多言語SEOの課題とベストプラクティス: hreflang, ccTLD, x-default, LDCP

[レベル: 上級]

Seach Off The Record ポッドキャストのエピソード 78 のテーマは、サイトの国際化と hreflang 要素でした。

この記事では、このポッドキャストの主要点を紹介します。

hreflang の実装

ポッドキャストの エピソード 78 は、Google 検索リレーションチームのメンバーであるマーティンが、hreflang の実装の複雑さについて疑問を呈することから始まります。
小規模サイトでの実装経験が簡単だったことから、なぜ難しいとされているのかをマーティンは問いかけます。

同僚のゲイリーは、大規模ウェブサイトや、異なる URL 構造を持つ複数のプロパティを扱う際に複雑さが生じると説明します。
そして、地域ごとに異なるドメイン名や、さまざまな公開セマンティクス(URL 構造)などのバリエーションが導入されると、エラーが発生しやすくなると強調しました。

国際化と ccTLD

会話は国際化の話題に移り、ゲイリーは時間の経過とともに ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)の重要性が低下する可能性があることに言及します。
たとえば、.ai(アンギラ)のような ccTLD が、ドメイン名の創造的な使用によりウェブサイトのターゲット国の信頼できる指標ではなくなっているからです。

またマーティンは、個人で運営する、英語で書いているコーディングブログに .de ドメイン(ドイツの ccTLD)を使用した経験を共有し、ccTLD の曖昧さを強調します。

ccTLD がそれぞれの国でわずかなランキング上昇をもたらす可能性はあるものの、この曖昧さにより、Google のアルゴリズムが ccTLD への依存度を下げているとゲイリーは明かしました。

言語アノテーションと Google のアルゴリズム

次に、特定の言語サブディレクトリ(例:/de/)内に複数の言語が混ざったのコンテンツがある場合の影響についてマーティンは尋ねます。

この質問に対してゲイリーは、Google のアルゴリズムはページレベルで関連性を評価できるため、ドイツ語のサブディレクトリ内に少数の英語ページがあっても必ずしも問題にはならないと説明します。

続けて、ユーザーの検索言語と位置に基づいてコンテンツを優先順位付けする Google の言語降格国昇格(LDCP: Language Demotion Country Promotion)アルゴリズムについて話し合いました。

LDCP は、Google がローカライゼーションに使用する主要なアルゴリズムの1つです。
LDCP の基本的な考え方は、特定の国から検索が行われた際に、その国のトップレベルドメイン(ccTLD)を持つウェブサイトにわずかな優位性を与えるというものです。
たとえば、.de ドメインを持つウェブサイトは、ドイツから検索が行われた場合、検索結果でわずかに優先されることがあります。

hreflang の技術的側面

議論は hreflang 属性の技術的側面に深入りします。

HTML タグの lang 属性の関連性についてマーティンが尋ねると、その信頼性の低さから Google がそれに依存していないことをゲイリーは明確にしました。
手動のアノテーションよりも自動的に学習されたシグナルを優先するとのことです。

また、hreflang 属性と lang 属性の信頼性を比較した場合、hreflang が意図的な努力を要する実装であるのに対して、CMS で事前設定されることが多い lang 属性です。
そのため、hreflang のほうがより信頼性が高いと考えられているとゲイリーは説明しました。

テストと検証

Google は現在、hreflang 検証ツールを提供していません。

ゲイリーはサードパーティ製ツールを代わりに紹介します。

x-default と正規化

x-default hreflang 値の概念に話題が移ります

x-default は、明示的にサポートされていない言語のユーザーに対するフォールバックページを指定するために使用される値です。

英語ページに、英語バージョンを示す hreflang (hreflang="en") とそれと同じ英語バージョンを指す x-default (hreflang="x-default") の両方を含める必要があるかどうかをマーティンが質問しました。
明確性と正規化を助けるために両方を含めることがベストプラクティスだとゲイリーは推奨します。

正規化と Search Console のレポート

エピソードの最後のトピックは、正規化と Search Console でのレポーティングへの影響についてです。

hreflang アノテーションを持つページが Search Console でインデックスされていないように表示され、サイト所有者に混乱を引き起こす可能性があることをマーティンが指摘しました。
ゲイリーは、Search Console が主に正規 URL をレポートし、hreflang クラスタ内の代替ページが明示的に表示されない可能性があると説明します。
このレポーティング動作が議論の的になっていることを認めつつも、それがバグではなく意図的な機能であることを強調します。

主要なポイント

Seach Off The Record ポッドキャストのエピソード 78 の主要なポイントのまとめです。

  • hreflang 実装の複雑さは、大規模ウェブサイトやさまざまな URL 構造を持つ場合に増加する
  • 創造的なドメイン名の使用により、ccTLD はターゲット国の信頼できる指標ではなくなりつつある
  • Google のアルゴリズムはページレベルで言語の関連性を評価する
  • hreflang は実装に意図的な努力が必要なため、lang 属性よりも信頼性が高い
  • hreflang セットアップのテストにはサードパーティツールが利用可能
  • x-default hreflang 値は、サポートされていない言語のユーザーに対するフォールバックページを指定するために使用される
  • Search Console のレポーティングは正規URLに焦点を当てており、hreflang クラスタ内の代替ページのインデックス状況に関して混乱を招く可能性がある

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