[レベル: 中級]
3月17〜18日に独ミュンヘンで開催されたSMX Munich 2016に参加してきました。
GoogleからJohn Mueller(ジョン・ミューラー)氏が来ていて、AMPについていくつか質問してきたので、この記事で共有します。
エラーが出ているAMPページがあるとランキングが下がるか?
Q. エラーが出ているAMPページがあったとしても、クロールやインデックス、ランキングには悪い影響を与えないはず。
「与えない」と言い切ってもらえる?
A. 与えない。エラーが出ていてもネガティブな影響は出ない。エラーのあるAMPページが有効なAMPページとして認識されないだけ。
Search ConsoleのAMPレポートにはそのサイトで検出されたエラーがレポートされます。
また、「AMPページのエラーを修正してください」という通知がSearch Consoleから届くことがあります。
AMPコンテンツとしてGoogle検索に表示させたいなら当然修正したほうがいいでしょう。
しかしエラーページが存在することだけが原因で、何らかの悪影響が直接的に出ることはありません。
無視できます。
古いコンテンツがAMPカルーセルに出てくることはまずないので、僕は昔に投稿した記事に対してはAMPエラーは放置しています。
環境によっては、AMPエラーをどうしても修正できないページが残ってしまう場合もあるんじゃないですかね。
そんなケースでは未対応のままで問題ありません。
クロールやインデックス、ランキングにAMPエラーが影響を与えないことはミューラー氏に聞くまでもないことだったのですが、Googleの人からの直接の言及があったほうが安心できる人もいるだろうと思い確認を取ってきました。
検索アナリティクスでのAMPトラフィックのレポート
Q. AMPカルーセルからのトラフィックを検索アナリティクスでレポートするようにする予定はあるか?
A. 取り組んでいる。
AMPページをサブドメインで公開すれば、今でも見ることはできるんじゃないかな?
Googleアナリティクスをインストールしていれば今でもわかるはず。
通常、AMPページはrel=”canonical”でPC向けページに正規化されます。
そのため、検索アナリティクスではデータがPC向けページに束ねられてしまうので、AMPページだけのトラフィック状況を知ることができません。
AMPコンテンツとしてモバイル検索に表示され、そこからのトラフィックがどうなっているかはAMP対応の効果測定のために絶対に知りたいところです。
いつ公開するとは言いませんでしたが、AMPページへの検索トラフィックをSearch Consoleでレポートできるように取り組んでいるとミューラー氏は教えてくれました。
待ち遠しいですね。
なお、AMPページはサブドメイン(あるいは別ドメイン)でも公開できます。AMP用のサブドメインをSearch Consoleに登録すれば、AMPページヘの検索トラフィックが検索アナリティクスに記録されるだろうともミューラー氏は付け加えました。
【UPDATE】
サブドメインのAMPサイトをSearch Consoleに登録してもデータを取得できないようです。
"「AMPエラーはランキングに悪影響を与えない」ほか、Googleのジョン・ミューラーにAMPについて質問してきた at #SMX Munich 2016" https://t.co/9QVbZZzr9L AMPをサブドメインにしてもうちは検索アナリティクス出て来ないが。。
— 木村賢(Satoshi Kimura) (@kimuyan) 2016年3月28日
おそらく、そのサイトではなく、GoogleのAMP CDNにキャッシュされたページにユーザーがアクセスするからだと思われます。
【UPDATE 2】
正規URL(PC版ページ)のURLに検索アナリティクスのデータが束ねられるのは、サブドメインであっても同じなのかもしれません。
@kimuyan @suzukik @noriaky Yes I think currently data for the AMP urls should be reported in the canonical site. @JohnMu knows more
— Kazushi Nagayama (@KazushiNagayama) 2016年3月29日
またAMP対応したGoogleアナリティクスを設定していれば、AMPページのトラフィックを検索アナリティクスに頼らずに計測できます。
ただし、検索キーワードを見ることはできず、(not provided) になってしまいますね。
AMPのコンテンツのキャッシュ期間
Q. AMPコンテンツは(Googleの)AMP CDNにどのくらいの期間キャッシュされているのか?
A. アクセスが多いとキャッシュの更新間隔が短くなる。あまりアクセスがないページはキャッシュ期間が長くなる。
AMPが高速化を実現している理由の1つは、キャッシュ用のCDN (Content Delivery Network) の使用です。
検索ユーザーにいちばん近いところにあるサーバーからキャッシュが返されます。
キャッシュなので、サイトにあるオリジナルのAMPページが更新された場合、古いコンテンツがユーザーに提供されてしまうかもしれません。
そこで、どのくらいの間隔でキャッシュが更新されるのかを尋ねました。
アクセスが多いページのほうが更新間隔が短いそうです。
予想していなかった回答でした。
アクセス以外の要因もあるのでしょうが、一律ではないことは確かです。
通常のウェブページのクロール頻度がそれぞれ異なるのと同じようなものですね。
期間に違いがあるといえ、AMPキャッシュは更新されます。
ですが、急いで更新してほしいときもあるでしょう。
そんなときは、次の2つの手段を使えます。
- サイトマップ送信
- Fetch as GoogleのURL送信
詳細はこちらの記事の、「エラーを修正したあとにやること」のセクションをご覧ください。
AMPについてミューラー氏に質問したのは以上の3つです。
本当はもっとたくさん質問したのですが、“I don’t know.” ということで答えてもらえませんでした(隠したわけではなく、本当にわからなかったみたい)。
SMX Munichのセッションのレポート記事は作成中です。
できあがりしだい、ブログで公開します。