[レベル: 上級]
AMP ストーリー専用のセクションが検索結果に表示されるようになります。
東京の六本木で 4 月 17 〜 18 日に開催された AMP Conf 2019 で発表がありました。
AMP ストーリーは、本をパラパラとめくるようにして物語風に一連の情報を閲覧できる AMP の機能です。
文字ではなく、画像や動画をふんだんに使ったビジュアルさに特徴があります。
こちらは、AMP Conf で紹介された楽天レシピの AMP ストーリーです。
動画のようですが、AMP HTML で作成されています。
専用アプリは不要で、プラットホームを問わずブラウザで表示できます。
Google 検索の AMP ストーリー
現在は、2 つのタイプで AMP ストーリー はモバイル検索結果に表示されます。
カルーセル
サイト専用 (host-specific) のカルーセルにそのサイトの AMP ストーリーが連なって表示されるタイプです。
カルーセルタイプは、AMP ストーリーが試験的に公開された 1 年前から提供されています。
主に、そのブランド名(サイト名や社名、例では “Washington Post”)で検索したときに出現します。
単独タイプ
モバイル検索結果の単独のカードとして AMP ストーリーが出てくるタイプもあります。
単独タイプが始まったのは比較的最近で、ここ2 〜 3 か月の間に提供されました。
カルーセルタイプも単独タイプも一般公開されています。
日本でも利用できます。
見たことがないというのは、単に、AMP ストーリーを公開しているサイトが日本ではほとんどないからです。
専用ブロック内の AMP ストーリー
AMP Conf で今回発表されたのは、AMP ストーリーだけを集めた専用のセクションです。
今でも、画像や動画が専用セクションに表示されることがありますね。
その AMP ストーリー版です。
“VISUAL STORIES” とラベル付けされたブロック内に AMP ストーリーが 4 つ掲載されています。
実際の動きはセッション録画で見てください。。
一般クエリで表示される AMP ストーリー ブロック
カルーセルタイプと単独タイプの AMP ストーリーは、ほとんどの場合、”Washington Post” のようにブランド名を含んだクエリで検索結果に表示されます。
これに対して、ブロック表示の AMP ストーリーは一般的なクエリでも出現します。
セッションの例では “things to do in tokyo”(東京でやること、日本語風に言えば「東京の見所))のクエリで出現しています。
旅行に関係する一般的なクエリです。
一般的なクエリで、AMP ストーリーのブロックが検索結果、おそらくは 1 ページ目の上位に表示されるということは、検索トラフィックを増やす大きなチャンスが生まれることを意味します。
まずは米国から、特定のジャンルで公開
専用ブロックの AMP ストーリーは、まずは米国からスタートします。
様子を見てそほかの国への展開を考えているとのことです。
また、特定のジャンルに関するサイト、クエリが対象になります。
次のジャンルが該当します。
- 映画
- ファッション
- トラベル
- TV番組
- ゲーム
- レシピ
AMP ストーリーそのものがそうだったように、最初は大手ブランドだけを対象に試験公開するそうです。
つまり、AMP ストーリーを公開したからといって、どのサイトでも専用ブロックに掲載されるわけではありません。
時期を見て、申請方式に切り替え、最終的に一般公開にいたるのではないでしょうか。
専用ブロックの AMPストーリーはまだ試験的な機能で未知数なところがあります。
したがって、今すぐに AMP ストーリーに飛び付くことは慎重になったほうがいいとは思いますが、上記の 6 ジャンルに該当するサイトは AMP ストーリーには注目です(Google が AMP ストーリーを強くプッシュし始めたことを AMP Conf に参加していて感じました。もっとも、Google の猛プッシュにはときとして痛い目を見るので、だからこそ慎重になったほうがいいも言えますが)。
AMP ストーリーのランキング要因は?
一般的なクエリで、AMP ストーリーが検索結果に出てくるとしたら、当然気になるのはそのクエリとの関連性をどうやって判断しているのかです。
AMP ストーリーチームの人にきちんと聞いてきました。:)
関連性の判断に関しては、今考えているところだとしながらも、次のような施策が役立つだろうとのアドバイスをもらえました。
- キャプションや説明文のようなテキストコンテンツ(AMP ストーリーは、ビジュアルが要素中心だけどテキストも記述可能)
- 構造化データ
画像サイトマップも役立つかもしれないとのことでした。
画像検索の最適化とよく似てますね。
機械学習を使った画像認識の技術も取り入れているでしょうが、やっぱりテキストが重要そうです。
AMP ストーリーそのほかの新機能
最後に、セッションで発表された AMP ストーリーのそのほかの新しい機能について軽く紹介しておきます。
- 日本語を含む 21 の言語をサポート、言語間のローカライズが簡単に
- デスクトップ版 AMP ストーリーのサポート
- AMP ストーリーでの
<amp-sidebar>
のサポート - Attachements(アタッチメント)のサポート――AMP ストーリーの個別のページに追加コンテンツを挿入できる
- Embeds(埋め込み)――TwitterやYouTube、Google マップを埋め込める
- Discover フィードでの AMP ストーリー――検索パフォーマンスにレポートされる
- AMP ストーリー作成ツール――MakeStories や Unfold などを使うと AMP ストーリーを簡単に作成可能。WordPress の AMP プラグインに AMP ストーリー作成機能を追加
- 広告のサポート――広告ページやアフィリエイトリンクを挿入可能(詳細をこちらのセッションで解説)
さてさて、AMP ストーリーを Google がどのようにして普及させていくかが楽しみです。
何度も言うように、あれだけプッシュしていたのに一体どこに行ってしまったの?という不安は捨てきれませんが、AMP Conf に参加したいくつかの積極的な企業さんはさっそく AMP ストーリーに取り組み始めたようでした。
AMP ストーリーのベストプラクティスを Google が解説しています。
先取りで AMP ストーリーに挑戦するなら参考にしましょう。