Google、検索でのAIモードの試験提供を開始。Search Labsから要オプトイン

[レベル: 上級]

AI Mode の試験公開を Google は 開始しました。

AI Mode は、Google 検索のホームページからアクセスして、生成 AI のチャットボットが回答を提供する機能です。
Google 社内でのテストを経て外部でのテストがついに始まりました。

Google Labs からオプトイン

AI Mode は一般公開ではありません。
Google Labs からオプトインしてテストに参加する必要があります。

AI Mode waitlist

オプトインできるのは米国の 18 歳以上の英語ユーザーです。
ウェイトリストに登録すると、Google One AI Premium プランのユーザーから順次招待されます。

カスタマイズされた Gemini が検索結果を生成

検索の AI Mode はカスタマイズされた Gemini 2.0 を生成 AI として使用しています。
📝すずき補足:「Gemini」は、Google が提供する AI チャットボットのプロダクト名であると同時に、Google が開発した LLM(大規模言語モデル)の名称でもある。LLM を指す場合は、「2.0」のように通常はバージョンが付く。チャットボットとしての Gemini は 現在、複数のバージョンの LLM としての Gemini を選択可能

カスタマイズした Gemini を使用する AI Mode の長所を Google は次のように説明しています。

Gemini 2.0 のカスタムバージョンを使用すると、さらなる探求、比較、推論が必要な質問に AI モードは特に役立ちます。これまで複数回の検索が必要だったような微妙な質問——新しい概念の探求や詳細な選択肢の比較など——にも対応し、AI による有益な回答と、さらに詳しく学べるリンクを提供します。

AI Overview は単発の概要生成でしたが、AI Mode は AI Overview を拡張し、より高度な推論、思考、マルチモーダル機能を活用できるようにしたとのことです。
フォローアップの質問を通じて深掘りしたり、役立つウェブリンクを活用したりすることもできます。

こちらは AI Mode がモバイル検索で動作するデモ画面です。

PC 検索での動作デモです。

生成 AI (Gemini 2.0 カスタムバージョン) がクエリに対する回答を返すとともに、関連するウェブコンテンツをリンクやカードの形式で提供しています。
また、フォローアップ質問してやり取りを続けられます。
やり取りの継続は AI Overview ではできませんでした。

おおまかな内容で十分なら AI Mode の回答だけで検索は終了ですが、ソースとなった情報を詳しく知りたいときは参照ページに訪問して自分の目で確かめられます。
回答についてさらに追加で聞きたいことがあれば、続けて質問できます。

Google 検索をベースに高品質な回答を提供

AI Mode は、Google 検索をベースにして、さらに広範囲で深掘りした回答を返すとのことです。

次のように Google は強調しています。

この体験がユニークなのは、Google の最先端の情報システムと高度な AI モデルの機能を融合し、検索に直接組み込まれている点です。高品質なウェブコンテンツにアクセスできるだけでなく、ナレッジグラフや現実世界の情報、数十億の商品のショッピングデータなど、最新のリアルタイム情報も活用できます。

また、「query fan-out(クエリ・ファンアウト)」という手法を用い、関連する複数の検索を同時に実行し、サブトピックやさまざまなデータソースから情報を集約します。これにより、分かりやすい形で統合された回答を提供します。このアプローチにより、従来の Google 検索よりも幅広く、かつ深い情報にアクセスすることが可能です。

公式ブログでのアナウンスほか、ヘルプ記事も公開されています。

さらに、AI Mode が高品質で安全な回答を返すための核となる仕組みを解説するドキュメントも Google は公開しました。
📝すずきメモ:文量があるためまだ読めていないけど、特筆すべき内容があると思うので別の記事であらためて取りあげたい

AI Mode はイメージ的には、AI Overview と(AI チャットの)Gemini を融合したようなプロダクトですかね——Gemini のように会話形式で質問し、必要に応じてやり取りを続け、Google 検索の機能を利用して関連コンテンツを入手する。

多くのユーザーが AI モードを利用するようになると検索ページを離れることなく回答を得てしまうので検索トラフィックが減ることが懸念されます。
一方で、AI Mode の回答だけでは欲しい情報が完全には手に入らず、関連コンテンツとして提供されたリンク経由でアクセスしてきたユーザーに関しては、エンゲージメントが高くなりそうな予感もします。

テスト段階なので、ハルシネーションも含めて回答の品質には問題点があるだろうことも Google は認識しています。
そのためのオプトインです。
オプトインユーザーからのフィードバックを得て、一般公開にこぎつけるのでしょう。

5 月の Google I/O で、AI Mode のテスト開始を発表するだろうと予想していたのですが、一般公開の発表になるかもしれません。

当面は、ウェイトリストを通過して AI Mode を先取りで使えるようになるのを楽しみに待ちます。