「インデックスされているアプリコンテンツ数を調べる方法」「iOS版App Indexingはまだ待て」ほか、App Indexing上級者向け情報×4

[レベル: 上級]

App Indexingに関する質問が、9月11日に開催された英語版オフィスアワーではいつもよりもたくさん出ました。

この記事では、それらの質問に対するGoogleのJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏からの回答を紹介し、僕からの補足を交えます。

取り上げるのは次の4つのQ&Aです。

  • インデックスされているアプリコンテンツ数の把握 (11:42)
  • インドでのApp Indexing (30:29)
  • rel=”alternate”タグはPC向けとモバイル向けのどちらに? (40:29)
  • noindexタグが付いたページのApp Indexing (42:16)

インデックスされているアプリコンテンツ数の把握

Q: インデックスされているアプリコンテンツの数を調べることはできるか?

A: 現状では直接調べる方法はない。

Search Consoleの検索アナリティクスが使える。どのページが検索結果に表示されているか固有の数を調べ、そのデータからいくつのページがすでにインデックスされているかの見当をつけるといい。

しかし、通常のウェブサイトと同じようなチャートをSearch Consoleでは現状では利用できない。

ウェブサイトであれば、Search Consoleのサイトマップレポートやインデックスステータスで、インデックスされているページの数を調べることができます。
しかし、アプリコンテンツに関しては同等のレポート機能は提供されていません。
したがってインデックスされているアプリコンテンツの数を調べることはできません。

そこでミューラー氏は検索アナリティクスを利用する代替手段をアドバイスします。
現在、検索アナリティクスはApp Indexingに対応しています。
アプリページが検索結果に表示されたということは、つまりインデックスされている証拠です。
検索結果に表示されたアプリページのユニーク数を調から、インデックスされいるアプリページ数を推測します。

ただしインデックスされていても検索結果に出てこなかったアプリページが存在する可能性があるので、必ずしも正確とはいえませんね。
もっとも検索結果に出なければインデックスされていても意味がないといえばそれまでですが、すべてのアプリコンテンツの設定が正しいかどうかやきちんとクロールされているかどうかを知るにはインデックス状況を正確に把握したいこともあるでしょう。

App Indexing版インデックスステータスの機能をGoogleには提供してほしいものです。

インドでのApp Indexing

Q: iOS向けのApp Indexingはインドでも利用できるか?

A: 私だったら、実装はまだ少し待つかな。iOS 9のリリースともなって開発が続いていることを知っているし、変更があるかもしれない。

インドで利用できないということではないが、もっと効率的な実装方法が出てくるかもしれないから今すぐに飛びつかずに仕様が定まるまで待って、それから実装した方がいいと思う。

iOSに対応したApp Indexingを5月の終わりにGoogleは公開しました。
しかし正式公開ではなく、申請方式になっています。
興味があるアプリ開発者はフォームから申請する必要があります。
仕様に従って実装したとしても必ずしも、iOS版App Indexingがあなたのアプリに適用されるとは限りません。

iOS 9が間もなく登場するということで、実装のための仕様にも変更が加えられているようです。
あなたがよほど先進的でない限りは、正式な仕様が公開されるまではiOS版App Indexingは待ったほうが良さそうです。

rel=”alternate”タグはPC向けとモバイル向けのどちらに?

A: 動的配信でモバイル向けサイトを提供している。このときrel=”alternate”はPC向けページとモバイル向けページの両方に記述する必要があるのか? 片方だけでいいならどちらに記述した方がいいのか?

Q: 一般的に言って、モバイル向けページはrel=”canonical”でPC向けページを指し示している。したがって私たちはPC向けページに焦点を合わせて見る。だから、PC向けページがrel=”alternate”を記述するバージョンになる。

これはですね、ミューラー氏は質問を少し読み違えているように思います。
質問者のサイトは動的配信を採用しています。
動的配信では、PC向けとモバイル向けで同じURLを使うのでrel=”canonical”(と、rel=”alternate”)は使わないですよね。
rel=”canonical”を使うのは、別々のURLで構成する状況です。

それなのにrel=”canonical”の話が出てきています。

別々のURLでPC向けサイトとモバイル向けサイトを構成する状況では、rel=”canonical”によってPC向けサイト(ページ)が優先扱いされます。
なので、(App Indexing用の)rel=”alternate”はPC向けページに記述するとミューラー氏は指示しています。

ただこれもどうなのかなと僕は思います。

PC向けページとモバイル向けページの両方に、(App Indexing用の)rel=”alternate”記述することをミューラー氏は以前にヘルプフォーラムで推奨しています。
その方が多少ですが、適切に速く認識されるからです。
App Indexingの担当チームに確認したとのことでした。

Mariya Moeva(マリヤ・モエヴァ)氏も、同じように両方に記述した方がいいと僕にアドバイスしてくれたことがあります。

もっとも推奨であって必須ではないので、少なくともPC向けページにさえ記述してあれば問題はないということなのでしょう。
が、面倒でなければ両方のページに記述しておくと、より確実なように僕は思います。

さて、動的配信の場合はPC向けページとモバイル向けページのどちらに記述すべきなのでしょうか?
これもおそらく、両方に記述してあるといいけれど、少なくともPC向けページには必ず記述するということになるはずです。
機会を見つけて確認してみます。

noindexタグが付いたページのApp Indexing

Q: noindexとnofollowのrobots meta タグを記述したページをApp Indexingでアプリコンテンツに対応させても問題ないか?

A: 何も起こらない。

App Indexingはウェブページとアプリのコンテンツを対応させる仕組みだ。検索結果に、ウェブページが表示されないのにアプリのコンテンツが表示されるというのは対応がおかしなことになる。ウェブページが検索結果に表示されないならアプリのコンテンツも検索結果には表示されない。

そういうことをしても問題は発生しないが、利点になるようなことも起こらない。

これは質問の意図が不明です。
何をしたいんでしょうね?

とりあえず、noindex meta タグが付いたウェブページをApp Indexingに対応させても検索結果に出てこないことは明らかです。
「ウェブページを表示させずにアプリコンテンツだけを表示させる」というのが質問の意図であれば、それは不可能ということになります。

App Indexingに対応したウェブページがあって、そのページはもちろんのこと対応したアプリコンテンツも検索結果に出したくないというのであれば、noindex.xmlファイルをアプリに設定します。
noindex.xmlファイルは、ウェブページで用いるnoindex robots meta タグに相当し、App Indexingにおいて特定のアプリコンテンツを検索結果に表示させないようにする仕組みです。

もし質問の意図が、一部のアプリコンテンツを検索結果に表示させたくないというのであるならばそれは可能です。

以上です。
App Indexingを実装している、または実装を計画しているアプリ開発者の参考になれば幸いです。