[対象: 全員]
この記事では、5月に参加したAuthority Intensiveのセッションをレポートします。
取り上げるセッションは、“6 Unremarkable Yet Powerful Principles of Building an Online Business”(オンラインビジネスを築き上げるための平凡だけれどパワフルな6つの原則)、スピーカーはDarren Rowse(ダレン・ロウズ)氏です。
Rowse氏は、オーストラリア在住で、世界で最も有名なブロガーの1人です。
また著書の出版やカンファレンスのスピーカーで活躍するほか、いくつものオンラインビジネスを手がけています。
そのなかでもProBloggerは、彼のオンラインビジネスの代表格です。
Rowse氏が初めて立ち上げた、Digital Photography School (dPS)は、当初は写真撮影をテーマにした単純な個人ブログとしてスタートしました。
しかし現在は、250,000人以上のメンバーを持つ巨大コミュニティに成長しています。
Rowse氏は、まさしくコンテンツマーケティングの世界の権威です(もっとも、「コンテンツマーケティング」という言葉が生まれる以前からコンテンツに深く関わってきましたが)。
Rowse氏は、たった1人で始めた小さな個人ブログからどのようにしてコンテンツマーケティング界の権威に自分がなったのかをこのセッションで語りました。
「自分は他人と比べて劣っていて成功する力がない」というのは、あなただけではなくみんなが感じたことがある。
成功というものは、まだ自分が知らない秘密を発見することではなく、やらなければならないとわかっていることをやることだ。
このような重みのある言葉を前置きして、セッションは始まります。
それでは、Rowse氏が身をもって得た、オンラインビジネスで成功するための6つの原則を見ていきましょう。
オンラインビジネスを築き上げるための、平凡だがパワフルな6つの原則
成功のための原則1: スタートする
自分は2002年に写真をテーマにしたDigital Photography School というブログを始めた。
それまでスタートしなかったのはこんな言い訳があったから。
- 経験がない
- スキルがない
- 長続きした試しがない
- お金がない
- 繋がり(コネクション)がない
- 時間がない
- アイディアがない
- 情熱がない
- 怖い
- 完璧主義(完璧にしてから始めたい)
しかしこれらの言い訳はスタートすることで解決した。
行動を起こさないことは疑いと不安を助長する。行動は自信と勇気を生む。恐怖に打ち勝ちたいなら、家でじっとして考えていてはダメだ。今すぐ取り掛かることだ。 − デール・カーネギー
恐れはなにか重要なことが起こる証(あかし)で、むしろ良いこと。
スタートは次のような機会の獲得につながる。
- 読者
- 収入
- 出版契約
- 友情関係
- 講演依頼
- 権威と影響力
スタートは次の自己発見に繋がる。
- アイディア
- 規律
- 意見
- 情熱
- 精神的な平穏
- 天職
行動を起こしながら好奇心に従っていたら情熱がひとりでに着いてきた。
これがブレイクスルーしたときだった。
スタートとはマインドセット。
とにかく何かを始めることが大切。
あなたの次の「大きなこと」は目の前にある「小さなこと」かもしれない。
成功のための原則2: 読者が第一
コンテンツビジネスにおいては読者を最優先に考えなければならない。
読者はだれか? 読者の◯◯は何か?
- ニーズ
- 抱えている問題
- 要望
- 挑戦したいこと
- 夢
- 恐れ
- 目標
- 言語
- 習慣
- 愛
- 嫌いなこと
- 情熱
見てみたいとあなたが望む、読者の変化を明確にする。
読んだ結果として読者が変わる、ものすごく大きなインパクトをブログは持っている。
次の3つの質問に答えてみるといい。
- 自分の読者は誰か?
- 読者は何を必要としているか?
- 読者はどのように変わりたいのか?
読者に提供すべきことの例。
- 情報
- 最新情報
- トレーニング
- サポート
- エンターテイメント
- コミュニティ
- 教育
- インスピレーション
気にしてしまいがちな誘惑。
- 策略
- トラフィック
- コンテンツ
- 利益
- プロフィール
- エゴ
こうした誘惑に屈してはいけない。
成功のための原則3: 実用性が王様
“Usefulness is King.”
多くの問題、悩みを解決する人になる。
ワークフローのなかに「問題発見」を組み込む。
ワークフローのなかに「問題解決」を組み込む。
究極の実用性とは、読者に変化をもたらすこと。
たとえば、Digital Photography Schoolで上手に写真を撮るためのカメラの持ち方を解説した。
この記事は61万のアクセスをもたらした。
自分にとってはなんでもない当たり前のことでも、それを知らない人はたくさんいる。
ものすごく基本的な問題(悩み)が実は重要な問題だ。
成功のための原則4: カルチャーを形成する
自分のビジネスの成功と失敗はブログでのカルチャーの健全性と結びついていた。
※鈴木注: 「カルチャー(Culture)」が何の意味かはっきりとはわかりませんでした。ブログが作り出すコミュニティの文化のこと?
健全なカルチャーを作るには、まずリーダーシップが必要。
そしてカルチャーにはリーダーシップが必要。
Digital Photography School では次のことをやった。
- 1日に2記事を投稿
- 1日にFacebookで5つ投稿
- 1週間に1回何かにチャレンジ
- 1週間に1回ニュースレターを発行
- 1年に1回休暇をとる
- 四半期ごとにeBookを公開
時間がたつとこれが次のようになる。
- 1年に730記事
- 1年に1,825のFB投稿
- 52回の毎週のチャレンジ
- 52回の毎週のニュースレター
- 5回の休暇取得
- 20以上のeBook
読者を、記事やオファーを期待するようなリズムにさせる。
壮大なブログは、いくつもの小さな役に立つアクションから作られる。
カルチャーは共有された経験から作られる。
カルチャーは進化しなければならない。
危険なのは進化しないこと − ジェフ・ベゾス
成功のための原則5: 意味あるものを作り出す
本当の価値を作り出す。
多くの人が、クリックさせようとする派手なヘッドラインのキュレーションをしたり、いいね!を集めようとしているが、くだらないこと。
「今」のためではなくずっと続く廃れない価値を作るために競争しなければならない。
単調なコピーやいいね!の強調はストーリーを分断してしまう。
くだらないことが流行ってる今、「永遠に続くインパクトを与え、読者を旅に連れて行くような魂のこもったものを作る」のは絶好のチャンス。
意味ある本当の価値は、信頼と権威、影響力に繋がる。
成功のための原則6: 貫き通す
たくさんの人がブログを書くのを途中であきらめてやめてしまう。
- スタート
- 読者が第一
- 実用的
- カルチャー形成
- 意味あるものを作る
- 貫き通す
1〜6を繰り返す。
繰り返すことが、信用・信頼・影響力・関係性・権威をもたらす。
そして商業的な価値とエバンジェリズムに繋がる。
偉大なブロガーの99.9%は1日で偉大になったわけではない。
こうした人たちのすごさは時間をかけて築き上げてきた価値の積み重ねである。
ここで話したことは短距離走ではなく長距離マラソン。
以上です。
このブログを始めて7年半になる僕にとって、Rowse氏のプレゼンテーションはものすごくインパクトのあるものでした。
このブログがあるからこそ、今の僕があります。
とはいえ、やれていることもあるけれど、やれていないことばかり。
Rowse氏がこれまで実践してきたことはもとより、彼のプレゼンの姿もとてもエネルギーに満ちあふれ魅力的でした。
「こんな人にいつか自分もなりたい!」ということで、最後は記念写真です。:)