[レベル: 上級]
Googleは、Accelerated Mobile Pages (アクセラレイティッド・モバイル・ページ)という、モバイル端末でのウェブページの表示を高速化するためのプロジェクトを公開しました。
略して、AMP(アンプ)と呼びます。
AMPで策定された仕様に従ってモバイルサイトを構成すると、モバイル検索結果からリンク先ページがまさに“一瞬”で表示されます。
AMPをデモで体験
AMPを使ったページがどのようにモバイル検索から表示されるのかを見てみましょう。
Inside Searchの公式アナウンスに動画があります。
まずこれを見て、何となくでいいので雰囲気をつかんでください。
ただ、見てもどんなだか十分にはわかりませんでしたよね。
実際に試したほうが理解できます。
AMPを体験できるサンプルのリンクもアナウンスに出ていますが、日本からでは機能しないので少し細工を加えました。
【UPDATE】
現在は日本でもデモを体験できます。
こちらのURL g.co/ampdemo からアクセスできます。
今ニュースになっているようなキーワードで検索すると、AMP対応した記事がカルーセル形式で表示されます。
もちろんスマホで試してください。
PCしか使えない環境なら、たとえばChromeのデベロッパーツールでモバイル端末をエミュレートしても体験できます。
写真付きのニュース記事がカルーセルで並んでいて、どれかをタップすると、下からその記事が“にょろっ”と出てきて、水平にフリックすれば次のニュース記事が“ふわっ”と横から出現します。
ページを読み込んでいる気配がまったくなく(実際に読み込んでいない、詳しくは後述)、瞬時に記事が表示されるはずです。
こちらのリンクはAMP仕様のモバイル検索を好きなクエリで体験できます。
[AMP Demo]
ただしAMPに対応しているページが検索結果に含まれていないこともあります。(というより、含まれていないことのほうが多いかも)。
AMPとは?
体験してみて、AMPがどんな機能を提供するものなのかがだいたいわかったはずです。
AMPについてもう少し詳しく説明します。
AMPとは、GoogleとTwitterが協同して策定したモバイルウェブ高速化を目的としたプロジェクト/イニシアチブです。
The VergeやBuzzFeed、the Washington Postなどのパブリッシャーほか、PinterestやLinkedInなどテクノロジー企業など30社ほどがパートナーとして参加しています。
AMPは、AMP HTMLというフレームワークをオープンソースとして公開しました。
AMP HTMLの仕様に沿ってモバイル向けページを構成することで超高速化を実現できます。
なおAMPだけでこのフレームワークのことを意味することもあります(むしろこちらのほうが多そう)。
AMPはプロジェクト(団体)の名称としても使われるし、技術的なフレームワークの名称としても使われます(schema.orgも同じですね。schema.orgというプロジェクトを指すこともあるし、schema.orgというボキャブラリを指すこともあります)。
先ほど見た例では、Googleはモバイル検索をAMP対応し、パブリッシャーは、AMP対応のモバイルページを作成していました。
TwitterもAMP対応しています。
ツイートのなかにAMP対応したウェブページのリンクが含まれていた場合、そのウェブページは即座に表示されます。
AMPの仕様に従って構成されたウェブページは、Google/Twitter側にキャッシュされます。
つまりそのページがあるウェブサイトへのアクセスが発生しません。
なのでウェブページをいちいち読み込む必要がないのです。
GoogleやTwitterが保存しているキャッシュからコンテンツを返すことによって、高速表示を可能にしました(当然のことながら単純なキャッシュ機能ではなくさまざまな最新の技術が用いられたキャッシュ機能だし、キャッシュ以外の仕組みも使われている)。
AMPの詳細は公式サイトで確認できます。
Accelerated Mobile Pages Project
GoogleからのAMP公開の公式アナウンスはこちらです。
Introducing the Accelerated Mobile Pages Project, for a faster, open mobile web
AMPのレポジトリがGithubで公開されています。
AMP Project · GitHub
ウェブの高速化はセキュア化と並んで、Googleがもっとも重要視している使命です。
AMPはその取り組みの1つとなります。
先進的なひとはさっそく実装してみると面白いんじゃないでしょうか。
ちなみに、WordPressはAMP対応のプラグインを開発中とのことです。
僕のブログのようにWPをサイトのプラットフォームに利用しているなら、完成を待ってインストールしてみるのもよさそうです。
【UPDATE】
WordPressのプラグインが公開され、バージョンアップを重ねています。
[WordPressのプラグインでブログをAMP対応にしてみた]