Googleのすべての手動スパムには期限切れによる自然解除がある

[対象: 全員]

Googleがウェブスパムに与える手動の対応は一定の時間が経つと失効することをこの記事では説明します。

なお、“ペナルティ”という言葉が世間的にはよく使われていますがペナルティという用語を、少なくとも公式の場ではGoogleは現在使っていないのでこの記事でも(このブログでも)極力使わないようにします。

Googleが行うスパム対処には2種類あります。

  • アルゴリズムによる自動対応
  • 人間による手動対応

【詳細】Googleのペナルティ発動&解除の仕組み

このうち期間が設定されるのは人間の目視によって確認され与えられる手動の対応です。

手動対応には制裁措置の期間が設定される

詳細記事に書いたように、手動対応には30日、60日といった期間が設定され、そのことが警告メッセージに書かれていることがあります。
手動対応は多くの場合、検索順位を下げられるか、最も厳しい処置はインデックスからの削除です。

手動対応を受けた時には、速やかにガイドライン違反を修正し再審査リクエストを送ります。
再審査リクエストが受け入れられガイドライン違反の解消が確認されてようやく手動対応は取り下げられます。

しかし問題点が解消されていなくても設定された期間が過ぎると手動対応は自然に消滅するのです。

僕はてっきり、期間が設定されるのは一部の手動対応に限られていて、該当する際は警告通知にその旨が書かれているものだと理解していました。

ところがそうではないようです。

期間が設定されるのはすべての手動対応

まず下のビデオの冒頭近くでGoogleのMatt Cutts(マット・カッツ)氏は次のように言っています。

…all manural spam does an eventural time-out…

すべての手動スパム(対応)には最終的な時間切れがある

またリンクの否認ツールの使い方を詳しく解説したSearch Engine Landの記事では執筆者のDanny Sullivan(ダニー・サリヴァン)氏が次のように書いています。

Manual penalties have expirations dates, Google reminds. This means after a period of time, perhaps a few weeks or a few months, the penalty against your site should expire naturally.

手動ペナルティには期限切れ日がある、とGoogleは再確認してきた。これは、数週間や数ヶ月といった一定の期間が過ぎるとサイトに与えられたペナルティが自然に消滅するということだ。

この記事は不自然リンク警告への対処法について主に書かれているので、期間後の失効は不自然リンクに対する手動対応にも当てはまるでしょう。

不自然リンクへの手動対応に期限切れがあることは、日本のGoogleサーチクオリティチームが開催したハングアウトでも金谷さんが明らかにしていました。

ちなみにハングアウトをレポートしたこの記事で「すべての手動対応には期限切れがあるようなニュアンスに僕は受け取りました」と書きましたが、そのとおりだったということになります。

手動対応を放置しておくとどうなるか?

手動対応を課せられたのに対処が完了しないまま、つまりガイドライン違反を解消しないままの状態で期限切れを迎えたらどうなるのでしょうか。

元に戻ります。

たとえばインデックス削除は解除され再び検索結果に出てくるようになるでしょう。
もっとも検索順位がまったく元どおりになるかどうかは他の要因も絡んでくるでしょうから定かではありませんが、少なくとも手動対応は取り下げられます。

不自然リンク警告を受けて放置しておいたのに、ある日を境にランキングが回復することがあります。
これは手動対応の効力がなくなったからと考えていいでしょう。

順位が下がったとしてもそのうち元に戻るから警告は無視していいと言い張るSEO業者の根拠になっていそうですね。

手動対応は無視したほうが得?

期間が過ぎれば解除されるならその間だけ耐え忍んで我慢すればいずれは釈放してもらえる、だから無視しようというのは短絡的な思考です。

問題点が解決したわけではないので、再び手動対応が課せられることがあるでしょう。

Googleには記録が残っているので2回目は、それこそインデックス削除かもしれないし期間がもっと長くなるかもしれません。
Search Engine Landの記事には、解除されるまでに2、3年かかったというコメントも書き込まれています。

あるいは、ペンギンアップデートに代表される対ウェブスパムのアルゴリズムで今度は自動検出されるかもしれません。

つまり“逃げ得”がまかりとおることはないということです。

まとめ

この記事で伝えたかったことをまとめます。

  • 通常、すべての手動対応には期間が設定される
  • ガイドライン違反を解決していなくても期間が過ぎると手動対応は自然に解除される
  • 自然解除されても問題を解消したわけではないので再び手動 or 自動で対応される可能性が高い