[レベル: 中級]
現在 Google 検索では絵文字を検索クエリとして利用できます。
この記事では、Google 検索の絵文字対応の舞台裏を紹介します。
絵文字で Google 検索😍🍩🍰
冒頭で触れたように、今は絵文字で Google 検索できます。
[😍] だけで検索した結果です。
こちらは [🍰食べたい] の検索結果です。
こちらは [近くの🍩] のローカル検索結果です。
どれもなかなか見事な結果ですよね。
検索しているだけで楽しくなってきます🤡
1 日 100 万件以上の絵文字検索に Google が対応した舞台裏
一見するとなんてことないように見える絵文字検索ですが、その舞台裏には興味深いストーリーがあります。
11 月に米マウンテンビューで開催された Webmaster Conference Mountain View: Product Summit では、Google 検索の上級エンジニアが絵文字対応が実現するに至るプロセスを紹介しました。
Google 誕生時には絵文字は存在せず
Google が創業した 1996 年当時は絵文字というものは存在しませんでした。
ユーザーはテキストで検索していました。
絵文字が生まれたのは 1997 頃ではないかとのことでした(鈴木注: 諸説あるようです)。
絵文字をユーザーが検索し始めた
現在、絵文字を使った検索の状況は様変わりしています。
チャットやソーシャルメディアの普及も手伝ってユーザーは絵文字をいつも使うようになってきました。
ところが、その絵文字⚗️が何を意味しているかわからないことも少なくありません。
あるいは、ヘリコプターに相当する絵文字🚁が何なのかを知りたいときもあるかもしれません。
そこでユーザーは検索で絵文字を調べるのです。
Google 検索は絵文字対応していなかった
ところが残念なことに Google 検索は長いこと絵文字を検索ワードとしては無視してきました。
理由は、絵文字で検索するユーザーが誰もいなかったからです。
検索されないものをインデックスするのはリソースの無駄です。
その結果、次のようなことが検索で起こっていました。
- [😃] だけで検索 ➡️ 何も見つからず
- [smiley face 😃](笑顔 😃)で検索 ➡️ いくらか機能する
- [😃 meaning](😃 意味)で検索 ➡️ 辞書が出てくる
絵文字はインデックスに値するのか? ⇒ 1 日に 100 万件の絵文字検索
絵文字をインデックスするのは Google ならなんてことないのでは? 僕たちは思うかもしれません。
しかしながら、検索のインデックスは非常に複雑で、正しい順番でシステムを変更していく必要があります。
- 最初に、絵文字を許可するようにインデックスをアップデートする
- 次に、ドキュメントが再インデックスされるのを待つ
- そして、クエリを解析するように変更する
絵文字を検索の対象にするかどうかに際しては、こうしたシステム変更を実行する価値が本当にあるかどうかを考慮しなければなりませんでした。
ところが、絵文字検索が機能しないにもかかわらず毎日 100 万件の検索で絵文字が使われていたのです。
こうした状況を鑑みれば、絵文字を含んだクエリで適切な検索結果を返さないわけにはいきません。
結果として、現在の Google 検索は絵文字に対応しているのです。
ことは簡単ではなかった
とはいえ、絵文字検索が順風満帆に実現したわけではありません。
絵文字データがインデックスされクエリ解析が修正されたあと、検索結果を評価したところ非常にお粗末な結果が出ました。
アップデート実施前には、ほかにもたくさんのシステムやモデル――リンク処理、スペルチェック、オートコンプリート、etc. ――を更新する必要があったのです。
紆余曲折がありながらも、今の Google 検索ではきちんと絵文字で検索できるようになっています。
絵文字検索の舞台裏話は以上です。
絵文字は日本が発祥です。
世界中で絵文字が利用されるようになっただけではなく、検索でも 1 日 100 万回以上使われていてシステムを変えてまで Google が対応したと聞くと誇りに思えます。
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