[レベル: 中〜上級]
米シアトルで先週参加したSMX Advanced 2016では、GoogleのAMPプロジェクトのプロダクトマネージャであるRudy Galfi(ルディー・ガルフィ)氏が AMP (Accelerated Mobile Pages) についてプレゼンテーションしました。
この記事では、Galfi氏のプレゼンのなかから個人的に注目した部分をハイライトとして紹介します。
プレゼンするRudy Galfi氏
AMP対応で表示速度が22秒から0.7秒へ
Googleの内部調査データによれば、AMP対応していないページの表示速度の中央値が22秒だったのに対し、AMP対応しているページは0.7秒でした。
30分の1以上短縮されていることになります。
表示に22秒以上もかかるページに遭遇する機会が本当に多いのかどうかはともかくとして、AMPページの0.7秒はまさに一瞬での表示完了です。
AMPをサポートするGoogleプロダクト
次の2つのプロダクトでGoogleは現在AMPをサポートしています。
- Google検索
- Googleニュース
Google検索のAMPはChromeやFirefox、Safariなどのブラウザに加えて、iOSではGoogleアプリもサポートを始めています。
AndroidのGoogleアプリのAMP対応は、スライドのロードマップを見る限りでは6月後半から7月の始めくらいなので間もなくでしょうか。
ただスケジュールをスライドが本当に反映しているのかどうかは不明です。
GoogleニュースのAMP対応は、ウェブでは米国版が先行し日本版も先日サポートが始まりました。
Googleニュースアプリは、Android版・iOS版ともにAMP対応しています。
なお、SMX Advancedの終了後にGoogle Play ニューススタンドのAMPサポートが発表されました。
別記事で後日取り上げます。
AMPの適用数
現在、GoogleがインデックスしたAMPページは1億2,500万URL以上です。
AMP対応しているドメインは64万ドメインです。
比較対象がないので多いのか少ないのか僕には判断がつかないのですが、2月末にAMPが正式公開されてから4か月しかたっていないことを考えると、多いとみなしていいのではないでしょうか。
次にAMP導入されるコンテンツは?
AMPに向いているコンテンツの特徴として次の2つをGalfi氏は挙げました。
- 静的で、キャッシュで提供できる(つまり変化しない)
- Lazy Load(遅延読み込み)を利用しやすい
具体的には次のようなジャンルのコンテンツがAMPに向いています。
- ニュース記事
- ブログの投稿
- レシピ
- 商品一覧
- 旅行ガイド
現在、GoogleがAMPとして対応しているコンテンツはニュース記事やブログ記事です。
トップニュースのカルーセルの中に掲載されます(リスト形式の場合もある)。
レシピのAMPは公開準備中で、試験が始まっていると思われます。
記事・レシピのあとに続くのは、商品一覧 (Product listings) や旅行ガイド (Travel guides) なのでしょうか?
例に挙がっているということは、ひょっとしたらそういうことかもしれませんね。
AMPカルーセルには一定数以上のAMPページが必要
楽天の宮田さんによる隠し撮りw
最後は、Galfi氏から僕が直接聞いてきたことです。
トップニュースのAMPカルーセルが検索結果に表示されるには、そのクエリにマッチした一定数以上のAMPページが必要です。
たとえば、トップニュースにふさわしいクエリに対応するAMPページが1ページしかウェブに存在しなかったとしたら、AMPカルーセルはできあがりません。
AMP対応したページが多いとカルーセルに含まれるための競争が激しくなりますが、競争相手がゼロというのも困り者ということになりますね。
この記事のハイライト以外にも、Galfi氏は、AMPの優れた点や実装方法、続々と追加される機能、検証方法なども説明しました。
ほとんどは、このブログで僕が取り上げています。
AMPのこれまでが気になる方は、おさらいの目的も兼ねてAMPカテゴリの記事を見直してみてください。