[レベル: 上級]
ロシア最大の検索エンジンである Yandex のソースコードが流出しました。
Yandex が使っている、あるいは使っていたランキング要因を覗き見ることができます。
SEO に役立つんですか? という質問を数人からもらいました。
この質問に対して、僕の見解をこの記事で述べます。
Google と Yandex は別もの
まず結論から言うと、SEO が大好きな人にとって “読みもの” としては面白いでしょう。
しかしながら、Yandex の SEO に取り組んでいない限りは、実際に現場で実務にあたっているウェブ担当者にとっては、知っておく必要性があるとはまったく思えません。
いちばんの理由は、Google 検索と Yandex 検索は完全に別ものだからです。
こんな情報が出回っているようです。
Yandex は、元 Google 社員によって作られた Google クローンである。
Google と Yandex の検索は 70% 近くが類似している。
LOL! pic.twitter.com/nQCvsRdpgd
— Pedro Dias (@pedrodias) January 30, 2023
元 Google 検索チームの社員で、現在は SEO コンサルタントの Pedro Dias 氏のツイートです。
この情報を発信した本人ではなく、非難しています。
Google 検索の業務に以前に従事していた人が Yandex に在籍しているのは確かなようです。
だからといって、全員が全員、元 Google 社員ではないし、同一のアルゴリズムを退職後も開発し続けるはずがありません。
「70% が同じ」にいたっては、ソースがありません。
どんなクエリでいくつ、何位まで、どのくらいの期間にわたって計測したのでしょうか?
信頼に足るデータに基づいているのでしょうか?
Google 検索と Yandex は違います(もちろん Bing 検索とも違う)。
明らかに Google が使っていないランキング要因
Google も使っている、あるいは使っていそうだというランキングも確かにソースコードには存在します。
一方で、これは絶対に使っていないというものも含まれています。
- URL の数字はランキングにマイナス
- 「/」(スラッシュ)が多いとランキングにマイナス
- Wikipedia からの直接のトラフィックはランキングにプラス
- Google アナリティクス(の JavaScript コード)はランキングにプラス
title
タグに含まれる大文字のパーセンテージはランキング要因
また、流出したソースコードは最新のものではないと Yandex はコメントを出しています。
真実かどうかを脇に置けば、現在は使っていないランキング要因も含まれている可能性があります。
他人の吹聴に惑わされないように
冒頭でも述べたように、SEO が好きな人の好奇心を充足させるものとしては価値があるかもしれません。
Yandex のランキング要因を考慮すれば、ユーザーまたは検索エンジンにとって良いサイトができあがると判断したのであれば、SEO に取り入れてもいいでしょう。
しかし、Yandex がランキング要因にしているから対応すべきだという条件反射的な判断はおすすめしません。
特に、Yandex のコード流出を持ち出す SEO 業者からの一方的な押し売りには注意してほしいものです。
好奇心を源に、Yandex のランキング要因を知っておきたいという人には Alex Buraks 氏の Twitter での投稿を紹介しておきます。
ソースコードを紐解いて、注目に値するランキング要因を抽出してくれています。
📝すずき注: 一連のスレッドになっています。全体は、埋め込みツイートをクリック/タップして読んでください。
You probably heard about Yandex, it’s the 4th biggest search engine by market share worldwide. Yesterday proprietary source code of Yandex was leaked.
The most interesting part for SEO community is: the list of all 1922 ranking factors used in the search algorithm
[🧵THREAD] pic.twitter.com/6x82AAmbON
— Alex Buraks (@alex_buraks) January 27, 2023
Leaked Yandex ranking factors analysis part 2, let's go.
[🧵THREAD]
— Alex Buraks (@alex_buraks) January 28, 2023