で示されている情報を信用するか。
- この記事は、そのトピックについてよく知っている専門家や熱心な人によって書かれているか。それとも実際はもっと浅はかなものか。
- キーワードのバリエーションを少しだけ変えて、同じまたは似たようなトピックについて書かかれた、重複したり被っていたり冗長だったりする記事がそのサイトに存在しないか。
- このサイトにクレジットカードの情報を教えても心配ないか。
- 綴りや文法、事実に関する間違いがこの記事にはないか。
- トピックはサイトの読者の純粋な興味に突き動かされて書かれたものか。それとも検索エンジンで上位表示するものを解きあてようとして作り上げたコンテンツではないか。
- オリジナルのコンテンツや情報、オリジナルのレポート、オリジナルの調査、オリジナルの分析を記事が提供しているか。
- 検索結果に出た他のページと比較したとき、そのページは十分な価値を提供しているか。
- コンテンツについてどのくらい品質管理ができているか。
- 話題について両方の側面から説明しているか(鈴木注:良い面・悪い面、賛否のことだと思います)。
- トピックに対する権威としてサイトが認知されているか。
- コンテンツが、多数の作成者によって大量生産されていたり外注されていたり、大規模なネットワークのサイトに展開されていたりして、結果的に個々のページやサイトに注意や手入れがあまり行き届かなくなっていないか。
- 記事は丁寧に編集されていたか。それとも雑で、にわか作りみたいになっていないか。
- 健康に関する検索だった場合、そのサイトからの情報を信用するか。
- 名前だけを聞いたとき、権威のある情報筋としてそのサイトを認識できるか。
- トピックについて完全または総合的な解説を記事が提供しているか。
- 当たり前のことではない、洞察力のある分析や興味をひく情報が記事に含まれているか。
- ブックマークしたり友だちとシェアしたり勧めたりしたくなるような類のページか。
- メインコンテンツから気を散らせたり、メインコンテンツをジャマしたりするくらいの行き過ぎた量の広告が記事にないか。
- 印刷された雑誌や百科事典、書籍でもその記事を見てみたいと思うか。
- 記事は、短かったり実質的な中身がなかったりしないか。そうでないとしても役立つ詳細さに欠けていないか。
- 細かな部分まで配慮し詳細まで注意関心を払ってページが作られているか。それとも詳細にはそれほど関心を払われていないか。
- そのサイトのページを見たときユーザーは文句を言うだろうか。
これらの23個の質問を、パンダ・アップデートに「低品質」ではなく「高品質」として評価されるコンテンツを作成するための参考にしましょう。
アルゴリズムを追いかけない
とはいえ、23個の質問は抽象的なものがほとんどです。
パンダ・アップデートのアルゴリズムがどこをどう見てこれらの質問に対する答えを判定しているのかを知りたくなりますね。
でももしあなたがSEOを本業にしているのではなく、“一般のサイト管理者としてサイトのアクセスアップや収益アップのためにSEOを施策している”のであれば、パンダ・アップデートのアルゴリズムの分析や情報収集はほどほどにしておくことをおすすめします。
Googleがパンダ・アップデートのアルゴリズムを書くときに使ったという、上で訳した質問をもう1度眺めてください。
とても当たり前のことが問われていませんか?
パンダ・アップデートであろうがなかろうが、当然のことばかりです。
パンダ・アップデートしか頭の中になくて、パンダ・アップデートのためだけに場当たり的に対処したとすると、今度は次の別のアルゴリズム更新でまた新たな別の問題にぶつかって、また場当たり的な対処に迫られます。
その場しのぎのSEOと言えます。
小手先のテクニックだけに頼るSEOは疲れますよね。
Googleは今年は500ほどの検索の改良を予定していてパンダ・アップデートはそのうちの1つにしか過ぎないことも、公式ブログの記事は説明しています。
パンダ・アップデートを展開した後もランキングアルゴリズムに対して十数個の変更をすでに加えているそうです。
ランキングの変動がパンダ・アップデートに起因するものではないのにパンダ・アップデートのせいだと勘違いしているサイトもあると指摘しています。
僕が思っているほど「パンダ」で頭がいっぱいの読者さんはそう多くないのかもしれませんが、気になるパンダは上野動物園のパンダだけにしておいて、Googleのパンダに固執するのやめておいたほうがよさそうです。
そうは言っても、パンダ・アップデートのアルゴリズムが見ている個々の要因を解明したい気持ちは僕にももちろんあります。
広告の数と配置や質の低いページへのリンク、質の低いコンテンツの排除のような具体的な施策は実践しやすいですよね(ウケもいいしw)。
なので必要だと感じたら、僕は今後もテクニカルな情報の発信を続けます。
でも、絶対に忘れていけないのは「質の高いコンテンツを作成する」ことです。
アルゴリズム分析に費やす時間と労力を、今回Googleが教えてくれた質問に照らし合わせながら「どうやったら質の高いコンテンツを作れるか」の研究と実践に費やしてください。
質の高いコンテンツがなければ、どんな施策も一過性に終わってしまいます。
質の低いページを上位表示させるのに成功できたとしたら、それはSEOではなく検索エンジンスパムです。
P.S.
公式ブログの記事では、サイト内にある低品質のコンテンツがサイト全体のランキングに悪影響を与える可能性があることも伝えています。
質の低いページは、取り除くか、改善したり統合したりしてもっと役に立つページに変えるか、別のドメインに移動しなさいとのことです。