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低品質なコンテンツを排除することを目的としたパンダ・アップデートに6度目の更新が加えられました。
ウェブマスターたちが勝手に付けたバージョン番号を当てると、パンダ・アップデート2.5になります。
この記事を書いている時点ではGoogle公式ブログでのアナウンスはありません。
WebProNewsが、Googleのスポークスマンから得た情報として明らかにしました。
公式アナウンスがないので大きな更新ではないのかと思ったのですが、そうでもないようです。
今回のパンダ・アップデートの米国での負け組・勝ち組をSearchmetrics (サーチ・メトリックス)が発表しています。
米国パンダ・アップデート2.5 負け組
アメリカのサイトなので馴染みのないものばかりのはずですが、TODAY.comやMotor Trend、Cafemomといったメジャーなサイトも並んでいます。
パンダ・アップデートは大手ブランドも例外扱いしないということのようです。
もっともSearchmetrics独自の調査と指標に基づく結果なので、実際にこれらのサイトのランキングが下がったのかトラフィックが減ったのかは分かりません。
今回のパンダ・アップデート更新で特徴的だったのは、パンダ・アップデートでダメージを受けたもののその後リカバリに成功したサイトが再びダメージを受けた点です。
パンダ・アップデート2.5の実行が発覚したWebProNewsの記事は、DaniWebというIT系フォーラムサイトの管理者へのインタビューでした。
DaniWebは、第一弾のパンダ・アップデートで大きなダメージを受け、対策を講じた結果徐々に回復しました。
7月の更新では、110%のリカバリ、つまり落ち込む前の水準以上にまで復活していました。
ところが喜んだのも束の間、再び大きな痛手を負ってしまったのです。
DaniWebと同じように、パンダ・アップデートのリカバリに成功したサイトが再びGoogleからのアクセスを大きく失ってしまったレポートがWebmasterWorldでも何件も報告されています。
「低品質評価 ⇒ 高品質評価 ⇒ 低品質評価」、パンダはまだまだ発展途上という証拠でしょうか。
米国パンダ・アップデート2.5 勝ち組
こちらは、Searchmetricsのデータによるパンダ・アップデート2.5の勝ち組です。
Washington PostやFox News、Wall Street Journal、Zapposといった、日本人でも、少なくとも名前くらいは知っているであろう著名なサイトも名を連ねています。
これらのサイトが「質が高い」と判断されたとしても不思議なことではありませんね。
YouTubeやAndroid.comなどGoogleが運営・関係しているサイトが含まれているのは、サイトの質を見れば納得しないわけではないですが疑いたくなる気もします。
勝ち組で特に注目したいのが、HubPagesです。
HubPagesは、ユーザーが自分のコンテンツを投稿できるUGC(User Generated Content)系のサイトでアメリカではたいへん人気のあるサイトです。
HubPagesは初代パンダ・アップデートで大きくトラフィックが落ち込み、何をやっても一向に回復することができませんでした。
しかし今回の更新では見事に復活を果たしたのです。
HubPagesは、ユーザーが投稿したコンテンツを1つの同じドメインの中に展開していました。
パンダ・アップデートはサイト単位で評価するので、質の低いコンテンツが多いと、質の高いコンテンツが存在していたとしても全体として低品質評価を受けてしまいます。
HubPagesは、各ユーザーごとにサブドメインを作る手段を取りました。
その後、回復傾向にあったのですが、これが本当にサブドメイン移行によるものなのかどうかはハッキリしませんでした。
今回のリカバリがサブドメイン移行によるものかどうかは、依然としてハッキリしませんが一定の効果を発揮した可能性もあります。
Googleの説明によれば、サブドメイン移行が有効なのは、UGCサイトのように多数のユーザーがコンテンツを作るサイトに限られているようですが、パンダに関する1つの情報と知っておいてもいいでしょう。
さて、僕たちがいちばん気になるのは今回の更新で日本にもパンダ・アップデートが入ってきたかどうかです。
公式アナウンスがないので何も分かりません。
ただ、パンダ・アップデートがまだ導入されていない日本語(と中国語・韓国語)に導入されるというのは大きなイベントのはずですから、Googleからアナウンスがあると僕は予想します。
またパンダ・アップデート2.5が実行されたと言われる先月28日(日本では29日も重なる)以降に、目立つような大きな変動は日本のGoogleには起こっていなさそうです(ちなみに、このパンダ・アップデートでダメージを受けたサイトは2、3日前には逆にランキングが上がっていたという報告も挙がっています)。
これらを踏まえると、日本ではテストが行われていたとしてもパンダ・アップデートは依然として全面的には展開されていないのではないでしょうか。
ま、SEOビジネスを営んでいるのでなければ、パンダ・アップデートなど気にせずにユーザーにとって有益なコンテンツとサイトを作り続けましょう。
これが何よりのパンダ・アップデートへの準備です。
【参考】パンダ・アップデート履歴